W・シャトナーの世界の怪奇現象 Ⅱ

エピソード2 - 謎に包まれた建造物
エチオピアのラリベラ。巡礼の街。
この聖地が、飛んでもない。教会が地上に建てられたものではないのだ。
11棟の教会は全て地面の岩盤を刳り貫いて形作られている。地下に向けた彫刻のように。12世紀の事だ。
そこで出た岩はどうやって運び出すのか、それがわたしは凄く気にかかってしまう。
通常の建造物は地上で、下から上に向けて建造される。
だがここは地下に向けて岩を掘り進んで作っているのだ。20年かけて。しかしよく20年で出来上がったものだ。
奥行き30メートル。地中に障害物があったらどうするつもりだったのか?
ともかく、とんでもない意図が無ければこんな突拍子もないことをするはずもない。
何で、何の為にそうしたのか?
ラリベラ王は、エチオピアにエルサレムを再現しようとしたと(夢のお告げらしい。わたしもそんな夢見たい)。
地下世界はより神秘性、厳粛さは昇まると思う。文学・芸術の憧れの場でもある。
そして壁面に刻まれた文様からはテンプル騎士団の関与が濃いということ。
彼らは石工術・建築にも造詣が深かったそうだ。
「契約の箱」(十戒の刻まれた石板の収められた箱)を安置するための場所であったというのが、ここでの解釈であった。
この建造物がそれを守るに適した構造であると。イエスの使徒が12人であることから、まだ発見されてない教会の存在も囁かれているという。
次いでサンタフェの中心部に位置するゴシック様式のロレット・チャペルの「奇跡の階段」。
(プレ・ラファエル派の絵にあった気がして直ぐに調べに行ったが、「黄金の階段」と勘違えしたみたい)。
絶妙なバランスで自立した33段の支柱の無い二重螺旋階段である。イエスの生涯も33年。
一切釘やネジや接着剤が使われていないという。二重螺旋構造が強度のミソなのだ。魅了される美しさだ。
材料もアメリカにはないもの(地域の限定出来ないトウヒ)で、何処から入手して誰が作ったのかも定かではない。
ロレット修道院を建造した人が聖歌隊席に上がる階段を作らずに急死してしまい、、、
困った修道女が聖ヨセフに祈っていると階段を作ろうという大工が現れ独りで作り、代金を受け取らず消えたという。
彼は聖者だったのね、と修道女たちは喜んだという、まさに聖者による救済というキリスト教的説話。
一番、好きなタイプの噺でありモノであるが。リポーターが実際に上がってみると足元に何もない宙に浮いた感触であると。
わたしも昇ってみたい。宗教に目覚めるかも知れぬ?!
33という数字からフリーメイソンを関連付け、テンプル騎士団を持ち出していた。
この回はそれで攻めるつもりか。
と思ったら、次からは打って変わって人の禍々しい執念の作った大邸宅の噺である。
この噺は有名であり知っていた。
奇妙で不気味、異様としか言いようのないその建物はサンノゼにあるウインチェスターハウスである。
設計図に従い完成させるのが一般の建築であるが、この家は夫人が生きている間(40年ほど)ずっと増改築を続け非常に不合理で理屈に合わない化け物のような邸宅にしてしまったのだ。
3.6mにある足場のない扉や一歩進めば下に落下する扉とか先のない階段、そんなものばかりなのだ。
何故、そんなことをし続けたのか。
夫の作った大量殺傷に画期的な連射の出来るウインチェスター銃で巨額の富を得たが、不幸なことが続き、占い師にみてもらうと、その銃で殺された多くの霊による呪いだと説かれる。家をこの先ずっと増築し続けなさい。そうすれば助かります。一人の占い師のいう事を真に受けたのね。屋敷が迷路に成れば霊に見つからずに生き延びることが可能ってそれは無いでしょ。
それ以来、霊を惑わすような怪奇な作りの家が膨れ上がって行く事となった。そして13という数があらゆるところに見られるという。
この意図に関しては、まだ解き明かされてはいない。
面白いといえば確かに。しかし逃げ続ける生涯は幸福とは縁がなかったと思う。孤独だ。
死後見つかった金庫には、幼くして亡くなった娘の髪と早世した夫の死亡記事だけが保管されていたという。
一番の極めつけがフロリダにある石の建造物だ。この記事も昔目にしたことはあったがほぼ忘れていた。
”サンゴ城”である。
巨大なサンゴを一人で運び込みそれを彫って組み立て建造した広大な城なのだ。
そう、他にもこの手の独りでコツコツ城を作る男の噺を読んだことがある。
そういう人は時折いるものだが、この人の場合、凄いのは石の重さが数十トンもあるモノがざらなのだ。
全部合わせると1100トンになるという。
どうやって運び加工し積み上げたのかが、一人の作業で作られた為、不明なままというところ。
奇想天外なデザインや工夫を凝らした作りは、魅力的である。
何やら特殊な機械を発明していたという説もある。永久運動ホルダーという磁気を利用する装置を開発して使ったとか。
超電導?ともかく神秘的なベールに依然包まれている。
はっきり見つかっているのは、滑車と三脚だけらしい。重機でも独りでは大変だ。それは無いと思う(笑。
彼は生前「ピラミッドの秘密を知った」と述べていたそうな。きっとその技術を応用したのだ。
この他、クフ王のピラミッドは発電所だったのか、とか言う二コラ・テスラと絡めた話題もあったが、少々展開と詰めが薄かったので割愛したい。ピラミッドが地球のエネルギーの集束装置だとかいう説は聞いたことがるが、、、。
かなり気になるモノばかりが取り上げられており、楽しい時間であった。
自由課題に使えるかどうかは分らぬが、きっかけにはなるかな、こういうのも。
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