パディントン

Paddington
2014
イギリス、フランス
ポール・キング 監督・脚本・原案
マイケル・ボンド 原作『くまのパディントン』
ベン・ウィショー、、、パディントン(クマ)
ヒュー・ボネヴィル、、、ヘンリー・ブラウン(父)
サリー・ホーキンス、、、メアリー・ブラウン(母)
ジュリー・ウォルターズ、、、バード夫人(ブラウン家の親戚)
ジム・ブロードベント、、、サミュエル・グルーバー(骨董品屋でメアリーの友人)
ニコール・キッドマン、、、ミリセント・クライド(自然史博物館の剥製部長)
マデリン・ハリス、、、ジュディ・ブラウン(ブラウン家の長女)
サミュエル・ジョスリン、、、ジョナサン・ブラウン(ブラウン家の長男)
ピーター・カパルディ、、、カリー氏(ブラウン家の隣人)
ニコール・キッドマンがとても綺麗だった。
こういうファッショナブルな悪女が似合う。
スーパーウーマンなのに運の悪い人(笑。

とても観易いホームコメディ。擬人化もここまで徹底すれば、ドラえもんと同格であるか。
イギリスの探検家がペルーの秘境で、知性のあるクマと遭遇して、ロンドンに来ることがあったら訪ねてくれと言って帰国する。
地震が起きて住めなくなった故郷を離れそのクマの甥は夫婦から聞いた噺を頼りにイギリスに密航してやって来た。
パディントン駅までやって来たが、誰からも相手にされず、途方に暮れていると、ある家族の奥さんに声をかけられ取り敢えず引き取り手が決まるまで家に置いて貰えることに。奥さんには親切にされるが、夫は子供たちへの危害が無いか心配で、早く追い出したい。
相手が取り敢えずクマなのだから、それが自然な感情だろう。
(普通のクマではないにせよ。「クマ」と呼んでしまえばクマとなろう)。

知性がある動物は、イルカなど確かにいるが、このケースは別だ。
知性のある違う種ではなく単なるヒトでしかあるまい。
ことばが理解できて喋れて字も読み書き出来るのだ。イルカとは明らかに違う。他者性がまるでない。
外国人より近い存在ではないか。ちょっと文化の違いから歯磨きのブラシで耳掃除をしてしまったり、テクノロジーの不慣れがあって慌てるくらいのもの。田舎から出て来た親戚くらいの立ち位置ではないか。
ともかく可愛らしい縫い包みの姿なのだから誰にとっても、変な子に思えても危害を加える恐ろしさは微塵も感じさせない。
妙に礼儀正しいし。

ただ面白いのは、ペルーに来た探検家を探すのだが、漸く探し当てた探検家の家に待っていたのが、彼の娘で恐ろしいサイコ剥製部長なのだ。
彼女は、まさにそのクマ、パディントンを剥製にして博物館に展示することを企んでいたのだ。
父が彼らが知性と文化を持つ種族と知り、剥製にせず学会に報告したため、彼は探検家の資格を剥奪されてしまったのだった。
彼女にとりこれはリベンジの機会であり、名誉挽回の悲願の成就のまたとないチャンスであった。
異様に美しい女性なので、隣人のカリー氏はたちどころに彼女に操られクマ捕獲の手助けをしてしまう。
しかし、パディントンを剥製にすると聞いて流石に仲の良い隣人ではないが、匿名でブラウン家に連絡する。
声を変えて違う名前で電話するのだが、バレバレなのが笑えるところ。

それからエンターテイメントの見せ場となる。
自然史博物館の剥製部長ミリセント・クライドの魔の手を掻い潜ってパディントンが剥製にされる前に家族団結して救援に向かう。
何と言うかこの女性、単なる剥製部長というよりグリーンベレー~特殊部隊の隊員のような装備と身のこなしなのだ(笑。
ともかくスーパーウーマンと謂うところだろうが、運が無い(爆。
そこそこスリリングなアクションもあり今や一丸となったブラウン家を追い詰め、パディントンを手に入れるところまで来るが。
最後はまさにドリフのコントみたいな流れで、パディントンをブラウン家に奪還されてしまう。
パディントンは、まさに家~家族をロンドンの地に得た。
そのことをペルーの老人ホームに残して来た叔母に手紙に書いて伝える。
ミリセントは罰として奉仕の仕事が義務付けられ、これまたドリフのギャグみたいなシーンで終わり。
とても楽しそうなニコール・キッドマンであった。
(こういう役が結構、合っているのね)。

完全に閉じて完結した箱庭的世界であった。
面白いとして観れば面白い。
続編も録画済み。
明日観るかも。
BSにて


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