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イースタン・プロミス ~ デヴィッド・クローネンバーグを見て

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Eastern Promises
2007年
アメリカ・イギリス・カナダ

デヴィッド・クローネンバーグ監督

ヴィゴ・モーテンセン 、、、ニコライ(自称運転手)
ナオミ・ワッツ 、、、アンナ(助産婦)
ヴァンサン・カッセル 、、、キリル
アーミン・ミューラー=スタール 、、、セミオン
イエジー・スコリモフスキ 、、、ステパン
シニード・キューザック 、、、ヘレン



ナオミ・ワッツという女優は、デヴィッド・リンチ監督の”マルホランド・ドライブ”や”ザ・リング”などカルトな映画に積極的に出演しているようだ。デヴィッド・リンチとクローネンバーグ監督を好むというところからして、かなりの芸術家肌の女優か。
何でも父親はピンク・フロイドのサウンド・エンジニアをしていたそうで、彼女の繊細で内省的な演技にもそれが継承されているように思う。イギリスに住むロシア人の血を引く女性の内面を見事に演じていた。彼女のバイクを乗り回す姿と助産婦姿との対比も彼女の動と静の両面にメリハリをつけていた。
何故か日本未公開の映画が多数ある女優でもある。日本にも住んでいたことがあり、仏教に帰依しているとのこと。
大人の女優だ。

ヴィゴ・モーテンセンはアメリカ生まれとは思えない風貌の持ち主だ。ロシアン・マフィアの潜入捜査官役だが、ロシア人と言われれば恐らく誰もが納得する雰囲気を持っている。これを役作りでこなしているとすれば、驚異である。
寡黙だが説得力のある迫真の演技が際立つ。
彼は英語、ロシア語、スペイン語、フランス語、ドイツ語をすべて流暢に話せるそうだ。
知的なマフィアを地で行くような俳優。このイメージは強い。

他にも個性派のヴァンサン・カッセル(ブラック・スワンのバレエ監督役)、燻し銀の演技のアーミン・ミューラー=スタールなどキャストは強力である。
さて、クローネンヴァーグ作品としては、初期のヴィデオドロームなどから見ると、大変スッキリと見られる映画であり、しっかりした重厚な構造をもっている。イギリスのロシアン・マフィアの生態もよくリサーチされていてそれだけでも面白い話になっている。ヴィゴ・モーテンセンの尋常ではない役作りに負うところが大きいのは言うまでもないが。


物語は十代のマフィアの罠に嵌ったロシア出身の歌手志望の女性が身篭り出産後に死ぬ。
助産婦の主人公は自らが取り出したその赤ちゃんの親族を探し出そうとして、マフィアのボスのところにも乗り込んでもゆく。
終始この赤ん坊、クリスティーナを産み落とし死んだ若い女性の綴った日記の語りを基調に進む。
主人公は流産して相手と分かれており、クリスマスに生まれたこの子のことが気にかかって仕方ない。
また日記を読むにつけ哀れな母親のことにも感情移入してゆく。
自分の失われた子供の代わりにこの子を是が非でも守りたい。
自分のルーツであるロシアの血にも自覚してゆく。

この日記をマフィアのボスに読ませてしまったことで、マフィアに潜入捜査中のイワンことモーテンセンとの繋がりが生じ深まってゆく。その過程は、まさに血生臭い、バイオレンス・アクションの連続である。
血が噴き出す殺傷シーン満載である。
だがこの中で、主人公の2人は冷静である。
また、2人に信頼感も生まれてくる。
しかし、お互いに結ばれるような関係ではない。
拐われた赤ん坊を2人で取り戻し、「さよならアンナ・イヴァノバ」と言って分かれる。
もう会うことはない。
よく出来たバード・ボイルド映画である。
音楽もよくマッチしている。

ヴィデオ・ドロームを観たとき、こういう映画を作る監督だとは思わなかった。
まだ、クラッシュ(バラード原作)、裸のランチ(バロウズ原作)とも観ていない。
これらを観ないと話にならない。
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