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FOLLOW ME/NO ESCAPE
2020
アメリカ
ウィル・ワーニック 監督・脚本・製作
キーガン・アレン 、、、コール(人気ライバー)
ホランド・ローデン 、、、 エリン(コールの彼女)
デンゼル・ウィテカー 、、、トーマス(コールの友達)
ローネン・ルービンシュタイン 、、、アレクセイ(ロシアの脱出ゲーム主催者、大金持ち)
パシャ・D・リチニコフ 、、、アンドリュウ(アレクセイの仕掛けのスタッフ)
ジョージ・ヤンコ、、、ダッシュ(コールの友達)
サイヤ、、、サム(コールの友達)
ライバーのやり過ぎ配信の悲劇である。

日本では、二次元キャラで配信を行うVチューバーの勢いが凄い。
バーチャルユーチューバーという抽象的なレベルであれば、こういった危険性は少ないだろう。
これはサヴァイヴァルデスゲームというところか。
動画配信10周年企画として派手なことをやらかそうぜ、というノリでロシアの金持ちに招待されそこで企画された脱出ゲームに参加する。
しかし皆が妙に間が抜けた行動をとったりしていて、今一つ緊張感の欠けたところがあった。
特に主人公のノリの良いだけのお調子者ぶりがよく描かれている。

人気ライバーのコールは、ロシアに招待され究極の脱出ゲームを友人と共に生配信することになった。
有名になったことで調子に乗りまくっているが、確かにこういう時は落とし穴も思わぬところに在り、ちょっとは落ち着いて考えるところは欲しい。
これまでにない秘密の過酷な脱出ゲーム。それが凝りに凝ったセットとキャストで練られたもので、主役のコールだけが内容を知らないというもの。ゲームの過酷さも友人のドッキリ演技に支えられたものである。
所謂、通常の脱出ゲームの枠から外れた「ドッキリ」企画であった。
と、これだけならよいのだが、余りにエスカレートしたもので、一緒にゲームに参加した仲間が皆殺されてゆく残酷なものなのだ。
わたしも終盤までほとんど真に受けてコールと共に騙されて観ていたのだが、、、。

何もあそこまでやらなくてもよかろうに。
心底本気になって絶望と怒りの虜になってしまった彼は、主催者のアレクセイが最後にゲームの説明をしようと出て来たところで彼を殴り殺してしまう。
他の関係者たち~友人と恋人のエリン含む~は、何やってるのと驚いて全員出て来るが、一番驚き呆然としているのはコールに他ならない。
しかし何も知らされていないコールにとっては、自然の感情であり憤りであっただろう。
仲間が皆殺されているのだ。
半狂乱である(ライバー視聴者には大受けで日本なら「投げ銭」がポンポン効果音とかと共に入るところか)。
最後にホントに殺されてしまったデスゲーム主催者も銃で撃たれたのなら、何でもなかっただろう。
他の者も銃で撃たれて死んでいたものだ。
だが固いものでリアルに殴られたのなら、死にもする。
とてもよく出来たドッキリということだが、これだけリアルな演出をするのは、映画を撮るよりも遥かに大変となろう。
通常、映画の場合は編集とCGなどで加工した結果を見せればよいが、ここでは同一空間内でライブでコールに見せるのだ。
その様子をライバー視聴者たちは見ていて、その全体をわれわれ映画鑑賞者が作品として眺めている。
コールに対しては、ほぼイリュージョンレベルの細工も多用しなければ騙せないはず。
ライバー視聴者はドッキリを知ったうえで観ているようで、ただ愉しんでいる。
やはりアレクセイは相当な金持ちであろう。

だがやはりコールを追い詰め過ぎて身を滅ぼしてしまった。
勿論、コールも世界中の物凄い数のファンの前でライブ殺人を犯してしまったのだから破滅である。
そんな、アホなという映画だ。
出て来る連中が皆して軽い。
お気楽映画ではあるが、主催者はせめて、ホントは元気に生きている他の皆と一緒に仲良く登場すべきであった。
そうしたら頭を抱えて唖然とするコールを全員で冷やかして終わりであったのに。
(実際それでもよかったと思うが、どうしても悲惨な結果に持ってゆきたかったのだろう。SNS世界もエスカレートするとこんな場面に立ち会うことにも成り兼ねないという警告もあるか)。

ライバーを主役に作ることは、今日的なテーマで面白さは分かるが、、、
やっちまったよ、の世界である。
だが、それにしては緊張感が足りない。
練り足りない部分が途中気になった。
アレクセイの彼女が凄い。
この女優で映画を作って欲しいものだ。
WOWOWにて
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