サスペリア

Suspiria
1977
イタリア
ダリオ・アルジェント 監督・脚本・ナレーター・音楽
ダリア・ニコロディ 脚本
ゴブリン 音楽
ジェシカ・ハーパー、、、スージー・バニヨン(アメリカ人バレリーナ志望)
アリダ・ヴァリ、、、ミス・タナー(主任教師)
ジョーン・ベネット、、、ブランク夫人(女性理事長代理)
ウド・キア、、、フランク・マンデル(精神科医)
ステファニア・カッシーニ、、、サラ(学園のスージーの友人)
ルドルフ・シュンドラー、、、ミリウス教授(魔女に詳しい)
「サスペリア」が何故かガ~ンと目に入ってしまったので、ポチっと押して観てしまった。

ドイツのバレエ名門校に入ってみたら、何なのよ、という映画。
当時やたらとゴブリンのテーマ音楽があちこちで鳴っていた。懐かしい。
これ聴くだけで映画も観た気になり、実際に観る気にはならず仕舞いであった(笑。
音で脅かすのは嫌いだと前に述べたが、蛆虫を降らすのも嫌いだ。やめて欲しい。
怖がらせるのではなく、嫌がらせである。カッパ海老せんとか食べながら観ていたらどうするの(怒。
学園の内装が結構シュールなアートで素敵。
魔女が支配していなければウキウキするところだ。していても嫌がらせをしなければ構わないのだが。
ただ端からゴブリンの音楽が鳴り響いていて、その後も何かと直ぐに鳴る。
もうそろそろ何かあるぞ~というのを先走って伝えて来るので、驚きはない。そして怖くもない。
こちらとしては、蛆虫に気を付けておやつを食べることに集中すればよい。

最初に大雨が降り、学園から出て来た女学生が血相を変えて何やら口走り逃げてゆく。
この学園が大変ヤバいところだというのをわれわれに知らせるのだ。
そしてパニックの女子がお友達の家に逃げ込むと、その家に急に異変が起こりその子とお友達両方が惨殺されてしまう。
イントロでこれである。
さぞ禍々しい事件が続出するのでは、と思うとその後はゴブリンミュージックと蛆虫とかで煽りながらじらしてゆく。
学園の教職員に対し不信感や疑念を持った者は排除されてゆくのだが、その刃はヒロインにも向けられる。
スージーに魔術で呪いをかけ不調にして特別な食事を与え、薬を混ぜて弱らせるという周りくどい方法でじわじわと来るのだ。
ただ夜に眠くなるだけの薬にも想えたが、、、。

そしてあからさまに飼い犬がマダムの甥の少年に咬みついた角で盲目のピアニストが解雇される。
彼は夜に如何にもという感じの公園を横切る際に(呪いに)操られた飼い犬によって噛み殺される。
これが見せしめとなったかどうかは微妙。学生たちも彼に同情する子はいなかったし、効果は無かったみたい。
その後、教師たちが家に帰宅するのではなく学園の中の何処かの部屋に集合して行く気配を感じ、それをスージーの友達のサラが突き止めたがる。スージーが初日に見た女子もそれを探るうちに姿を消してしまったのだ。その子の友人でもあったサラは殊の外、この件に拘っていた。
そしてそれを探りに行った彼女も殺されてしまう。

スージーもいよいよサラが姿を消してしまったことで、この学園の危うさ~恐ろしさを実感する。
サラの行方を捜し彼女の知り合いの精神科医や魔術に詳しい学者とも会い、魔女の存在を知り、それに迫って行く。
そして毎日特別メニューで出される食事を拒否して流しに捨てると夜眠くならないのだ。
そこで彼女も学園の消灯後の足音の数と方向を探り、その部屋を見つけ出すとそこには学園の教職員と犬が咬みついた子供まで全てが揃い、会議を開いているのだ。そこで議題に上がっていたのは、あのアメリカ娘を殺そうと言うものだった。

さて、ここからが凄まじい修羅場になるぞ、と期待が膨らむところ、、、なのだが、、、
余りの恐ろしさにスージーは逃げるように他の部屋に入ると、とっくの昔に焼け死んだと伝えられる魔女がまだ生きながらえており、スージーに呪いをかけて殺そうとするのだ。殺されたサラを操りスージーに襲い掛かって来る。これまでの殺人も教職員を操りやらせていたようだ。
だが姿を消していたその魔女の輪郭が微かに光り、いる場所を悟った彼女はそれに向けナイフを突き立てる。
ぎゃ~と断末魔の叫び声を発しその魔女は息絶える。
何とも呆気ない。余りに不甲斐ない。こんな素人の小娘に、何たる失態。

すると先ほどまで威勢よくスージー殺害計画をまくしたてていた教職員の面々も血を吹き出し倒れてゆく。
そして学園の建物自体が崩れてゆくのだ。
彼女が外に出るとすでに全てが火に包まれてゆく。彼女の他の学生寮の学生たちはどうなったのか、スージーだけ助かって彼らは丸焼けなの?画面からはその消息は窺い知れない。
ヒロインのスージーが実際に華麗なバレエを踊るシーンなどちょっと挟んで欲しかった。
学園の中をもっとサイケデリックにしても面白かったと思う。如何にも魔女の作り物という感じになって、、、。
ともかく、ちっとも怖くないホラーであり、ゴブリンの自己主張がやや強めに思えた。
蛆虫は一回だけであったが、このような嫌がらせが怖さに繋がることは無いという認識は持って欲しい。
ホラー史上最も呆気ない終わり方ではないの?
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