PICKUP
ザ・ミスト
末期の目
美しき冒険旅行
レヴェナント: 蘇えりし者
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
シャイン
トイレのピエタ
カッシーニ グランドフィナーレ
ゴッド ファーザー
それでも恋するバルセロナ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
魔術師
ブラック・スワン Black Swan
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
LUCY ルーシー
ミツバチのささやき
娘ふたりと女子美へ☆彡
父 パードレ・パドローネ
写真についてーⅡ
去年マリエンバートで
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

固有時に関して

Wooden hourglass
通勤電車の中で漫画を読むのは、覚悟が必要だ。
ということを数日前に知った。
身を持って。

その日は朝の支度が早く済み、いつもより10分は早く家を出た。
駅まで確実に10分早く着いた。
その余裕も手伝ってか、電車を待って座ったところで、すぐにバッグに入れていた漫画を読みだした。
実は、わたしは電車で小説や文芸評論、哲学書は読んだことはあるが、漫画ははじめてである。

これまで諸星 大二郎と山岸 涼子は家で夢中になって読んだことはある。
勤め先の図書館で長 新太の面白さを味わったことはある。(絵本か?)

が、電車で読んだことはない。
それを今回やってしまった。
吉田 秋生著”バナナフィッシュ”だ。
いざ、読み始めると自分のいるべき日常の時間流をはっきり外れてしまう。

つまり、駅など関係なく、電車も自分の中から消える。
そう、自分の中から余計なものが消えて、その世界がある。

周囲の明かりの色によって、自分が”その駅”に着いたのを朧げに知る。
これは、アラームセットをしないで、5時半に起きることにして寝た時に似ている。

その時間プラスマイナス2分には確実に起きるが、その起きる時の状態に似ている。
何故か日常の時間流に自分を繋ぎ留めるメカニズムが起動する。

わたしとしては、そんなもの起動しようがいまいが、関係ないのだが、結構根深い部分にそれが埋まっているらしい。
しかし、今回車内が混みすぎていたため、出るに出られず急行で一駅乗り過ごしてしまった。
さらに乗り越した駅からまた読み始めたために、戻る駅を一駅早く降りてしまい、大変な時間ロスをした。
迷ったのではなく、通常の時間流を脱線して彷徨いだした感がある。

勤めには半ば自動的にギリギリ遅れずに着いたが、この漫画に入り込む強烈さは生半可ではなかった。
BANANA FISH Engineのおかげで随分降りたことのないホームをあちこち歩き4倍は階段を登り降りして体も使った。
これは、最近見た映画で言えば”So Close”に似て、絶えず銃撃・暴力アクションで主人公たちが常に命を狙われている、その死に直結する感覚刺激が言葉の速度を加速させたようだ。

自分の特に好むタイプの漫画ではないが、この固有時の生成力、というよりその入口をこじ開ける、いや接合する波動をもった類いの漫画ー装置であることは確かだ。
よく言う、夢中になって漫画見てたら電車乗り過ごしちゃった。
というのに結果似ているが、まったくそれと同じはずである。

改めて思うが、このような時間の乗換という事件はたびたび起こっており、その頻度は通り魔殺人事件より多いと思われる。SFショートなどで面白く膨らめてみても良いと思う。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

COMMENT

No title

>吉田 秋生著”バナナフィッシュ”

なんですね・・・
スミマセン
勉強不足で。

此方の分野は滅法弱く
たぶん足を踏み入れていない・・感じで
恥ずかしい限りです。

バナナフィッシュの生みの親のお話かと思ってましたので
先の意味不明な文章は忘れて下さいね。

それにしてもGOMAさまは
見事な哲学者気質であられると
改めて・・・・。





いえ、分かっております。


バナナフィッシュにうってつけの日であることは、もちろん分かっております。そしてその漫画も明らかにその影響は受けています。あの敗戦の後遺症、そこから剥き出しになる人間のとてつもない闇の部分を描いています。
それに倒錯的な味付けが濃く、少女まんがって凄いですね〜と改めて感心しております。
saki様の審美眼に耐えるかどうかは分かりませんがドラマとしては、相当なものです。
わたしにははっきり言って、刺激が強いです。

しかしそれによって不意に入れられるスイッチと言うものってありますね。
自分を意図的に変えてみるには、かなり暴力的ですが有効なアイテムです。
日本の彫刻家がヘンリームーアの作品にずっと付き合って制作過程を見ているうちに本格的に気持ち悪くなって吐いたというようなことを言っていますが、そのような経験って重要だなと思っております。よく分かるとか、心地よいももちろん大事ですが。
異物感となんとも言えない抵抗感のもたらす物。
これも貴重だと思っています。

No title

>日本の彫刻家がヘンリームーアの作品にずっと付き合って

このくだり
実は私も
なんだか
わからなくもない
というか
ムーアのそれは
これでもかという感じで

しんどい・・・(笑

サリンジャーが名付けた
シーモア・グラースは・・・
”See more glass”
なんですよね・・・

自分を見詰めましょ
って

ヘッセが心を痛めた
思い切り重苦しい部分を
彼はあんなノリで
悩める季節に
ヒントをくれる

凄い作家さんだと・・・。



No title

諸星大二郎は未読ですが、山岸涼子と吉田秋生は高校生の頃友人に紹介され、好んで読みました。日本の少女漫画は変な小説よりもレベルが高いと感じます。

長新太も良いですね^^GOMA様は図書館にお務めなのですか??

「時間の乗換という事件」言い得て妙ですね。
確かにそういう乗り換えは、頻繁に起こっているという気がします。

ありがとうございます。

廃墟についてはまだ、その周辺をぐるぐる回りつつ、まとめに至りません。
一度、しっかりその中で、何か強烈な実感を得て考えたいと思っているところです。
夏休みに何処か行ってみるつもりです。娘と(笑
まだ、お立ち寄り頂けてほんとうにありがたいことです。

> 諸星大二郎は未読ですが、山岸涼子と吉田秋生は高校生の頃友人に紹介され、好んで読みました。日本の少女漫画は変な小説よりもレベルが高いと感じます。

まったくです。吉本隆明の長女も少女漫画家ですね。姉ばなな。ハルノ 宵子。
萩尾望都、大島弓子、岡崎京子、高野文子、杉浦日向子などなど、呆れかえるほどの才能ですね。
わたしが一番好きなのは、山岸涼子ですが。この方は、完璧なプロットと表現技術に裂け目がない、稀有な作家だと思います。
諸星大二郎はわたしにとって、漫画とかではなく全てひっくるめて圧倒的な存在です。孤高のヒトです。

> 長新太も良いですね^^GOMA様は図書館にお務めなのですか??

図書館勤め、、、憧れますね。何かレイ・ブラドべりの小説に登場する主役の少年のお父さんみたいで。
ロマンを感じます、、、。ヒント:ロマンのない職場です(爆笑

>
> 「時間の乗換という事件」言い得て妙ですね。
> 確かにそういう乗り換えは、頻繁に起こっているという気がします。

亜時間とか。これからも空間ではなく時間を考えていかないと(勿論、廃墟の核心でもありますし)、今わたしの大事な課題です。
「固有時との対話」、、、これはまた”See more glass”か。

また、コメントお待ちしております。
宜しくお願いいたします。

SAKI様にも宜しくお伝えください。

EDIT COMMENT

非公開コメント

プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

*当サイトはリンクフリーです。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR
最新トラックバック