この時期に思い出すこと~レンゲ紐の思いで。

もう15,6年前の話であるが、梅雨の晴れ間の日のことで、いまだに覚えている光景がある。
電車を降りて、駅出口を上ってゆく階段で、左手にスイカまるごと一個、右手にMacintoshのColorClassicⅡをそのどちらも白いレンゲ紐でいわいて持って上がって行く、派手な柄もの半ズボンに白い半そでシャツの大柄の男がいるではないか!
何と風流なことよ、とは思わなかったが、二つの素敵だが異質な取り合わせと、粋でその身軽な動きとかなりの危うさに、大変興味をそそられた。
まず、2つ素敵な物に目が行く。
どちらも大好きだ。
さらにそれらをこともあろうにちょちょいとレンゲ紐で括ったと解る結びでホントに軽々しく持って階段を上ってゆくのだ。
スイカはともかく、ColorClassicⅡはあまりにも怖い。
勿論、スイカだってうっかり落とせば、スイカ割りどころではない悲惨な状況が見えている。
どういうおじさんが、と隣に並び顔を見てみたいとも思ったが、わたしもその時、荷物が多く(重く)階段をトントンと登れる状況になかった。
多分、スイカを冷やして、というのもスイカは冷やしたほうが断然美味い、その後おもむろにColorClassicⅡの動きをじっくり見て(果たして起動する代物か?)、もしかしたら改造を行うのかも知れない。
改造するなら、冷えたスイカを食べて心身ともにレフレッシュしてからがよい!
後姿だけだが、スイカとMacの通(達人)に思えた。
スイカも軽く手の甲で叩くだけでこいつは美味いとチョイスしたのでは。
丸ごと買って失敗した時の情けなさと言ったらない。
見るからに美味そうなスイカだ。
Macの方も、あの頃はアキバもAKBとか何とかも生じておらず、実に奇っ怪で、狂気に満ちていて、アスファルトの路上に1980円の正札で、かつて100万近くしたMacが山積みで売られていたこともあった。
ColorClassicⅡはもともとそれほどの値段ではなかったが、歴代のMacの中で間違いなく可愛らしさはトップでありMacの花形センターである。多分そのおじさんも沢山ある中古の中から目利きでこれだというものをチョイスしてきたのかも知れない。しかし、いくらなんでも、あの紐はない。たとえ路上で売っていたとしても。
誰かその道の人のお宅から、そのスイカとカラクラ2を貰い受けてきたところなのかも知れない。
もしくは、スイカとMacをこよなく愛する(まるでわたしか?)友人のところにお土産として持って行くところかも。
だったら、嬉しいだろうな!
それが、一番それらしい気もするが、そうだとすると独身の気の置けない仲間のところだろう。
あまりに衣服がテキトー過ぎる。弟の部屋を訪ねるとかならぴったりだ。
多分そんなところだと思う。
しかしColorClassicⅡをがりがり使うのなら、その時期の標準スペックで駆動する(流石に今ではもう無理があるが)中身総とっかえがある。但し、これについてはノートからカラクラに基盤を上手く切り出して接合することと、何よりモニターの件が有り、素人の技術と装備ではどうにも覚束無い。
そういう時は、今は知らないが当時は、筐体持って五州貿易に持ち込み、相当のお金を支払えば、改造してもらえたものだ。カラクラの改造はかなりやっていたはず。全面をとても綺麗にカラーリングしたカラクラ2を何度も見た覚えがある。
いまだにあれほど可愛らしいパソコンは見たことがない。
家のマスコットに一台置いておいても悪くはないだろう。
そう言えば改造して、金魚の水槽にしているユーザーによる写真を以前、Web上に見たことがあった。
もしかしたら、そのおじさんの改造ColorClassicⅡだったのかも知れない。
うーん、何とも言えないが、、、。
金魚とスイカもこれまたよく合う。
*最近OldMacをiPadケースにする罰当たりも結構見られるとのこと。


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