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小さな泥棒

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LA PETITE VOLEUSE   THE LITTLE THIEF
1988年
フランス

クロード・ミレール監督
フランソワ・トリュフォー、クロード・ド・ジヴレー原作

シャルロット・ゲンズブール 、、、ジャニーヌ・カスタン
ドミニク・ブラン
シモン・ド・ラ・ブロス


16歳の少女。彼女の心の支えはこれといってなく、5年前に彼女を残して去ってしまった母親からの手紙をあてもなく待っている。
伯父さん夫婦と一緒に暮らしているが、市場で商売をしている伯父は彼女を心配してくれ何かと優しいが、伯母は働きがなく盗みばかりして問題を起こしてくる彼女にはことさら冷たい。
彼女のリビドーはただひたすら安易で刹那的で自堕落な方向にしか向かわない。
何かを生み出すための時間性を身体化しない。
想像性がないことがある意味致命的だ。
彼女に子供を育てることなど不可能だ。
母親とおなじことを遺伝的に反復するであろうことは想像に難くない。

煌くサラブレッド女優(フレンチロリータで名高い)シャルロット・ゲインズブールのどうにもならない自分の業に振り回される少女を描いた作品。
あっけらかんとしてではなく、そのようにしか生きれない悲しさと辛さを淡々と演じているところは並の女優ではない。
いわゆる、現実とか社会とは関係なく自分が選択し引き寄せてしまう、それもまた宿命といえるその流れに逆らえず、これでもかというところまで堕ちてゆく少女の姿が痛ましい。
何度となく同じ過ちを反復してゆく。
自分を大切にしてくれるはずの人間が周囲から一人また一人と消えてゆく。
叔父ももはや匿えない。
母親に対する幻想も潰えた。
幻想が洗い流され、自分ひとり、依存できるものはなにもない。
そこに自分を捨てた男の子供を身籠ったことを知る。
彼女は決意をする。
「落ち着きのない子」をひとりで生もう。
そうしたものだろう、と思う。

だが、大きな泥棒になるのがオチだろう、、、。

この暗さは、ニューヨークには通じる。
ルーリードの「キャロラインの話」、暗黒の幕引き。
しかしそれに比べるとはっきり結末は示さず、万が一の僅かな希望の光は灯している。
その牧歌性。何かブリューゲルのような。
そこが違う。

監督クロード・ミレール。確か「生意気シャルロット」もそうだ。
フランソワ・トリュフォーの流れを見事に引き継いでいる見事なこれぞ”フランス映画”というものだ。
冒頭から音楽、絵ともどもフランス=トリュフォーの雰囲気たっぷりでハリウッド映画との違いがこれほど顕なかたちで見られる映画はない。
お洒落とかセンスとか文化、伝統などで語りきれない、”フランス”としか言い様のない映像世界。


ハリウッドではない、フランス映画を味わいたい。
というときに見る映画のひとつか?
また、このようなアンニュイな女優もハリウッドにはなかなか見つからない。

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”Lemon Incest”
父親プロジュースのこのアルバムはかなり刺激的な質の良いシャンソンポップだった。

わたしとしては、フランソワーズ・アルディ、ミレーネ・ファルメール、バネッサ・パラディの方がよいが。

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