天気の子

Weathering With You
2019
新海誠 監督・原案・脚本
RADWIMPS 「愛にできることはまだあるかい」、「グランドエスケープ (Movie Edit) feat.三浦透子」、「風たちの声 (Movie Edit)」、「祝祭 (Movie Edit) feat.三浦透子」、「大丈夫 (Movie Edit)」 主題歌
声:
醍醐虎汰朗、、、森嶋 帆高(16歳)
森七菜、、、天野 陽菜(15歳、空と繋がる)
小栗旬、、、須賀 圭介(K&Aプランニング経営)
本田翼、、、須賀 夏美(圭介の姪、大学生、K&Aプランニングでバイト)
倍賞千恵子、、、立花 冨美(天気の依頼主の老婆)
吉柳咲良、、、天野 凪(陽菜の弟)
平泉成、、、安井刑事
梶裕貴、、、高井刑事
佐倉綾音、、、アヤネ(凪の彼女)
花澤香菜、、、カナ(凪の彼女)
新海誠アニメーション久しぶり。「天気の子」ていう着想、面白い。鳥居とか装置が用意されている。
こうした装置~ガジェットこそ今誰もが希求するものなのかも。
装置とか機会とか、そうしたものに飢えている気が充満して最近雨が降ってる気もする(笑。
反面、登場する主人公と支える面々、気持ちが良い。
瑞々しくて若々しく、何やら環境がどうであれ健やかに活き活きと生きることは可能だという希望が貰える。
良い事だ。
そういう見返りが無ければ自分の時間を使った甲斐がない。
間違いなく、観てよかった。

ずっと雨が降り続く。
”ブレード・ランナー”にせよ、酸性雨がずっと降り続けていた。
今も何かとポツポツ雨が降ることは多く、、、。
東京がいつか水没してもおかしくはない。
それはそれでよい。
廃ビル屋上の神社の鳥居を潜ることで、空~天気と繋がるというのも、何とも言えない。
強く祈れば、何かと繋がる。
それは有り得ること。

故郷や親を実質、失い、何処にも居場所がない、ということは充分に有り得る。
おまけに未成年で、お金も無い、不運も重なる、ときたらどうするか。
(帆高は疲労困憊して眠っているところを起こされ殴られた挙句に拳銃まで拾ったことで警察にも手配される。帆高にとって親も島の生活も息苦しいだけ。外に出るしかなかった。陽菜は親に死なれて、小学生の弟と共に暮らさなければならない。施設に離れ離れで暮らすことは出来なかった)。
そこに、面倒な法が覆いかぶさって来る。
邪魔にしかならないことが断然多い。足を引っ張るだけの余計なお世話。これは確か。
わたしもその手の機関に対し大激怒している。馬鹿に何が分かる!
(プライベートな件だからここには書かない)。
陽菜が天気を自由に操れることで、「晴れ女」のサービス業を帆高と一緒に始める。
まずは彼らにとり、お金が必要なのだ。
100%ハレ女の陽菜の力で依頼主の願いを叶え、喜ばれ感謝され称賛を受ける。
やはり「晴れ」の齎すものは大きかった。
需要も高まる一方であったが、彼女の体調を心配し仕事は中断することに、、、
しかし晴れにすることの、代償が悲痛であった。

東京が晴れ渡ったとき、陽菜はこの世から消えてしまった。
彼女を人柱とすることで、天気が晴れているのだ。
このことを知るのは帆高だけであった(伝承の謂う所であった)。
彼は陽菜に逢うことを一心に祈り、彼女との再会を目指す。
晴れなどいらない。この先ずっと雨続きであっても彼女と共に居たい。
そりゃそうだ。元々雨続きだったのだから、戻るだけの噺ではないか。
陽菜が上に昇ってしまい体が透明となり、帆高の誕生日プレゼントの指輪が指からすり抜け、それを受けとめようとする一方の掌からも抜け落ちて行くところの描写は素晴らしく切ない。
結局、警察に追われながらも、帆高は強く祈り例の鳥居を潜って彼女に逢いに行く。
そして上空の雲のなか、壮絶な水の世界を潜り抜け彼女と再会を果たす。
地上に降りて、保護観察処分のもと別々に過ごして学校を卒業する。
その後は晴れて堂々と再会するのみ。
生き難い人生を辿って来た彼らにとりこの経緯~経験はハレの世界に生きるためのイニシエーションであるか。

ずっと雨が続こうが、自分たちの幸せこそが全てである。
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