ブラックシープ

Black Sheep
ニュージーランド
2020
ジョナサン・キング 監督・脚本
ネイサン・マイスター、、、ヘンリー・オールドフィールド (羊恐怖症)
ダニエル・メイソン、、、エクスペリエンス(環境保護活動家)
ピーター・フィーニー、、、アンガス・オールドフィールド(ヘンリーの兄、新しい羊の品種を開発する実業家)
タミー・デイビス、、、タッカー(ヘンリーの親友)
オリバー・ドライバー、、、グラント(エクスペリエンスと共に活動する環境保護活動家)
CGによる安易で見飽きたVFXに頼らいないところは、好感は持てた。
メイクと着ぐるみで頑張る古典的な怪奇ものだ。怪奇大作戦なんかを彷彿させて嬉しかったり。
だが終盤一気に脱力する下ネタとジョークがハッピーエンドなどどうでもよい気分に落ち着かせる。
なかなかの新鮮さはあった、、、かどうか、、、特に気にするところでも無いか。

気の抜けるモノが見たくて探したら”羊ホラーもの”というのがあった。
これまでに見ない斬新なジャンルだ。
のんびり笑えそうな気がしたので、観ることに、、、。
期待せずに観たが、その下を行く出来映えであった。
噺がこれではねえ、、、。
兎も角、妙な科学実験で羊が狂暴化して人を襲い、噛まれた人も狂暴なクリーチャーと化すか、そのまま羊に食べられてしまうか。
確かに獰猛な肉食羊は新鮮味はあったが(これが所謂、羊の皮を被ったオオカミなのか?)
羊恐怖症のヘンリーの兄アンガスの会社の研究~実験から生まれ出た羊であった。
何でこんな研究をやってるのかさっぱり分からないが、主人公の野心的な実業家である兄が、新しい羊を人工的に開発し、それで大金儲けを企んだことによる。だがその羊をどう売り出すのか、新たな品質~ブランドの羊毛作りの為なのか、何を狙ってるのか、どうもよく分からなかった。兄と共にしていた真っ白羊は何であったのかも謎のまま。
分からないことは多い。間が抜けてるし。流れに沿うのが難しい映画ではあった。

兎も角この映画の肝は、噛まれた人間が狂暴な羊と化しまた人を襲うのだ。そのまま骨になるまで喰われてしまうケースもあり、その時の羊の腹の減り用によってどちらのコースか決まるみたい。
ほぼゾンビの羊版であろう。
噛まれた主人公の友人タッカーが、ブーツを脱いだら羊の足?!
恐ろしい(笑う場面ではないが噴出してしまった)。
今日は朝から面倒なことばかりで気が重かった為、少しだけ救われた気分にはなる。

狂暴化した羊から逃げてヘンリーとエクスペリエンスは暗い洞窟へと逃げ込む。
「メ~エ~、メ~エ~」「おい!何かいるぞ!」、、、ってそれ羊じゃない?羊から逃げて来たのよね、、、大丈夫か?
羊の群れに追われるというのは、一見良い羊か悪い羊か顔だけでは見分けが付きにくく、そこが不気味ではある。
「もうダメ、もう行けない。」「君は木だ。そうだ、おちつけ。」、、、アロマ焚いたりして、落ちつきすぎないか。
少なくともシュール過ぎる。
環境保護運動家のエクスペリエンスがやたらと風水、ヨガ、アロマ、ヒーリング、スピリチュアルな趣味を披露する。
「京都議定書」がどうだとか言っており、初めの頃は、羊虐待及び環境破壊しているアンガスの弟ということで、敵対的であった彼女であるが、行動を共にしているうちに徐々に打ち解けて来る。

兄は農業やっていると謂うが、牧畜とは違うの(家畜を人工的に養育して数を増やしてるんだし)?
それからこの狂暴化は、副作用なのか、研究の失敗した結果なのか、事故なのか?そもそも実験自体が何であったのか。
本来の目的を何らかの形でこちらに示して欲しい。
ここがぼくの故郷、、、ぼくの原風景だ。
いつの間にか仲良くなったヘンリーはエクスペリエンスに呑気に寄り添い良いムード。
アプローチをかけていた。
かと思うと、兄も噛まれてタッカーも変身していたが、兄も手を噛まれて変身である。
しかし二人とも実験室の血清で人に戻る。
ヘンリーも噛まれたが、その血清で発症が抑えられる。
そして人に戻った兄だが野望はそのまま妙な具合にエスカレートし、羊たちに身を捧げ食べられてしまう。
呆気にとられる他の人々。
残りの羊たちは、ヘンリーたちが薬で元に戻してゆく。

最後に下ネタからはじまり羊のオナラ(メタンガス)で、モンスター羊と兄もろとも吹き飛ばす。
全てが済んだ安堵感、、、これは何なんだ。
AmazonPrimeにて
どういう顔して観ればよいのか分からない映画というのが度々あるが、これもそのひとつ。
どうでも良いが、座り心地は良くない(笑。
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