映画 としまえん

2019
高橋浩 監督・脚本
北原里英、、、辻本早希
小島藤子、、、香西杏樹
浅川梨奈、、、横峰千秋
松田るか、、、佐藤亜美
さいとうなり、、、樋口かや
小宮有紗、、、小林由香
以上、高校のクラスの仲良しグループ
(今は皆大学生になっている。小林由香のみ3年前に失踪)。

「としまえん」という映画があるのは、うっすらと知ってはいたが、何かで糞味噌な酷評されていたのを見て、敬遠してそのまま忘れていた。
今回、軽めでちょっと夏らしく怖めの映画をさがしていたら、ここに行き当たった。
としまえんももうないし、それも目当てで観てみた。
竹中直人が一瞬だけ出るというの、どういう使い方なのよ、、、。

酷評していた人々はどういう期待をして観たのだろう。
(わたしは、お気に入り監督の作品以外は基本的に何の思い入れも持たずに見る)。
もっとも、主要キャストでは、さいとうなりと言う人以外は皆知っていたので馴染み易かった。
特に先日観たばかりの小島藤子さんといい、もうすっかりTV、映画、舞台、声優でお馴染みの小宮有紗さんである。
(松田さんは賭ケグルイ・仮面ライダー、浅川さんは人狼ゲーム・咲とかで)。ただそれだけでも楽しく観られるではないか。
噺もとしまえんに纏わる都市伝説を思春期の少女たちの友人(友情)関係と絡め、ホラーテイストにまとめている。
とは言え、基本はとしまえんの呪いではなく、「由香の呪い」である。
冒頭から見ていて普通に気付くのは、由香が早希に特別な(同性愛的な)思いを強く抱いていること。
単なるお友達ではない。だからふたりで特別な時間を過ごしたいのだ。
しかし、早希にはそうした思いが共有できず、グループの他の4人との仲の方を大切にしてしまう。
つまり早希は由香のことがさほど好きでも大切でもなかったのだ。ここが悲劇のもととなる。

更に、グループの他の子たちがユカをからかう(元々グループから外そうともしていた)。
彼女に独りでとしまえんの呪いを実践してみてとリーダー格の杏樹が煽る。
由香は早希に冷たく突き放された反動で、やる気もなかったとしまえんの呪いを言われたとおりにやってしまう。
そして彼女たちの前から姿を消し、由香の家も今は売り家となっている。
グループの子たちの接し方は特に虐めという類のものではない。
由香自身が他の子に対し壁を作っている為、極自然な反応の範疇と言える。
問題は早希が由香の気持ちをまったく汲んでいないということ。
そこに由香の苦悩があった。

それから凄いのは、「としまえんの呪い」というのが、百発百中なのか。それって危険すぎるだろ。
であれば大きな事件として扱われるべきものである。少なくとも都市伝説とか言って軽んじていられるものではない。
『古い洋館で扉を叩く、お化け屋敷で返事をする、鏡の部屋で秘密の鏡を見る、そのいずれかで秘密の場所に連れて行かれる』という聞いただけでアホかと思うようなものであるが。そして『メリーゴーランドに乗ること』でそこから脱出できるという、、、のだが。
その秘密の場所からメリーゴーランド乗り場までは問題なく行けるのね?ここが上手く行ってなかったみたいだが。
ともかく閉じ込められてしまうようなのだ。「秘密の場所」とかに。メリーゴーランド乗っても電源切られたりして。
この世界と相互作用しない平行世界に置き去りにされるみたいな。
ここで竹中直人とかがひとつ絡んでくるのかと思っていたが、何もなし。これでいいのか?
(絡んできたらSFになってしまうか?この噺でSFに持って行くのは辛い)。
更に気になったのが由香のお化けが古すぎる。番町皿屋敷でもあるまいに。もうちょっと何とかならんの?
小宮さんもきっと嫌だったろうな、、、。絶対に嫌だったろうな。古い。古すぎるときっと怒ったに違いない。

結局、海外留学を控えた辻本早希も含め全員失踪となる。
これって大事件だぞ。都市伝説とか言って冷笑してる場合じゃないだろ。
早希一人だけ助かったみたいなところを見せておいて、そんなに甘くないぞ~というエンディングは、救いが無くて良かった。
(よくある、ああすべてが夢だったのねえ、というパタン。これほとんどがどんでん返し一歩前に設置される(爆)。
やはりあれでは小宮さんではなくて由香が可哀そうである。
早希が一番問題であった。他の友人も巻き添えに近い。
そしてひとりまたひとりと消えてゆき、追いつめられるともう自分の身だけ。
女の友情なんてこんなものよ、みたいなのを示そうとしたのか、監督は?
そんな気もした(笑。
結局、由香はメリーゴーランドに乗ると抜けられることを知らないので、そこに居続けたのか。
それともそこに皆を引き摺り込む為に居続けたのか。
引き摺り込む為ならもっと早くやっていてもおかしくないと思うのだが、、、。
竹中直人は納得してるのか?それが最大の不可思議だったりして。

最初の実況配信はのっけから観る気失くすので、カットが良かった。
また最後のとしまえんの呪いやってみる?も物語の格を導入に続き更に落とすので、カット。
その二場面がないだけでも少し引き締まる。
しかしこれだけの若手女優の実力派が揃って出ているので、それはそれで楽しいホラーではなかったか。
もう少し何とかなっていれば、、、その感は拭えないが。適度に面白かった。観て損は無いとは言い切れないが。
何で「としまえん」なの?それにしても。
AmazonPrimeにて
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