1408号室

1408
2007
アメリカ
ミカエル・ハフストローム 監督
マット・グリーンバーグ、スコット・アレクサンダー、ラリー・カラゼウスキー 脚本
スティーヴン・キング『一四〇八号室』原作
ガブリエル・ヤレド 音楽
ジョン・キューザック、、、マイク・エンズリン(オカルト作家)
サミュエル・L・ジャクソン、、、ジェラルド・オリン支配人
メアリー・マコーマック、、、リリー・エンズリン(マイクの妻)
ジャスミン・ジェシカ・アンソニー、、、ケイティ・エンズリン (マイクの亡くなった娘)
「1408号室には入るな」というホテルのポストカードが届く。
ホテルに行くとその部屋で宿泊客が1時間以上もった者がいないと支配人から告げられる。
だからそこには誰も入れないと。
しかもこれまでの犠牲者は56人。
無理やり案内させるが絶対に部屋には入るなと念を押される。
オカルト作家が、こんな美味しい餌に飛びつかないはずもない。
それで制止を振り切り、入った部屋が、、、。
というものだが、、、。
何と言うこともない部屋に見えて、悪意と怨念に充ちた空間であることを思い知らされることに。
(まずこの流れは鉄板の運びである)。

支配人の立ち位置がいまひとつ分からない。
この1408号室が手に負えない部屋なので、このオカルト作家に除霊を頼んで成功したということなの?
エンズリン君よくやってくれたとか言ってほくそ笑んでいたが。
やはりサミュエル・L・ジャクソンは常に怪しい。
マイク・エンズリンの意識下にある強い思い~愛娘の死や自らの生死に関わる経験などが下調べした事件内容と共に次々に具現化される。この幻想の光景の演出はかなり怖い。窓から隣の部屋に移ろうとしたら間取りが変わっている等、ずっとはらはら続きであった。
当然彼も、観ているこちらもこれは悪夢だ、彼の知っている内面の事情~心象ばかりが出て来るし、と思う。
そして支配人の出したバーボン?にそれを誘発する何かが入っていたのだと勘ぐるのも分かる。
(何せ顔が怪しいし)。
しかし直前やったサーフィンで気を失い岸に打ち上げられ、病院で目覚めたという結末なら、やはり悪夢だったのね、で分かるのだが。そこで終わるとしたらまだ時間が残り過ぎであることに誰もが気付く(笑。

ここではそれすらもひとつの彼の意識下のエピソード(集合の一要素)であり、海の岸辺から救助され妻の介抱してくれる病院のベッドで目覚めたつもりが、、、、
やっと書き上げた最凶の恐怖体験談の原稿を出しに行った郵便局がホテルのあの部屋に大変身なのだ。
たちまち彼はホテルの不気味な部屋に圧し戻される。
(つまりホテルの部屋からは一歩も出られていないのだ)。
そして大いに荒れ狂い、部屋の空間そのものがポルターガイストで滅茶滅茶の廃墟となってしまう。
忽然とそこに病気で亡くなったまだ幼い娘が現れ、父に駆け寄る。
最初は偽物だと拒むが、彼女を抱き寄せ絶対に放さないと誓う。
だが次の瞬間、娘の身体はボロボロに崩れ落ちる。

これには打ちのめされた。
だがこの作家かなりの根性がある。というより娘の件で完全に許せないという気持ちが沸き起こる。
60分タイマーが終わり再チャレンジするかチェックアウトするかの電話がフロントから来る。
まるで悪霊主催のサバイバルゲームの様相を呈しているではないか。
彼は、チャックアウトを拒む(チェックアウトを頼んでも受け入れることはないはず)。
ここで、決着をつけると決意する。
部屋に火をつける。
悪霊もろとも焼き尽くす捨て身の作戦に出た。
これには悪霊も部屋ごともがき苦しむ。
そこに丁度、リリーがやって来て夫が部屋に閉じ込められて逃げられないことを警察に告げる。
(一度、パソコンから別居中の妻に緊急事態のSOS連絡を入れておいたのだ)。
彼は九死に一生を得る。

妻と新たな部屋に移り原稿を再度書き上げるマイク。
一度は書いているのもである。仕事は早い。
そこで焦げ臭い彼の持ち物を処分しようとする妻を制し、ボイスレコーダーだけ引き取る。
これはぼくの身体の一部だ。
そう言って再生すると、娘が彼に語り掛けることばが鮮明に流れる。
思わず荷物を落とす妻。その驚愕の表情を受けとめるマイク。
音楽も重厚で雰囲気に合っていた。
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