キング・クリムゾン Meltdown ライブ・イン・メキシコ

Meltdown: King Crimson, Live In Mexico
2017
メキシコ
Robert Fripp、、、ギター、キーボード、メロトロン
Jakko Jakszyk、、、ギター、ヴォーカル、フルート
Tony Levin、、、ベース、スティック
Mel Collins、、、サックス、フルート
Bill Rieflin、、、キーボード
Pat Mastelotto、、、ドラムス、パーカッション
Gavin Harrison、、、ドラムス
Jeremy Stacey、、、ドラムス、キーボード
Wowow192で23:45から観た。
息もつかせぬ凄まじく重厚な演奏に改めて驚くばかり。
そして何とも言えぬ郷愁に染まるフリップ翁のメロトロン。
ロックとか現代音楽というより”キングクリムゾン”としか言えない。
曲目は以下の通り、、、ファーストの曲から後期の曲まで網羅されている。
(曲構成も良かった。というよりこれだけ間の空いた曲が違和感なく滑らかに流れてゆくことに驚く。やはり”キングクリムゾン”なのだ)。
Neurotica
Pictures Of A City
Cirkus
Dawn Song
Last Skirmish
Prince Rupert’s Lament
Epitaph
Devil Dogs of Tessellation Row
Fracture
Islands
Indiscipline
Peace-An End
Easy Money
Interlude
The Letters
Sailor’s Tale
CatalytiKc No.9
Fallen Angel
The Talking Drum
The Larks Tongues In Aspic Part II
Starless
ーーーアンコールーーー
The Hell Hounds of Krim
21st Century Schizoid Man

トリプルドラムは鬼気迫る。上手いとか唸っている場合ではない。Tony Levinにせよバカテクは前提である。
楽曲自体の質量とインパクトが途轍もないところに、この凄まじい楽器群~編成である。
(一時期、ダブルギターにダブルベースにダブルドラム&パーカッション編成の6人組だったこともあるが)。
わたしとしては、アースバウンドは別として、アムステルダムライブ『ザ・ナイトウォッチ -夜を支配した人々-』以外では二度目の彼らの本格ライブであった。
だが、二つを比べることは難しい。
片やCDの音だけ(勿論それだけで充分であるが)、演奏自体がしっかり見れることが如何に音楽そのものを豊かに深めてくれるかが実感できた。優れた形の視覚情報によりライブの乗りそのものが味わえたものだ。
(これまでによくあったカメラマン~編集者の主観が邪魔で鬱陶しいものでなく、しっかりほぼ全部を見せてくれているので、安心して聴くことにのめり込める。特にドラムス三人の演奏を切り出して並べて見せてくれたりするので半端でない醍醐味であった)。
長女が丁度吹奏楽部の打楽器のパートリーダーもしており、トリプルドラムに食いついて来た。
ドラム&パーカッションはまさに神業だ。(他のパートも無論そうだが、どうしてもドラムに眼が行ってしまう)。
曲の方は、長女は”Fallen Angel”をいたく気に入っていたが。

クリムゾンは、そのライブ限りでしか聴けないフリーキーなインプロヴィゼーションで有名であるが(”Starless And Bible Black”などライブのインプロヴィゼーション音源をそのままスタジオアルバムにしてしまった部分がかなりを占める。如何にライブのクリエイティブエネルギーが高いかが分かるが、これは各自の音楽性と演奏技術の凄まじさがぶつかり合い融合した結果であろう)。
今回観た”ライブ・イン・メキシコ”においては、この大編成でかちっと編曲を決めており、インプロヴィゼーションの割合はほとんどないように窺えた。ELPみたいに全てを譜面できちっと決めてしまっているとも思えないが、あのアンサンブルの決まり方は、枠を破壊して予期せぬ創造を呼び込むフリーキーさは認められず、合わせることの妙味がたっぷり楽しめるものになっている。
クリムゾンのファーストが1969であることからもう53年を経ている。
楽曲そのものがまず最初から極めて創造的なものであったが(”Fracture”や”The Larks Tongues In Aspic Part II”など特に)、ライブを通して練りに練られて来ている。それをまた更に解体して新たな形を生むのも良いが、この過剰に完成された作品をきっちりと見事なアンサンブルで寸分の隙も無く聴かせるというのも実に見応え~聴き応えのあるものだ。
フィリップ翁は、ここでは合わせる妙を徹底的に仕掛けて来ている。

見事に重厚に構築された音世界が存在した。
こんな演奏が他に出来るグループがあるだろうか。
(まず楽曲の段階で、無いといえる)。
もう53年を迎え終焉するグループであるだろうが、その唯一無二の音楽性と高度な演奏技術による数々の楽曲の色あせることはないと思われた。
クラシックとアニメ曲しか聴かない長女もかなり引っ掛かったようだ。
ドラムスの3人は途轍もない技量だ。呆気に取られた。
Mel CollinsとTony Levinもそう。久々に見て感動である。何でIslandsのアレンジが変わっていたのかちょっと驚いたが。
Jakko Jakszykのヴォーカルにも魅了された。ギターの他にフルートも演奏しておりフリップとのダブルギターも決まっていた。
そして何より、、、ロバートフリップ翁の御尊顔を拝めただけでわたしとしては幸せであった(笑。
”Meltdown”、、、確かに謂えてる。
Wowowにて

TV放送版より曲目は多い。REDの鬼気迫るハードな演奏なども収録されている。
クリムゾンはメキシコと相性が良いと思った。
画家を考えると、特に、、、。
フリーダ・カーロ、ディエゴ・リベラ、シケイロス、オロスコ、ルフィーノ・タマヨ、レオノーラ・キャリントン、、、、
やっぱりクリムゾンが合う(笑。
このライブ、聴衆が格段に凄かったらしい。それで余計にやる気出てしまったみたい(爆。
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