パーム・スプリング
Palm Springs
2020
アメリカ、香港
マックス・バーバコウ 監督
アンディ・シアラ 脚本
マシュー・コンプトン 音楽
アンディ・サムバーグ、、、ナイルズ()
クリスティン・ミリオティ、、、サラ(タラの姉)
ピーター・ギャラガー、、、ハワード(タラの父)
J・K・シモンズ、、、ロイ(結婚式のゲスト)
メレディス・ハグナー、、、ミスティ(ナイルズの彼女)
カミラ・メンデス、、、タラ(花嫁)
タイラー・ホークリン、、、エイブ(花婿)
自分の意志に反し何度となく、同じ日の並行世界に移動してしまう噺か。
しかも(ナイルズ、サラ、ロイ)の3人そろって一緒に。
まあそこは、洞窟での事故ということで。現状についての受け取り方は3人3様であるが。
繰り返すと言っても彼らの意識はリセットされず記憶されて持ち越される。外界~系が同じ日に設定されているだけ。
つまり同じ日と謂っても彼らの内界はどんどん変化を続け、周りの状況も毎回少しずつ変わっており、彼らの関わり方によって変わっていた。だが、外界はそれを引き継がない。これが絶望的な非連続。
パーム・スプリングス(カリフォルニアの砂漠のリゾート地)を舞台に同じ日がループする噺。
全てがリセットされてしまう世界というより並行世界への絶えない移動と観る方がスッキリする。
目覚めればサラの妹タラの結婚式当日からのスタートとなるのだが。
彼等にとっては無限ループに捕らえられたという意識だ。とは言えまだ、「エンドレスエイト」(涼宮ハルヒ)の比ではないが。
ここで反復を経験しているのは、ナイルズとサラとロイ。
自暴自棄となり刹那的に日々を送ったりもするが、流石に考える。
ここで如何に幸せを見出すかというロイ。サラとともにここで幸せに生きたいと願うナイルズ、ここを出るのというサラ。
(これでは実質、この世界には3人しかいないに等しい)。
ここは意味のない世界とサラは言う。
確かにそうだ。
エンドレスエイトでのハルヒもSOS団で集まり様々な行事を愉しむ。
彼女は「夏は夏らしく、夏でなければできないことをするの。失った時間は決して取り戻すことはできないのよ。だから今やるの。このたった一度きりの高1の夏休みに!」と皆に檄を飛ばす。
一度しか出来ないことこそが尊い価値なのだ。一回性こそ人生の意味なのだ。
サラは人生を取り戻そうとする。
サラはループを抜け出すため、量子力学を勉強し始める。
大変骨の折れる勉強だが、それは可能だ。
自分の意識は連続性を持っているのだから毎日続きを勉強できる。
周りが何ら連続性を持たなくとも、自分の知識や認識は深まり蓄積や変化も生じてゆく。
そして自分なりの論理を構築して実験を繰り返す。
ヤギを洞窟で爆破させたらヤギがいなくなったことで、その方法に賭けることにする。
ナイルズも彼女と共にその人体実験に賭けることにする。
運命を共にしたいからだ。
最後はケイトブッシュのクラウドバスティングをBGMに。
良いのでは。
最後、成功をロイが喜んでくれた。
こういうラブコメもありか。
AmazonPrimeにて