ラン・ハイド・ファイト

RUN HIDE FIGHT
2020
アメリカ
カイル・ランキン監督・脚本
モンド・ボーイズ音楽
イザベル・メイ
トーマス・ジェーン
ラダ・ミッチェル
イーライ・ブラウン
トリート・ウィリアムズ
バーバラ・クランプトン
昨日、久々に書庫に入り(最近違うところに住んでいるため)サリンジャーその他をあちこち見てみたが、やはり現代のアメリカ作家では、ドナルド・バーセルミとトマス・ピンチョンが一番面白い。二人のモノはかなり持っていた。こちらの方が遥かに面白い。読み始めるといつまでも読んでしまう。この二人の作家は好きだ。
そのうち二人を絡めて何か書きたい。

話替わって、今日見たものはWowowでやっていた学園銃乱射立てこもり事件を題材にしたもの。
(正直、キャストに魅力は感じられなかった)。
こうした学園銃乱射立てこもりモノは幾つか観た覚えがある。
「エレファント」、「 ボウリング・フォー・コロンバイン」、「静かなる叫び」など、、、
やはりアメリカやカナダの映画だが。
銃が何と言っても買えば手に入ってしまうのだ。
誰でも使えてしまう。ホント、誰でもだ。

生きる意欲がなく、自分も死ぬつもりだが一人でも多く巻きぞいにしてやろうというニヒリスティックなものから、幼いころ馬鹿にされたから仕返ししてやる、のレベルなど動機はあるようでないようなものだが、いずれにせよ変な輩に無差別に撃たれたらたまったものではない。
ともかく、平穏であろうが不穏であろうが、少なくとも人々が何かを学びに集まってきている場~文脈を突然異物が突き破って乱入してくるのだ。
それが何者というより、、、
そして彼らの理由がどうこうというより、そこに銃があるから、やってみたのではないか。
(なければやらないと思う。どんな悪意と害意があろうとこの手段に訴えるという発想がない。ペンと便箋があるから手紙を書いてしまうのと同じこと)。

”ラン・ハイド・ファイト”これまで見たものはモキュメンタリーとも謂えるタッチで淡々とした運びが印象的だったが、これはかなり動きのあるアクションエンターテイメントと言っていいものだ。襲撃犯に対し独り立ち向かう勇敢なヒロインの活躍を描く。
(しかもこのヒロインには常に彼女を励ます亡くなった母が囁き掛ける。これもちょっとやり過ぎ感がある)。
襲撃したリーダーも配下の学生も皆、単にイカレているといったレベル。つまり単純。
しかも妙に劇がかっていて、ポンポン逃げる学生を撃ち殺すが、余り現実味はない。
スマホを使い実況中継をさせて自分たちを悪のヒーローみたいに演出して魅せようとするのだが、どうも今一つ。

色々起きても全て想定内とか言っていたが、最後に変装して逃げるところをヒロインにライフルで撃たれておしまい。
このシーンが冒頭の父との鹿狩り場面と呼応していて、計算して構成されているのは分かるが、、、、
そう、作られている感が強すぎてリアリティが薄いのだ。
ヒロインが実験室で手下に銃で撃たれそうな危機的状況で、父が遠くからライフルで狙撃して救うなど、、、
確かにリアルタイム実況をしているため、かなり事態の把握が出来てしまうのだ。
これもリーダーは計算の内なのか?
結構、首絞めてた部分はあるが。

どうせ携帯実況するなら取り囲んだ警察やマスコミの裏をかく攪乱情報を流して自分たちに有利に事を進める手もあったはず。
彼らは何カ月もかけて計画を練って来たのだ。
人気取りのための実況でもあるまいに。それだけなのか?
警察に裏をかかれ多数の人質を逃がしてしまったし。
何にしても戦争状態になれば情報戦である。
これに尽きる。
これだけスマホを使うならもう二捻り欲しいところ。

今日は事務手続きで東京某所まで電車を乗り継ぎ数時間かけて行き、書類審査は一発で通ったが、往復だけで大変疲れた。
帰宅後、長女に頼まれ100円ショップに猫ちゃんグッズお買い物と来た(わたしは部活で疲れてるもんだと)。
フラフラの状態であったが案の定、こういう時(体調不全時)に低周波ねずみ男が往々にして出現する。
特に今日は最悪な状態であった為、超低周波最下劣ねずみ男ときた。
暫く目にしていなかったので、まだいたのか、と言う感じ。お前、まだいたのか?
こんな時に(奇怪な)現実にハタと気づく。
何やら捻じれた場(襞)の上に次元の異なるものが微妙なバランスで行き交っているという感じ。
世紀末などとっくに過ぎ、戦争で変わるものなど何もないし、予言も届かぬ地平で、この先も同じように世界は続くのか、、、。
Wowowにて

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