遺跡とは 廃墟に関するメモ

廃墟のもっとも極端な例は、「遺跡」か。
遺跡で考えると、よくわかる。
ギリシャではなく
特に、ポンペイ。
守護神は美と恋愛の女神ウェヌスでポンペイは快楽の都市と呼ばれたという。
海洋都市であり、ワイン作りも盛んであった。火山灰による窒素、リン酸、カリウムが豊富であったため、果物は良く採れた。
街は碁盤の目状に舗装された街路に上下水道、商店や居酒屋、共同浴場、共同トイレなども完備され、ホテルなどの建造物の壁面にはポンペイ・レッドと呼ばれる赤の鮮やかなフレスコ画の壁画が良い状態で残されているという。見事な円形劇場もあり、古代ローマ帝国の文化が極めて良い保存状態で残されている。それは、一瞬にして覆われた火山灰にシリカゲルに似た成分が含まれていたことが幸いしたものであったらしい。これは特に美術品に効果を表した。
古代ローマ帝国の極めて高い芸術性と造形力が、ディオニュソス像などにも遺憾なく発揮されている。
発掘当初、積った小さな軽石や灰塵を取り除いていたら、どうやら中に空洞がある。
そこに石膏を流し込んでみたら、何と鮮明に精細にヒト型が現れた!
空洞は、ヒトの鋳型であった。
ヴェスヴィオ火山の噴火によって突風となって吹き込んだ「火災サージ」に一瞬にして呑み込まれ絶命したヒトの姿(思い)が透明のまま純粋に封印されていたのだ。
ただの肉体的な外形が残ったというに留まらない、300度を超える熱風に晒されたのに衣服の細やかな皺まで残っている。
頭部など精密に3Dスキャンされ3Dプリンタで個性も表情も生々しい男性が再現された。
火事場泥棒が気になり、つい先ほど、家のお金を取りに戻ったところ、一瞬の火災サージに遭遇してしまった。高温熱風による筋肉の収縮が体の捩れ一瞬の記憶にも残らぬような身体的苦悶を表している。
優れた上下水道の設備。浴場、トイレ。安全で衛生的な都市計画。行き渡った高度な技術。分業の発達。商業の繁栄。
まさに人間の思いが形としてそのまま残された、遺跡。
ヴェスヴィオ火山がすぐ間近で大爆発を起こしているのに、この2000人あまりは何故、逃げなかったのか。
又は戻って来たのか?
家の財産を守りたかったというのが大きな理由のようである。
家族・友人とのいつもの生活。
西暦79年。日本は弥生時代。
極めて人間的である。
そして人間は変わらない。
快楽、テクノロジー、芸術の追及。
この人間の不滅の営み。
この永遠性。
これが「廃墟」の属性であり、その究極が「遺跡」である。
生々しい場所の記憶だ。
これほどのものは他の何処にもない。
富士山も噴火間近。何故か300年眠っているが。(かつては30年に一度噴火していた)
山体崩壊して跡形なくなるかも。(富士山消滅)
レッドゾーンの人たち避難方法(防災マップ)は押さえているか?
ポンペイレヴェルの被害は十分に考えられると専門家も口をそろえる。
火山灰被害はもう半端ではなかろう。あのガラスの破片群。放射能もまったくの状態なのに。
ライフラインは必ず止まる。
静岡・山梨・神奈川、、、東京だって、、、。
次の廃墟・遺跡候補は、、、。


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