ANNA

ANИA
2019
アメリカ
リュック・ベッソン監督・脚本・製作
サッシャ・ルス、、、アナ(モデル、二重スパイ)
ルーク・エヴァンス、、、アレクセイ・チェンコフ(KGB職員、アナのカレ)
キリアン・マーフィ、、、レナード・ミラー(CIA職員、アナのカレ)
ヘレン・ミレン、、、オルガ(KGB新長官)
エリック・ゴードン、、、ワシリエフ(KGB長官)
アレクサンドル・ペトロフ、、、ペーチャ(アナの元カレ)
レラ・アボヴァ、、、モード(アナを慕うモデル)

この映画は、リュック・ベッソンの十八番のジャンルであり、彼の独壇場と言えよう。
一部の隙も無い作り込みようで、見応えは申し分ない。傑作としか言いようがない。
これまでに見た、このタイプの映画でも(ほとんどリュック・ベッソンの作品になるが)一番観易く、入り込み易かった。
「Leon」、「ニキータ」、「ジャンヌダルク」、「フィフス・エレメント」、 「LUCY ルーシー」、「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」のタフで美しいヒロインもののどれにも引けを取らない圧倒的な作品であった。

サッシャ・ルス~アナは飛び切りの美女でアクションも凄く、モデルの仕事の裏で、二重スパイとして暗躍して~暴れまわり、もう何人殺したかわからぬほど。しかし彼女の望みはただ一つ。自由になること、である。果たしてそれが叶うのか、、、という映画。
その他のキャストがまた実に良い。
皆成りきっていた。であるため見所の連続である。アクションもいうことなし(これはサッシャ・ルスが凄い仕上がり様)。
特に魅力的であったのは、KGBの上司オルガ役のヘレン・ミレン。
まさにいぶし銀の演技である。こんな味の出せる女優、他にいるだろうか。
最後にKGBの長官となるが、ホントに様になっていること。

ともかく、この映画、脇を固める面々が何れも決まっている。
ルーク・エヴァンス~アレクセイ・チェンコフはロシアのバリバリのKGBの工作員?でアナのカレ氏である。
キリアン・マーフィ~レナード・ミラーはアメリカCIAの切れ者がバッチリであり、アナのカレ氏にもなってしまう。
わたしが注目している俳優アレクサンドル・ペトロフはアナの元カレでアレクセイに撃ち殺されてしまうが、今後ブレイク必至の性格俳優かも。「アトラクション 侵略」でもヒロインの元カレで撃ち殺されていたが、このパタンが続かないことを祈る(笑。
それからレラ・アボヴァである。アナを慕うモデルのモード役であるが、これまた個性的な美女であり、リュック・ベッソン作品に一度このような重要な脇役で出た後は、次回ヒロインに抜擢され大ブレイクというパタンが多い。
今回のサッシャ・ルスも間違いないが、、、これまでも、、、
ナタリー・ポートマンしかり、ミラ・ジョヴォヴィッチしかり、スカーレット・ヨハンソンしかり、カーラ・デルヴィーニュしかり、、、。
リュック・ベッソンの映画のヒロインとなれば、もう約束されたようなもの、かも。
(日本でいえば、「仮面ライダー」になった俳優はその後、軒並み大ブレイクしているように、、、)。

内容は面白い構成で、ある事態が起きると、必ずその原因~発端となった時点まで遡ってその状況が描かれるというもの。
だから常に謎のままで進むのではなく、理由を確認しながらシーンを次々とテンポよく味わって行ける。
このパタンで一切スピード感が削がれたり薄っぺらくなったりもしない濃密で稠密な時間が楽しめるしっかりとした構成・脚本になっているのだ。
登場人物の心理的な変化も豊かに描かれていることで充分に感情移入もできることが観易さにも繋がっていた。
アナなど名家に生まれながら両親を事故で亡くし孤児同然のところを元カレに拾われ犯罪・薬塗れの悲惨な生活に甘んじていたが、海軍に仕官希望を出したところで、KGBに拾い上げられ凄まじいスパルタ訓練の末、一流の殺し屋件、表の顔はスーパーモデルで活躍するようになる。しかし外見は劇的に変貌を遂げてゆくが内面的には常に自立と自由と求めもがいていた。その心の隙にCIAのやり手が巧みに入り込んでくる。二重スパイをしてKGB現長官を殺害すれば君の自由は保障しようと来た。それにアナは乗る。
この間に単なる上司と部下であったアレクセイとアンの関係が恋人関係になり、彼女をKGB長官殺害に利用しようとしていたCIAのレナードも彼女に惹かれて恋人になってしまう。更に冷酷非道で高圧的であったKGBの為なら何でも厭わぬオルガがまるで自分の娘のような目で彼女を見るようになり最終的には彼女を例外的処置で完全に自由の身にしてしまう。
この過程が実に説得力をもって描かれ自然に納得できるものであった。

スーパーモデルというだけあり、ファッションの七変化にも圧倒的なパワーを感じてしまった。
ただひとつ、アナを慕うモードがひとり取り残されて、ちょっと可哀そうに思うが、、、。
サッシャ・ルスは、この先ブレイクは間違いなしだと思うが、リュック・ベッソン監督の次なる映画のヒロインは恐らくレラ・アボヴァかも。
AmazonPrimeにて

ニキータはずっと昔に観ており、書いているはずだが、見つからなかった(獏。
どうなっているのか。
「メトロポリス」も書き直すつもりだし、「ニキータ」も新たに書こうと思う。
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