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GOMA28

Author:GOMA28
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家へ帰ろう

El último traje005

El último traje
2018年

スペイン・アルゼンチン

パブロ・ソラルス 監督・脚本
フェデリコ・フシド 音楽


ミゲル・アンヘル・ソラ、、、ブルスティン・アブラハム(88歳の仕立て屋)
マルティン・ピロヤンスキー、、、レオナルド(機内で出遭った青年)
アンヘラ・モリーナ、、、マリア(マドリードのホテル女主人)
ユリア・ベアホルト、、、イングリッド(ドイツ人の文化人類学者)
オルガ・ボラズ、、、ゴーシャ(ワルシャワの看護師)


「最後のスーツ」という原題らしいが、邦題でも良いと思う。
最後のシーンで思わず呑み込まれた。号泣とまではいかないが、やられた(涙。

ホロコーストを生き残ったユダヤ人である主人公が、戦後命を救ってくれたポーランドの友人に自分が仕立てた最後のスーツを届けようと、アルゼンチンからドイツの地を踏まず長旅の果てにたどり着く噺。アルゼンチン人でポーランド生まれのユダヤ人なのだ。
彼は「ポーランド」と言葉で喋りたくないため紙に書いて相手に知らせたり、どうしてもドイツの地を踏まずにポーランドまで行きたいと駅で駄々をこねたり、その当事者でなければ実感として受け取りにくい、その気持ちがじわじわと伝わってくる映画であった。

El último traje002

主人公のアブラハム、なかなか癖の強い爺さんであり、ユダヤ人だけあって金の交渉や取引についても一筋縄ではない。
余りに酷い悲痛な経験をして深いトラウマを抱え込んでいる分、かなり頑固でもある。
「これは聞いた話ではない。自分の見たことだ。」これ以上に説得力を持つものはない。
未だに当時の悪夢に悩まされる(PTSDが窺える)。
戦争で負った傷からか右足が壊死しているようで、医者からも切断を勧められたりしている。
そんななか、子供たちが親の財産分けをして、家も取り上げて引き継ぎ、彼は施設に入れられることになってしまった。
家族の和気あいあいの集合写真を撮ったが、それがなんだというのか。

彼は施設に送られる前日、一人でスーツと旅行鞄を持って出かけてゆく。
仕立て屋と言うだけあってオシャレだが、何しろ片足がほとんど利かない為、大変移動にも苦労し疲れる。
行く先々で(彼ならではの)問題にぶつかり途方に暮れる。
そしてホテルでは有り金全てを盗まれ一文無しになってしまう。

El último traje001

だが、不思議に決まって誰かが彼の困惑を目にとめ、親切に手を差し伸べる。
彼は頑固にそれを拒否したり思いっきり我儘で応えるが、、、
そこまで付き合うかというところまで、付き合ってくれる人が現れる。
家族は冷たかったが、世間には彼を放っておけないという人が必ずいるのだ。
恐らくそういうものなのだろう。

この爺さん、固くなで性格も良いとは言えず、かなり勝手ではあるが、憎めない味のある可愛らしさも感じる爺さんなのだ。
だから世話を焼き始めた人は深入りしてしまう(笑。
(わたしの周辺にいる小憎らしいだけの爺とは、その辺の訳が違う)。
飛行機で出遭ったロック青年は、車で何度も爺さんの行きたいところ(金借りに娘の家)に送ってくれる。
(金の工面をしてあげた礼もあるが)。
ホテルの冷たい女主人も彼の面倒を知らずのうちに見ることに。
青年と一緒に列車に乗るところまでご丁寧にふたりで見送りに行く。

El último traje003

ドイツ人の文化人類学者の女性は、彼から散々敵視され突っぱねられたにも関わらず、彼ならではの要求に柔軟に応えてくれる。
最後は彼も打ち解けてはいたが、彼女の知性によるところが大きい。
大変魅力的な女性であった。彼にとってはドイツと名がつけば何でも排除対象であったが、実際はそうもいかない。
彼女のお陰であと少しまで進むこととなった。
しかし列車の中で疲労(気苦労)と脚の影響もあり、ナチス将校たちの高圧的で不気味な幻影を見て恐れ倒れてしまう。
幻視はかなり危ない。

El último traje006

病院で目を覚ますと、もう少しで死ぬところだったと聞かされる。
そして事情を話すと担当看護婦は快く、結構遠い友人の住む家(元は彼の家)まで車で送ってくれるという。
70年ぶりの実家への帰還でもある。片道切符で来たのだ。人生締めくくりの場所として選んだのだろう。
不思議なのは、世話を焼いてくれる人ばかりではなく、それを当然のように受け取る爺さんの方でもある。
この関係性が面白い。恐らく日本人ならもっと感激して丁寧にお礼を言ったりするものと思えるが、、、。

El último traje004

この女性に車椅子で案内された場所こそ、最初に映されたあの戦後の街角の現在の姿であった。
ここから静かな期待と不安の充満した時が流れ始める。彼はしきりに怖がる。
「逢えないことも、逢えることも怖い。」
しかし、その家には友人はおらず、周囲の人も何も知らない。
途方に暮れて辺りを見回していると、、、何とも車椅子の自分の視座より少し低い半地下の窓に70年経った友人の顔があるではないか。
彼は徐にミシンを動かそうとしているところであった。
友人を凝視するアブラハム。
彼の目もこちらに注がれる。
このタイミングと両役者の表情。ここは実にベタなシーンだが、演出が冴えていればストレートに感動する。

El último traje007

友人と抱き合うアブラハム。
「さあ、家に帰ろう。」

音楽が実に良かった。演出にぴったりであった。
この監督の作品はまた観たい。


AmazonPrimeにて











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