ゴーストシップ

Ghost Ship
2003年
アメリカ、オーストラリア
スティーブ・ベック 監督
マーク・ハンロン,ジョン・ポーグ 脚本
ジョン・フリッゼル 音楽
マッドヴェイン 『Not Falling』主題曲
ジュリアナ・マルグリース、、、エップス(ウォリアー号船員)
ガブリエル・バーン、、、マーフィー(ウォリアー号船長)
ロン・エルダード、、、ドッジ(ウォリアー号船員)
イザイア・ワシントン、、、グリーア(ウォリアー号船員)
デズモンド・ハリントン、、、フェリマン(魂の回収屋)
アレックス・ディミトリアデス、、、サントス(ウォリアー号船員)
カール・アーバン、、、マンダー(ウォリアー号船員)
エミリー・ブラウニング、、、ケイティ(グラーザ号乗客の少女、亡霊)
フランチェスカ・レットンディーニ、、、フランチェスカ(グラーザ号の歌手、亡霊)
幽霊船が主役。
イタリアの豪華客船アントニア・グラーザ号が1962年5月アメリカに向けて出港したが大西洋上で突然消息を絶つ。
それから40年が経ち、サルベージ依頼を受けたアークティック・ウォリアー号のクルーがベーリング海沖を漂流する船をとらえると、その船こそがアントニア・グラーザ号であった。
公海で発見された船は発見者のモノになるという。
お宝を積んでいたらこりゃ大儲けだ。
何とホントに金塊を山のように積んでいた。
観ているこっちもクルー同様に嬉しくなってしまった(爆。
それが、そのまま持って帰れないところが、この映画なのだ、、、(残。

ガブリエル・バーンがとても粋で渋い船長をやっていた。
ドラキュラの次に似合う(笑。サタンもやっていたはず。どちらかというとそっち寄りのヒトではないかと(笑。
どうもサタンと回収屋との関係が分からないのだが。
サタンは船上で金塊を利用し人々に殺し合いをさせ、魂を回収していたということらしいが。
ここに魂の回収屋というのが絡んでくるが、彼はどういう立ち位置なのか。何者なのか。不死身で怪力で変身もする。
はっきり言って化け物には違いないが、サタンとは別の何かのようだ。主従関係かと言えばそうとも言えない。
彼はあの船を修理して金塊を移動したかったのか?魂の回収だけならサタンひとりでやっていることのようだし。
そもそも回収屋は、儲けの取り分が不服で彼らに同行した流れであった。
要求額の儲けの20パーセントが受け入れられていれば同行しなかったことになる。つまりノータッチで岸で待っていた。
彼がサタンの命令で動く手下のような存在ではなく、寧ろ彼もお宝の方に執着があるようだ。
しかし、その船の実情とサタンの存在も分かっている。そのうえで彼らサベージの専門家をそこに向けたのはどういう意図なのか。
あわよくば、サタンに殺されずにお宝を持ち帰るのでは、という望みに賭けていたのか?

分け前が少ないために同行したのは、あわよくばお宝ゲットして持ち帰ることになった時点で皆殺しにして独り占めにしようと思ったか。別に持って帰ってきたところでそうしても良かっただろうに。
サベージボートでお宝を乗せてエンジン直して動かそうとした際にガスボンベを開き船を爆破させたのはサタンであった。
つまりサタンにしてみればお宝を動かしたくない。陸には上げたくないというところでよいか。
不死身の回収屋は最後にまた例のお宝を船に乗せてゆくところであった。
豪華船爆破により沈んだお宝を普通に荷物として別の船に移せる力があるのなら、それを独り占めするまさにそのタイミングであろうに、また船に乗せてどうするのか。やはりサタンの下で働いているのか。
今回のサベージは何の役割があったのか?この訳の分からないクリーチャーにとり。

ちょっと気になったところ、整理のつかぬ部分をだらだら述べてしまったが、やはりどうにも意図がはっきりしない。
だが、それは置いておいて、ダンスホールでの大スプラッター大会はスピーディーで見事な眺めであった。
これだけ鮮やかなスプラッターならホラー苦手なわたしもニンマリしてしまう。
もう着飾った上流階級の華やかな紳士淑女がワイヤーで一瞬のうちに真っ二つなのだ。
この40年前の豪華客船での血飛沫の舞い上がる華やかなダンスホール。
いやが上にもその後の物語を期待してしまう。

だが、後は現在の荒れた夜の雨の降る海での幽霊船の怪奇現象に怯えお宝もって早く逃げようとするクルーとそれを妨害し彼らの魂も奪おうとするサタンとの攻防だが、サタンにそもそも勝てるはずはない。
次々に現れる亡霊に惑わされクルーも殺されてゆく。
その過程のハラハラドキドキは見せ場も多く楽しめるものであった。
ただしポテトチップスを食べながら観ているところで、クルーが肝試しで古い缶詰を開けて中身を旨い旨いと食べていたら全部蛆であったところはもうポーズしてポテトをしまい暫く他のことをしてから再開とした。ホラーはこれもあるから苦手だ。
それはともかく、、、
ケイティという少女の幽霊が度々現れ、何故かエップスを救おうとする。
お母さんに似ていたらしい。その他の幽霊はサタンの差し金であろう。見事に引っかかり殺されてゆくクルーたち。
最後の最後に回収屋と立ち向かい裏をかいて船を爆破させエップスだけが生き残る。
彼女が海面に向かい泳いでゆくときに沢山の幽霊もサタンから解放され一緒に途中まで泳いで消えてゆく。
このあたりとても美しい光景であった。
勿論、回収屋も人ではないため、最後は自分の仕事に戻っていたが、何でこうなるのと言う感じであった。
やはりサタンの下僕なのか。だとすると今回の失敗はかなりのペナルティではないか(裏切り要素もあるし)。
面白いのだが、根本的な部分が腑に落ちず、よく分からない映画であった。
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