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GOMA28

Author:GOMA28
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カフカ「変身」

Kafka.jpg

Metamorphosis
2019年
イギリス

クリス・スワントン監督・脚本
フランツカフカ「変身」原作

モーリーン・リップマン
アリスターペトリ
ロバート・ピュー
クロエ・ホウマン
ローラ・リース
ジャネット・ハンフリー
エイダン・マカードル


カフカとショーペンハウアーはわたしの最初の(自覚的な)師であった。中学生の時だ。
今の精神的基調もここから響いている。
余りにも感覚的に分かり過ぎるのだ。
(とても解る。あの母にしてこのショーペンハウアーなのね、ということは(爆)。
わたしも(毒)親に人生を滅茶苦茶にされた口であり、感覚的な共振はいつまでも消えないだろう。

この作品、チェコスロバキアの人形劇にも雰囲気が似ていた。特に毒虫のディテールの動きなど。
変身した朝の陰鬱な雨天もその雰囲気充満。
(カフカはチェコ出身のユダヤ人でもありこういった気配は合うと思った)。
おまけに登場人物たちもどこかパペット風ではないか。
この独特なアーティフィシャルな演出、良いのでは、、、。

カフカは装丁に具体的な「虫」を描くなと出版時に厳重に注文を出していたそうだ。
確かに何らかの特定の虫を描かれてはイメージの限定・制約が生まれてしまい作品世界が極貧しくなる。
とは言え、これはメタファーなのだからという調子で解釈されたくもない。
取り敢えずイメージ固定力の強い絵でそれを描かないでということであろう。
あくまでも文~文字として「虫~毒虫」そのものとして読んでは貰いたいのだ。
陳腐な解釈や思想を入り込ませたくはない。
虫として全て読み終え文学作品としての強度を感じて欲しいはず。

しかしこの実写ではあからさまな虫が登場。それが映画と言う形式の悩ましいところ。
その虫が妙にキモ可愛いのだ。特に目は愛らしい。人形劇でもお目にかかるタイプの。
あの父親はその息子である虫を、何故あそこまで冷淡に苛酷に排撃するのか。
時代独特の家父長制の強権が高圧的な形でそこここに色濃く描かれてはいる。
彼が強権的な父に苦しめられていたことは事実だ。
それはかなりの負担となっていたようで、彼の弟子の様につき纏っていたグスタフ・ヤノーホによるカフカの伝記にも容易に見出される。冬に外出先から帰宅するとき家の外で睨む父から風邪を引く、早く家に入りなさい、と厳しく言われ、別れ際彼はヤノーホにとかく愛情は暴力となって表れるものですと語ったという(正確ではないが)。やんわりとかわしては居るが万事その調子であったようだ。父は稼ぎ頭の息子であれ絶対的な庇護下・管理下に置き続けたいのだ。
役所の仕事も有能でしっかりこなしながらも、その合間を縫って(主に深夜)軍隊の通信技師が打電するような音を立て精緻極まりない文体を生成し続けていた彼は、実は小説だけに打ち込みたかったに違いない。
しかしそれを父や家族が許すはずもなかった。その桎梏が彼を苦しめると同時に激しい創造意欲を燃え上がらせていたのだろう。
妹は彼の文学は理解してくれたとは言うが(この妹が理解者のパタン少なくない。例えばトラークルもそうだ)。
彼にとり家は重荷であったことは想像に難くない。この母も息子を心配しながらも周りに遠慮して何も出来ない。
妹も理解は示すことはあっても兄にどこまでも献身的に対応できるものではない。

親友の作家マックス・ブロートとの朗読会で自作を読むときなどが一番解放されて楽しいひと時だったのではないか。
ちなみにこの「変身」を読む際、しょっちゅう途中で笑ったり吹き出したりしていたらしい。
人は悲惨な物語を語るときはそうなるものだ。(悲惨のただなかにいたら、それを対象化して描くことなど不可能である)。
何というか書くと言う行為そのものが日常時間~文脈からの超脱を可能とするものであり、その亜時間の系において彼は至福であったはず。彼の文学に接すると何故か彼の喜びに触れる気もするのだが。とてもありがたいことに。
マックス・ブロートはカフカの遺稿をまとめることに生涯のほとんどを費やし自らの創作を犠牲にしてしまったという。
それだけカフカ文学の魅力を知ってたから出来たことであろう(だが一番好きな作家はと聞かれ、ゲーテと答えていたという。それはそれで分かる(笑)。

何の話だったか、、、
そう彼は元々家にも社会にも馴染めなかった。
(そこにしっかり馴染み切っていたら、わざわざ表現行為に及ぶとも思わないが)。
役所でも真面目で優秀な仕事ぶりを見せ、家庭でも完璧な長男生活を送り続け、いよいよ身体的~無意識的な悲鳴が響き渡る。
何度か婚約まで行った女性はいたが、父との確執~トラウマはかなり大きな障害となり自らが家長となり父となることへの拒絶感を深く抱え込んでしまっていたのでは、、、。
結局、彼は結核に苦しみ40歳の若さで亡くなる。グレゴールのように(ほぼ同じくらいの歳では)。

まず彼は失踪や自殺や無差別テロに出る代わりに執筆を選んでいた。
彼の資質・才能からして間違ってはいない。
分身のグレゴールは、大きな毒虫に成った。これもあり得る。
もはや結核療養の作家に拘るカフカ同様、役に立たない異物である彼は、家族からは疎まれ、父からは致命傷となるリンゴを投げつけられ、それがもとで死ぬ。
(わたしならリンゴ攻撃を受ける前に羽を広げ窓から飛び立つが。森でも目指せば何とかなりそうではないか。それでは作品が成立しないか、ダメか。元々彼にはそこから飛び出そうという気もないのだ。毒虫に成ってからも家族の心配をしているのだ)。
逃げて行った家政婦の代りに雇われた大女の女中の箒でそれは片付けられ、家族は気分転換に三人で旅行に出ることにした。
三人ともすっきり晴れやかな顔をしている。
グレゴール一人に頼り切った生活を送って来たものだが、自分たちも働いてみればそこそこ稼げることを知り、皆に自信と覇気が感じられるようになった。
旅先の列車で、すっかり大人になり綺麗になった娘(グレゴールの妹)を見つめながら、そろそろよい婿を考えようと夫婦で相談する。


最後の光に満ちた光景は清々しいものであった。


虫のフィギュアの出来は結構よかったと思う。壁や天井も這っていたし。
エイリアンのようなグロテスクなものではなく、もう言葉がまともに発声出来ない身で、目で語ろうとするところが苦悩する存在を表しており、難しい点を何とかクリアするものではなかったか。この虫のせいでカフカの世界が矮小化された気はしない。かえって普通の人が虫として観られる演技をする方がメタファー丸出しのわざとらしさが窺え、きつくなる気がする。
















エンドロールで、マスネーの「タイスの瞑想曲」が流れ始めた時に、ちょっと笑ってしまった。
合ってはいるのだが、微妙なのだ。
これはわたし自身、幼い頃一番好きなクラシックの曲がこれであった為の郷愁も手伝っているはずで、何とも言い難い感覚を味わった。

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