スタートアップ・ガールズ

2019年
池田千尋 監督
高橋泉 脚本
上白石萌音、、、小松光(起業家)
山崎紘菜、、、南堀希(起業家投資企業のOL)
山本耕史、、、水木(投資企業のCEO)
渡辺真起子、、、スナックのママ
宮川一朗太、、、子どもきらめき研究所所長
神保悟志、、、中川(南堀希の上司)
確かに「スタートアップ」ってよく聞いた。出来る女系の噺かな、と思って観てみたが、ちょっと紋切り型のコミカルな誇張が少しうるさかった。この光というヒト、スティーブ・ジョブスよりも天才物理学者に時折いるようなタイプである。
でもキャストもよく、嫌みもない前向きに観られる映画である。
小松光という随分幼児的というか野生児みたいな(変わり者)起業家と起業家に投資する大企業に勤める手堅い南堀希という個性の異なるふたりの織り成すドラマといったところだが、、、。
片や何にも縛られず自分のやりたいことだけやって生きる。片や安定を第一に慎重に事を進める。
さてこのふたりがぶつかり合いながらどうなって行くのでしょう、ってそんなことは、言われなくても知っている。
最初から着地への流れは分かっていてどうやって持ってゆくのかなというのを愉しむタイプの映画である。
予定調和を愉しむという。

光は裏切られることに何故そんなにピリピリ過剰反応するのか。
アイデアのよく浮かぶやり手に違いないが、独りで何かやるにはキツイ人だな。
(しかし一般企業~事業としてやって行くのだから組む人は不可欠だろう)。
ピカソみたいな芸術家~単独者であれば別だが。
雨の日に傘さして進退窮まる感じで佇む姿には、とても共感できる。
わたしも経験あるから。
(未だにそんなものだ)。
パートナーを信じるかどうか、やはり事業をたちあげるのは、アイデアと周到な計画や資金の問題は当然として信頼できるパートナーが持てるかどうかがとても大きいことだと実感できる。
後、あちこちをまわっているあいだに計画が熟成して行くというのも分かる。
現場の声を聴きながらというよりアゲインストの声に鍛えられて強靭な計画に練ら上げられるという経験はわたしにもある。
そして、デカいおにぎりが食べたくなった。
へとへとになって精魂尽き果てたら、上手いものを片手間に食うに限る(笑。
仕事はまだまだ仕上がるまでは行かないが、端末叩きながら食べるのはデカいおにぎりに限る。

価値観、性格も個性もまるで違うふたりがパートナーとしてどれだけ上手くやって行けるか。
案外、相容れないというものではないのだ。
だれでも自分と違う時間を生きている他者を認め、憧れを抱くことはある。
「無理だと思った瞬間、人はその思考に負ける。」光の言葉。
それはその通り。
何事も無理と自分に言い聞かせたらそこで終わるのは当然。
自分の信念との葛藤もある。
そしてパートナーを信じること。
この映画みたいな隠れ家的なパブ?があると足場を固める基地になる。
(ここは拠り所として大きい)。
紆余曲折の結果「チャイルドスペース」立ち上げ。
(正しい)情報共有がどれだけ大切か。
これは良く分かるが、情報の扱いが肝心となる。
これはしっかり手堅く事務的な処理にも長けた人が担当すると良いだろう。
園児にもっと親や先生が寄り添える時間が保証できる世界を作る。
この基本理念がしっかりしているところが良い。
わたしは個人的に寄り添われた経験がない。
光はよく頑張ったが、それを維持推進して行くタイプではない。
その後の実質運営は南堀に全面的に任せ、彼女はまた新たなアイデアを思い付いたところで、相棒に逢いに来るというスタンスを取る。
つまり彼女は永遠に「発案者」としてその都度、外部からやって来て南堀とプロジェクトを組むという形だ。

光のような人は面白い。
近くにひとりいたらいいなと思う。
いるというよりノマドとして絶えず動き回っているのだが、、、。
(その割にタワーマンションに住んでいたりする)。
ともかく、こういう人は変わらない。
そこが良い。
変わらないという点では、わたしも今後100億年は何があろうと0.1㎜も変わらない(爆。
上白石萌音も山崎紘菜も良い女優だなあと思った。
光が食べていたデカいおにぎりを朝に食べたい。
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