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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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教誨師

kyokaisi001.jpg

2010年

佐向大 監督・脚本・原案
大杉漣 製作

大杉漣(少年時代:杉田雷麟)、、、佐伯保(教誨師)
玉置玲央、、、高宮真司(死刑因)
烏丸せつこ、、、野口今日子(死刑因)
五頭岳夫、、、進藤正一(死刑因)
小川登、、、小川一(死刑因)
古舘寛治、、、鈴木貴裕(死刑因)
光石研、、、吉田睦夫(死刑因)
青木柚、、、佐伯健一(保の兄)
藤野大輝、、、長谷川陽介


大杉漣にとって最期の作品となった。きっと彼の思い描く良い仕事が出来た映画だと思う。
彼の人に対する真摯な姿勢がそのまま役柄になっていたような、、、。
まずもって人が人を裁けるものか。
ましてや死刑制度など存在してよいものか。
これは以前からわたしの思っていることである。
そもそも生きることに、価値や意味を何故背負わせるのか。
生きるために生きているのだ。



教誨師の牧師と死刑の執行を待つ6人の死刑囚との最期の一時を描いたもの。
彼らは一つの部屋で一定の時間、2人で向かい合ってテーブルをはさみ自由な対話が許されるようだ。
まだ執行に余裕がある時と、いよいよその日が近づいた時の死刑囚の心的状況の違い。
まさに死を直前に控えた死刑囚の在り様がよく描かれていた。

死刑囚は拘置所内の独房で暮らしており、服装は自由で就労義務から解かれている。
彼らはそれぞれ随分個性が違う。
当たり前だが、人間これ程違うのだと言うことを実感できる。

kyokaisi002.jpg

社会革命家気取りの高宮真司。彼は佐伯を見下し社会の不備を幾つも挙げ連ねその認識を誇示する。そして自分のした行為はそれを正すための英雄的行為であると高邁な態度で主張する。
何度も対話が続いたころ、教誨師の佐伯保が高宮真司にかけた次のような言葉が印象に残る。
「わたしはあなたを怖いと思った。分からないものを人は怖がる。今までは神の御心を知りたいと思っていました。でも今はあなたを知りたいと思う。だからわたしはあなたの傍にいることにした。理解する為ではない。」
「わたしのやるべきことは、空いてしまった穴をじっと見つめることだ。穴が何故空いたかとか誰が空けたかではない。わたしはあなたといっしょにいますよ。あなたもわたしや殺めてしまった彼らと一緒にいてくれませんか。寄り添ってもらえませんか。」
彼は最期の時を迎え、自分独りでは立てない程に憔悴しきっており、よろけながら佐伯に抱きついて来る。
「高宮さん。わたしもあなたに感謝します。」

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妄想塗れの自己中心的な噺ばかりを一方的に畳み掛けて来る野口今日子。彼女は基本的に人の噺を聴く耳を持たない。
対話を経ても基本的に何も変わらず仕舞いであった。外にも内にも救いを求められず妄想に逃げ込む人。
死刑の事実から逃避し、また美容院を開く夢を語る。
「神父さん花粉症やないの?」
「でも分からんで。ある日突然なるんや、何の前触れもなしに。気がついたときはもう手遅れや。」
虚を突かれた。示唆に富む発言。実は自分の置かれた立場を認識しているのも分かる。
大阪のおばちゃんである。

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一見従順で無垢に見える進藤正一。彼は佐伯が聖書を読むことを勧めたことがきっかけで文盲であることが判明する。
佐伯に字を習うことになるが、ひらがなは、程なくマスターする。
しかし彼は、文字とそれが指し示すものこととの間の乖離に苦しむようになる。
これはことばと世界との乖離の問題でもあろう。大変本質的で哲学的な問いであり身もだえである。
このヒトは詩人にでもなるしかあるまい。週刊誌のグラビアページを一枚破り大切に持っていたが、佐伯からキリスト教の洗礼を受けた後、その宝物を彼に手渡す。
そこには習いたての文字で「あなたがたのうち、だれがわたしにつみがあるとせめうるのか」と書かれていた。
新約聖書「ヨハネによる福音書8章46節」ちゃんと渡された聖書を読んでいた。だが、、、。

われわれの言葉(文字)でモノを認識~文節・有機化しそれを世界だとしていること自体が罪なのだ。
正一とわれわれとの差は、高宮など及びもつかぬ程に大きい。
正一はある意味、アダムとイヴ以前のヒトであった。われわれの言葉を無理に吸収し当然体調もおかしくなるはず。彼は洗礼後、車椅子生活となっていた。

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小川一は、内向的で生真面目な男である。その為、酷くストレスをためやすい。その発散や解消の方法を考える余裕も貧窮のせいもありもたなかった。
周りの見方に圧され自己主張も出来ないことで自暴自棄の傾向を強め、身を亡ぼす結果を呼んだと謂えるか。
息子が借りたバッドをただ返しに行っただけなのに、余りに酷い侮辱を受け、気づいた時には周りは血の海。殺人の為の計画的犯行であると決めつけられそれを自ら認めてしまう。その結果が死刑だ。それでよいのか。

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鈴木貴裕は、恋人と結婚に反対するその家族を殺害し、自閉し押し黙っていたが牧師が自らの半生と兄の件を語るのを聴いてから、感情が解れ自分の噺をし始める。そして彼女の霊?姿を見て激変する。
最期には、わたしは彼女もその家族も許すことにすると晴れやかな表情で部屋を出てゆく。
ここでは一切客観的な事実関係など分からないが、彼としては救われたことに違いない。
その人間が安らかに死に向かってゆけることが大切なのだ。ここでは。

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吉田睦夫はやくざの親分であり、やくざ特有の人慣れしたうさん臭さを纏っている。
一番、牧師に対して打ち解けた態度で世話噺を向けるが。
そうしたなかに、これまで独特の雰囲気で狡猾に人を丸め込んで来た人生が見て取れた。
死刑を先延ばしする秘密の噺を牧師に打ち明けるなどして彼を手なずけ上手く操作しようと企てる。
ここにあっては、誰だってそうだろうが、突然執行の決まる死刑を何よりも恐れていることが分かる。
ある意味、誰よりも死を見詰めてしまう特殊な場所なのだ。

そして佐伯保も彼らと対話しながら自分自身の過去~兄との関係を見詰め直してゆく。
自分の為に人を殺し、自らも自殺した兄を直視する。
その過程で、聖書の言葉を伝えるにとどまらない関係を彼らと取り結び始める。
牧師としてではなく。一個の人間として。
終盤の彼の覚悟が鬼気迫るところ。


佐伯も語る。
生きることに意味などない。生きるために生きている。
(かつてsaluもそう唄っていた)。
牧師の言葉を超えてゆく。



AmazonPrimeにて







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