14才のハラワタ

2009年
佐山もえみ 監督・脚本
長野レイナ、、、原田ワタル (14才中学生)
松田洋治、、、父
大家由祐子、、、母
五十嵐令子、、、青木麗華(ワタルのクラスメイト、学年2位)
水嶋瑞希、、、佐藤ナツキ(ワタルのクラスメイト、学年1位)
橘ゆかり、、、青木さんの母
池上幸平、、、塾長
武田勝斗、、、青木祐輔(青木さんの弟)
ちょっとタイトルが物々しいが、別に14才の青春のドロドロをぶちまけるといったゲロみたいな映画ではない。
とてもスカスカの淡々とした間の延びた映画で、その流れに身を寄せれば心地よい。
お父さんとお母さんのすれ違い。お父さんが出掛けるとお母さんが帰って来る。
お父さんの靴磨きのお陰で娘の靴はいつもピカピカ。この辺で関係性を見せる演出はとても映画的。
お父さんとお母さんの娘ワタルに対する距離感が良い。
自分のやりたい(やるべき)ことをしながら娘をいつもそれとなく気に掛けている。
そのせいか娘の情緒も安定しているではないか。
お父さんとお母さんの距離は離れすぎてしまったが、、、。

ヒロインのワタルは塾に通っているが勉強はかなり苦手のようだ。
クラスには学年トップと2番の子がいてその2人はかなり意識し合い緊張状態にあるが、ワタルは2人とそれぞれ話はするが、共感は示すもあっさりした関係を保つ。彼女たちからは同じような複雑な気持ちを聴かされる。相手に対する嫉妬と憧れである。ワタルにはそういった強い感情はあまり窺えない(結構、その辺が成績にも出ているのかも)。
彼女は目標とかやりたいことがあるようにも見えず、特に何を主張するでも何に拘るでもない、泣くでもないし怒りもしない。
だが、何か周りをほっとさせるような空気感を漂わせており、何でも取り敢えず受け容れる優しさがある。
子供が寄って来るタイプだ。


クラスメイトは皆、穏やかで良い感じ。
特にナンバー1と2の子においては、人間も出来ている。
2の青木さんはちびまる子のたまちゃんみたいで癒される。
絵が上手く、佐藤さんも感動しており、2人は絵を介してかなり距離を詰めたようだ。
原田家は、共稼ぎで忙しいこともあるが、食事がいつもコンビニで買った物をレンジで温めて食べ彼女のお昼は学校で買ったパンというのもちょっと寂しい。そうしたこともあってか、離婚後はおかあさんも頑張って食卓に手料理を出しお弁当まで作ってみる。
離婚後にやってみた。兎角そうしたものだ。もう戻れないが。
この両親の離婚には流石のワタルも応えたみたいだ。
暫くベッドに寝ころびじっと上を見ていた。ちなみに隣に寝ていたお母さんは転がり落ちていた。
この辺の演出は上手いと思う。

それでも淡々と日常は過ぎてゆく。
ワタルはお父さんがやっていた靴磨きを引き継いでやっていた。
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