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ダニエラという女

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COMBIEN TU M'AIMES?  HOW MUCH DO YOU LOVE ME?
2005年
フランス

ベルトラン・ブリエ監督・脚本

モニカ・ベルッチ ダニエラ(娼婦)
ベルナール・カンパン フランソワ(心臓の悪い男)
ジェラール・ドパルデュー シャルリー(ダニエラの腐れ縁の愛人)
ジャン=ピエール・ダルッサン アンドレ(フランソワの主治医)


この映画をDVDで観たとき、まずはこりゃダメだ!わたしは受けつけない類いのものだ。
と感じた。
話もそうだが、主演女優も全く共感できないタイプの女優であったからだ。
しかし、うんと距離をもって観てみると、これはルーリードの「キャロラインの話」でもあるのでは?
と、感じられるところはあった。
もちろん、あれほど退廃的(文学的)で悲劇的ではないにしろ、ぼんやり・あっけらかんとしたプチ・キャロラインの話だと気づく。

なんというか、あの主演女優演じるところの娼婦が、いわゆるお金と元締めに束縛された娼婦であることと、尊ばれ自立した女性として解放されてあることとの間で、おおきく揺れている存在である点において。
もっと言えば、身体的にどうしても娼婦なのだが、精神的に愛される女でありたいとも強く願っていてその葛藤する自分のコントロールが出来ないで麻痺状態にいること。
自分を冷静に分析したり、真摯に悩むのではなく、漠然と問題は把握しつつタバコと酒の助けも借り、荒涼とした気分のうちにいつづけること。
それらにおいて、プチ・キャロラインだ。


スピードをやり、真っ逆さまに落ちてゆくキャロラインまではいかず。

しかしその相手役の男性は、あれほど心臓が弱く頼りなかったのに、何故見違えるように逞しくなっていったのか分からない。男としてあのジェラール・ドパルデュー演じるマフィアのボス?にも対等以上に余裕を持って渡り合っている。
普通なら相手にされない娼婦の彼女と暮らしたくらいのことで、何故あんなに自信をつけるのかが全く不明である。
おまけに心臓も文字通り強くなっている。友達の医者は娼婦の彼女の診察をしただけで心臓麻痺で死んでいる。彼も心臓は弱かったのか。単にそういうこともある、といった意味もない運びに過ぎないだろう。



キャロラインの相手、ルーリードはもう尽くしてもどうにもならない、ということで、諦めてしまう。
心身ともども疲弊し尽くして。
そうだろう。
もう彼女のために時間を費やすことは止めた。
彼女がリストカットしたのは、他の誰かのせいかも知れない。
カタストロフ。
そして余韻。

アラスカはあまりに寒い。 アラスカはあまりに寒い。  アラスカはあまりに寒い。

もはや次の日は、ない。



しかし。


彼らは友達との大騒ぎのパーティーの翌朝、生暖かな陽の射す部屋で、またぼんやりした朝食を摂るのである。
考えてみれば、此方の方が普遍的・現代的に麻痺した光景だ。
当分このカップルはこのような朝食を来る日も来る日も摂り続けるのだろう。
その光景はわれわれの食卓での姿に重なってゆく。
ひとつ。
またひとつ。と。
偏在する光景。
しかしひたひたとエントロピーは増大してゆく。

やがて忽然と立ち枯れするように、どちらも椅子から崩れ落ち。
あとには、、、。
生暖かな黄色く差し込む光だけが微細なチリの舞う姿を映している。


そんなもんだ。


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