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GOMA28

Author:GOMA28
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夜の来訪者

AN INSPECTOR CALLS

AN INSPECTOR CALLS
2015年
イギリス

アシュリング・ウォルシュ監督
J・B・プリーストリーの戯曲 原作
ヘレン・エドマンソン脚本

デヴィッド・シューリス、、、グール(警部)
ソフィー・ランドル、、、日記を残し自殺した女性
ミランダ・リチャードソン、、、シビル(母)
ケン・ストット、、、アーサー(父)
フィン・コール、、、エリック(シーラの弟)
クロエ・ピリー、、、シーラ(長女)
カイル・ソーラー、、、ジェラルド(シーラの婚約者)


舞台劇を見るような感じであった。BBCのTV映画のようだ。
1912年、バーリング家の一室での会話とその内容の回想シーンで進行する。
とても分かり易い物語。
一人の貧しい女性労働者に対してある上流の家族の全員がそろいもそろって惨い仕打ちをするというハイパーリアルな内容だ。
この家族は、支配~搾取側の人間の典型を一家族という枠内に構成して分かり易くドラマチックに表現したというものか。
貧富の差、格差社会、これらは普遍的な問題である。
更に個人レベルで見れば、利己的で排他的、不寛容。
それがずっしりと詰め込まれている。

搾取され利用され切り捨てられた孤独な一人の女性の自殺するまでの過程を彼女の日記から紐解く形で展開する。
飽くまでも一つの部屋での会話を通して行われる。
上流家族の一人一人が彼女にした仕打ちがひとつづつ詳細に暴露されてゆく。
この時代の支配層と被支配層の関係性と支配者~搾取側の人格をグロテスクなまでに誇張して見せている。
(しかし現代の日常の権力関係に置き換えてみることも容易である)。

各自の罪を突き付け断罪する役割が謎の警部グールである。
彼は確固たる毅然とした態度で権威を振りかざし事実を捻じ曲げようとする彼らの態度を打ち砕く。
しかし警部は記録も取らず、何もせずそこにいる者たちの罪を暴いて素早く立ち去るのだ。

グールとは、彼女の日記から出現した霊的存在なのか。
まさに消え去って、本当の警察がその霊?を引き継いでバーリング家の人々に調書を取りに来る。
おもしろいのは、グールがバーリング家に一人の女性の自殺が決行される前にやってきていたことである。
彼が自殺したと言ってきたときは、まだ女性は生きていた。
グールと名乗る男は彼らが婚約の祝福の最中であったことなどお構いなしに彼らに休む間も与えず性急に自殺した女性がどのように追い込まれていったのかを糾弾してゆく。
それは、ある意味、彼が帰って行った後に、この家族の改心によっては、女性の自殺も止められた可能性も仄めかす流れである。
もしかしたらグールはその為に、その時間に来たのかも知れない。

だが、何とこの家族はグールにやり込まれたときには、各自がその深い罪を認めはしたが、彼が去った後は、彼らを貶める罠だとかの陰謀説を捻り出したり、グールという警部が署にいないことを確認してそれが嘘だと決めつけ、それなら自殺した女性などそもそも存在しないのではと憶測し、それを確かめたところ、その時点でいなかった為、この自らが為した罪自体もなかったことにしてしまう。
エリックとシーラだけは、それでも彼女にした行為~罪は現実のことであるとそれを受け止めようとする。
二人はしたこと自体は変わらないと主張するが、他の面々は自分の惨い行為を棚に上げ、われわれは騙されていただけだ、と被害者のような顔でいる。
そしてその事実の隠蔽~忘却と身の保全を図る相談を始めている。
明らかに理不尽で残酷な扱いで独りの女性を自殺に追いやったことなど、どこかにすっ飛んでいる様子。

ここで実際に事件が起こってしまう。
彼らに(本当の)警察から電話が来る。
一瞬の安堵が急展開し地獄に真っ逆さまの様相を呈して、終わり。
上流家族の転落が決定する。


人間の出てこない映画を観たくなった。


AmazonPrimeにて。




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COMMENT

考えさせられます

こんばんは!

こんな映画もあるのですね・・・。

GOMA28さんも本文中に書かれていますが、

自らに力があるからと、弱いものを陥れたり、不正を働いてもお金の力で隠匿したり、誰かに責任を押しつけて罪をおかした本人は安泰だったり・・・

私も、まさに現代の権力関係そのものだな、と感じました。

何だか切なくなりますね。

『人間の出てこない映画を見たくなる』お気持ち、非常に共感してしまいました。

ありがとうございます☆彡

如何にもBBCのドラマという感じで、舞台劇としてもそのまま行けるような作品でした。

まあ、このバーリング家の面々の毒々しいこと。
特に実業家のパパと実家の裕福なママの厚顔無恥なこと。
それに婿は完全な腹黒い悪人でした。
こうした人間が支配者層を作っていては、世の中暗いはずです。法による人権の保護は進んだとは謂え、基本人間は変わっていません。

まだまだ人類の救済~安定進化は遠いですね。

また宜しくお願いします。

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