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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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エリザベス  狂気のオカルティズム

I Am Elizabeth Smart001

I Am Elizabeth Smart
2017年
アメリカ

サラ・ウォーカー監督

アラナ・ボーデン、、、エリザベス・スマート(14歳の被害者)
スキート・ウールリッチ、、、ブライアン(誘拐犯)
エリザベス・スマート、、、本人

まさに”I AM ELIZABETH SMART”である。
どれだけ、これを大声で叫びたかったか。
心の中で叫び続けてもだれもこちらを注視してはくれない。
不用意に声を出したり他人に語り掛ければ殺害されるという恐怖で何も出来ずに従う他なかった。
(しかし邦題の「オカルト」、、、というよりホラーであった)。

宗教(似非宗教)の名を借りた誘拐犯夫婦と犠牲者の少女との9か月間にも渡る地獄の逃亡生活の日々の真相を本人自ら語るというもの。充分に衝撃的である。
物語の本人役はアラナ・ボーデンが演じ、途中で複数回に渡って挿入される解説を本人がするという形をとる。犠牲者自らの意志による顔出しである。メッセージ性も強い。
毎日の性的乱暴、虐待、脅し、洗脳行為にもめげず、ストックホルム症候群にも陥らず(本人曰く)、情動剥奪障害にもならず、しっかり自分を保ち続けたということだ。素晴らしいメンタルだ。幼少時からの家庭の生育環境がものを言ったといえよう。

終盤そろそろエリザベスの救出も間近となったところで突然流れる曲に打たれた。
何と”Cloudbusting”ではないか。
ケイト・ブッシュの曲を誰かがアレンジして唄っていた。
この曲は、確かにこの件で、絶妙に合うかも知れない。非常に意味深く響いた。

ユダヤ人精神科医学者ヴィルヘルム・ライヒとその息子を巡る噺で、息子の視点から父を描いた曲であった。
オルゴン放射器のクラウド・バスターで雲を蹴散らかし雨を降らせるとてもドラマチックなMVは今でも鮮明に覚えている。
オルゴン・エネルギーの提唱者であり、わたしも「オルゴン・ボックス」にはとても興味を惹かれたものだ。
ライヒ役はドナルド・サザーランドで息子役がケイト・ブッシュであった。
とても感動的な曲~MVであり感慨深い。もう一度、このMVは観直したい。感涙に咽ぶなきっと、、、。
.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
And every time it rains,
You're here in my head,
Like the sun coming out
Like your son's coming out,
Ooh, I just know that something good is going to happen.
And I don't know when,
But just saying it could even make it happen.

We've been cloudbusting daddy
Your sun's coming out. Your son's coming out.

とても不遇な研究者であり、自身のオルゴン研究所で開発(発明)した機器(確か癌治療のオルゴン・ボックス)を裁判所に逆らい販売したことで、法廷侮辱罪で収監されてしまう。ケイトブッシュのMVは、車で連れて行かれる父を息子が目撃して、走って追いすがりリヤウインドウからの父の指示でクラウド・バスターを起動させ雨を降らせる場面がドラマチックな曲で描かれるものだ。
結局、父は収監先の刑務所で9か月後に心臓発作で亡くなってしまう。

噺を戻すと、無作為に選んだ家の娘ではなく、以前お金を貰ったり、仕事を世話して貰った恩のある家の娘を狙った誘拐~略奪であった。
その略奪夫婦は宗教上の理由~神のお告げでその娘を選び第二の妻にしたとか言っているが、まずもって教理とか教条などというレベルのものではなく狂人の戯言レベルのものである。外界全てを敵に回し自らの正当性を保とうとするだけの、それ自体の真理~内容は、何もないお粗末なもの。
組織性もない。特定の教団ではなく~かつて所属していたにせよ除名された二人の彷徨える適応障害者といったところか。
この夫婦、境界性パーソナリティ障害と謂うより、もう一歩向こうに行ってしまっている感はある。
飛んでもない者に見込まれたものだ。飛んだ神に選ばれてしまったものだ。
親の善行が仇となったと謂えるか。皮肉なものだ。おかしな者に関わるものではない。

何とも微妙で危ういと思ったことは、宗教ですから、、、という免罪符ですり抜けられるところ。
これによって万引きも見逃される。その上パーティーに誘われもする。酒も飲み放題。
警察が何度か不審に思い、慎重に問いかけもするが、宗教ですので娘の顔は見せられません、で切り抜けてしまう。
物々しい白装束で顔も覆って3人で街に出て歩こうが、そういう人たちなのだと、人々はワザと目を逸らす。
かえってその方が怪しまれないのだ。
宗教に迂闊に手を出せないことと、マイノリティ差別を逆手に取ってもいる。

この本人である女性は大変凛として気丈に事件を対象化して淡々と語っているが、感情的にどう捉えているのか~整理できているのか、今一つよく分からなかった。こうした事件を経験した人によく見られる抑止運動や被害者を守る運動や基金の創設など例に漏れずこの女性も精力的に行っているらしい。この映画もその一環となるものだ。
ともあれ現在は結婚して二児の母であるという。
14歳に襲った災難が大きなPTSDとして残存しないような強靭さを備えた女性であることを祈る。
(でなければ子供の育成に大きく影響を及ぼすからだ)。

14歳まで安定した愛着関係により自尊心を持ちしっかりした自我が育成された子であれば、酷い困難に遭遇しても折れたり潰れたりするようなことは無い。恐らく彼女はそういう人であろう。


他者との関係性の切り結びについて考えさせられる作品であった。
他者とはブラックボックスである。




AmazonPrimeにて、、、



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COMMENT

教えてください

映画を見たんですが、最後はなぜパトカー三台も来たのでしょうか?

分かりません

もう記憶が薄れているので、はっきり分かりませんが、、、

パトカーが3台くらい来たことは、確かに覚えていますが、その台数に関して特に、考えてもみませんでした。

つまり、たまたまパトカーがパトロールにやって来たところではなく、何らかの情報~通報等で急遽、犯人逮捕と誘拐された娘の保護目的で3台でやって来たというところかどうか、ということですか?そうした目的であれば、相手の銃器所持への対処等もありましょう。

どうなんでしょう。見るからに不審なトリオですから、娘の浮いた気配などからも確認は取るべきだという執行命令の上での強硬措置だったように思われます。その前に単独のたまたま居合わせた警官は宗教の戒律を持ち出され、もう少しのところで引き下がっていましたね。

以前から目立つ存在であり、マークは充分されていたはずです。

質問と角度が異なりましたか?
3台に特別な意味付けは、残念ながら他に思い当たりません。それにもうかなりディテールなど忘れていますもので。

また何かありましたら。

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