怪獣大戦争

Invasion of Astro-Monster
1965年
日本、アメリカ
本多猪四郎(本編)、円谷英二(特撮)監督
関沢新一 脚本
伊福部昭 音楽
ゴジラ
ラドン
キングギドラ
宝田明、、、富士一夫
ニック・アダムス、、、グレン
久保明、、、鳥井哲男
水野久美、、、波川(X星人)
沢井桂子、、、富士ハルノ
土屋嘉男、、、X星人統制官
田崎潤、、、桜井博士
BSでたまたま観る。周りが煩くて集中できなかったが(笑。
伊福部昭のマーチのテーマ曲が流れるとワクワクするが、それ以上のワクワクが内容的になかった。
ゴジラがシェーッをしたりしてつまらない。何故それをするのか意味も分からない。
コミカル路線で押す内容でもなかったし、、、。
こういう怪獣ものは、怪獣が真面目~直向きだから引き込まれる。
ギャレス・エドワーズ監督のハリウッド・ゴジラを見習ってほしい。これからのゴジラも。あれが正道だ。
(わたしはもしかしたら、最初のゴジラに次いでギャレス・エドワーズ監督のゴジラが好きかも知れない。その他者性と崇高な孤独感において)。

それにどう見ても怪獣メインではない。
彼らは脇役に過ぎない。
人類対X星人の闘いに怪獣が絡んだというか。
それもあってか、ゴジラも真面目にやってないし。
ラドンもゴジラを掴んでキングギドラの上に落っことして楽をしようと?していたり(笑。

兎も角、怪獣が軽い。軽すぎる。大きさ~スケールはあるが。
ディテール的には興味を引くところは見られる。
桜井博士の研究室の計器類が面白かった。
モニタにしても時代を感じ、レトロ科学な魅力が漂う空間であった。
田崎潤がこういった映画にとても似合うキャラである。
雰囲気は出来上がっていた。
しかしX星人は水が欲しいなら科学力で幾らでも水の合成は出来るだろうに。
確かX星にも酸素と水素はあったみたいだし、中学生だって合成実験をしている。
わざわざゴジラとラドンを星間輸送してみたり、キングギドラを使ってみたりして、地球を征服しようとしたりと、まわりくどい連中だ。
女性が皆、水野久美というのも凄い。
この女優は海外でも人気で、和製フランソワーズ・アルヌールと言われていたそうだが、宇宙人でも通用する普遍性を持っているらしい。
確かに宇宙人に見えた。
かなり精巧なフィギュアもあった。人気アイテムであったらしい。

最初に出てくる発明家の鳥井哲男の作る警報器の鳴らす音が、X星人が苦手な音波の帯域であったというのはちょっと面白い。
この音波を電波で放出するみたいなことを謂っていたが、音を電波信号に変え、電線を通して伝えることは、電話で分かるが、電波に乗せるとかは、音の周波数が低すぎる点でそのままでは無理ではないか。搬送波に乗せ送ったとしてもそこから分離した音自体を聴かせなくてはだめではないか、、、。要は電波砲みたいなものからビリビリではなく巨大なスピーカーが必要では、、、
兎も角、その音波砲を照射すると円盤がぐらぐら揺らぎ、なかでX星人が耳を塞ぎやめてくれ~と叫び、ついに円盤が爆発してしまう。
ゴジラとラドンを操っていた電磁波も別に開発した遮断電磁波の照射により二人の怪獣を自律させる。
キングギドラは元々彼らにとって気に喰わぬ奴だったから、タッグを組んで攻撃する。
が結局、キングギドラには逃げられてしまう。
最初からゴジラもラドンも然程、やる気もなかったから深追いしない。
またどこかの海底とかで昼寝を始めているはず。
X星人は地球人がやっつけた。
科学力に勝る相手を滅ぼし、自信に繋がったであろう。
怪獣は、ただ3人でほどほどに暴れていただけであった。
「怪獣大戦争」は無い。
X星人統制官の土屋嘉男がとても様になっており、キャストは適役であったと思う。
ニック・アダムスという役者演じるグレンもしっくり溶け込んでいた。
波川と恋人関係にもなっていたが、そこはさらっと流した感じである。

ゴジラ、ラドンを操る電磁波を遮断する装置が完成しているのに暫くの間、その二人を軍隊が砲撃していた意味がよく分からなかった。何故直ぐに覚醒させなかったのか、わたしがその理由を見落としていたのかも知れぬが。
久々のTV鑑賞であったが、外野が煩くて落ち着かないまま観終わってしまった、、、。
特に惜しい気もしないが。
子供の頃、一回は見てはいるはずだが、、、記憶には残っていなかった。

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