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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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カノン

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雑賀俊朗 監督
登坂恵里香 脚本


比嘉愛未 、、、岸本藍(次女、小学校教師)
ミムラ 、、、宮沢(岸本)紫(長女、専業主婦)
佐々木希 、、、岸本茜(三女、金沢の実家の料亭の若女将)
桐山漣 、、、小出聡(藍の婚約者、市役所職員)
長谷川朝晴 、、、宮沢和彦(紫のモラハラ夫)
古村比呂 、、、小出妙子(聡の母、喫茶店経営)
島田陽子 、、、新井澄子(豆腐屋経営者)
多岐川裕美 、、、岸本辰子(三姉妹の祖母、金沢の料亭の元女将)
鈴木保奈美 、、、原島美津子(三姉妹の母、アルコール認知症)


毒母(アルコール依存症)による少女期(前期)における恒常的虐待がどのようなトラウマを子供に与えるか。
ここでは母親の情緒不安定(暴力)、暴言、ネグレクト、、、などが顕著に窺える。
三姉妹においても年齢の違いから少し影響もことなるところはあるようだ。
長女はその影響が最も大きいようで自尊心が育まれず、自己肯定感がない。その為、それを更に深く抉る様な夫を持つことになる。
幼いころの関係性を反復強化させるような共依存関係を結ぶ相手を選ぶことは、よく知られることだ(実際にそういうもの)。
次女は親の暴力に対する恐怖と不安が無意識的に大きく残存しており、フラッシュバックや悪夢に悩まされる。そのため家庭を持つことにも不安が大きく決断できない。自分にとって好意的な対象であっても関係性を切り結ぶこと自体を自己保身の為から避けてしまう。仕事だけはきちっとやり周囲からの信頼は得ているようだが。
三女は、母と同じようにアルコール依存傾向が見られる。人を使い責任の重い料亭の女将という立場もあるが、ストレス耐性が弱い面が窺え、何かに依存して安定を図ろうとする傾向はあるか。他の姉妹に対しても直ぐに喧嘩腰になるところなど、精神の安定感と余裕に乏しい。
いずれにせよ、今の自分を素直に肯定的に受け容れることが出来ないのは三者とも同様だ。
だから生きることが苦しく、不安に苛まれたり自らチャンスを避けたり依存したりして生きている。

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この母親の生活環境からすれば、幼年期における愛着関係にも障害が見られる可能性は当然大きい。
長女は常に人目を気にする強い不安型の愛着障害とみられるし、次女は回避型の愛着障害とも謂える。三女の依存性からしても愛着障害は視野から外せない。

とは言え、この母親は、子供に対しての義務を果たしておらず害毒を与え子供を著しく生き難くさせた罪は明白であるが、彼女をそうさせる原因を作った人間は祖母であることは否定しがたい。
この祖母の権威的で支配的~高圧的な姿勢は、美津子だけでなく、息子~美津子の夫にも同様に向けられており、息子は母からの支配を逃れるように美津子と結婚し、家業を継がず、無理と分かっている日本画家の道を強引に選び、他の女と心中を図る。まるで母への当てつけのような破滅的人生を歩んだ(つまりとうとう母の支配を逃れることが出来なかった)。
息子や孫娘たちの悲劇もあり、後にかなり反省をして美津子を理解しようと努めるが、事態はどうにもならないところまで進んでしまっていた。

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前に進むためにもまずは、トラウマが当人の中で癒され自尊心が芽生え、しっかりした自我が確立された上で、初めて他者との自立的で対等な健康的関係が結べるようになる。
そこから見ると、藍の結婚相手の母は怪しい。娘~聡の妹を学校の不手際で熱中症により失っている。
藍を多分に娘の代理として無意識的に見ている節がある。
充分に関わって相手の人格を認めたうえで親密になるのは分かるが、最初からあの無条件の歓迎ぶりは尋常とは思えない。
娘像を彼女に投影して無意識的に支配、コントロールしようとしてゆく可能性は否定できない。無防備に気を許すのは危険かも。
肝心の夫となる彼は、彼女をじっくり見てきている。母美津子との関係も知った上で共に居ようと言っていたことからも信用が出来る。藍にとっても安定した自我をもった人間と共に居ることは自己治癒を早めることにも繋がるはず。


人は、自然に親に成れるものではない。
意識的になってゆくものであり、無意識的に身体的に引き摺ってしまっているものを全て対象化し相対化して対消滅させて自分を浄化させつつ親になってゆくしかないものだ。

特にわたしのように、特別あつらえの超ド級毒親に育てられた身としては、この過程が凄まじく難関となる(爆。
負の遺産が大きすぎるのだ。
だが、やるしかあるまい。


原島美津子の過酷な人生は、よく分かるが、娘たちの苦難は全て~100%親の責任である。
娘たちは、まず自分の生き辛さ、苦痛は自分に原因はないということをはっきり認識~自覚しなければばらない。
全てはそこから始まる。
そして何より原因と関係性について精確に分析して知る事である。
それが済んだうえで、はじめて母親を一個の人間として捉えればよいと考える。

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パッフェルベルのカノンを3つのピアノで弾くのは初めて聴いた。
母、美津子も招いて藍の結婚式で三姉妹のパッフェルベルのカノンを披露するというのは、分かっていても感動的ではある。
しかしエンディングで盛り上げる為か終盤、オーケストラアレンジが被って来たが、ピアノだけで行くべきだった。

それからもうひとつ気になった点は、少女時代の娘たちが、今現在の娘にどう見ても対応しないところである。
大変な演技を強いられるわけでもない少女期である。
せめて似ている~面影のある娘を使って貰いたい。
結構物語の信憑性というか信頼性にも寄与する部分である。
ダコダファニングみたいな演技を求められる訳ではないのだし、もう少し探して欲しいものだ。

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全体として観て、とても良い映画であった。
どこか「海街diary」を思わせるところでもあった、、、。











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