In Time

In Time
2011年
アメリカ
アンドリュー・ニコル監督・脚本・製作
ジャスティン・ティンバーレイク、、、ウィル・サラス
アマンダ・サイフリッド、、、シルヴィア・ワイス
キリアン・マーフィー、、、レイモンド・レオン(タイムキーパー)
オリヴィア・ワイルド、、、レイチェル・サラス(ウィルの母)
マット・ボマー、、、ヘンリー・ハミルトン
ヴィンセント・カーシーザー、、、フィリップ・ワイス(シルヴィアの父、大富豪)
金が時間となった世界。人は生れると腕にデジタルタイマーが表示される。
それを見れば自分の余命がハッキリ分かる。
人口増加対策なのだそうだ。
人々は25歳から歳をとらない。(だから祖母も母も娘も同い年の容姿であったりする。ここが面白かった)。
その後は(1日毎の)余命となり、貧民ゾーンでは労働によって細々と生存時間を得て生活を営む制度となっている。
(そして人口調節の為、税と物価が同時に上がり多くの死者を出すらしい)。
資本層~支配層では時間は有り余っており実質不死の人間で構成される。
だが時間を持て余し、ただギャンブルに耽るだけという空虚な生活に苦痛を感じる者もいるようだ。
(ウィルに自分の時間を与えて死んだ富裕層の男もそのひとり)。
何か創造的なことをしろよ、と言いたい。
実際、ここまで退廃的になることは無いと思う。
貧困層のその日暮らしの実情は、確かに絶望的だが。
多くの人々は新たに時間を供給されないと、時間切れでその場で倒れて死んでしまう。
ウィルの母もそうであった。
まさに「時間内に」という映画である。
ハラハラしながら見た(笑。
そこが狙いなのだが。

しかしウィルが時間を富裕層の男から貰って彼らのゾーンへ入ってゆくまでであった。
そこから先がしぼんで行く。散漫になる。
折角、アマンダ・サイフリッドとの出逢いもあるのに、これと言って驚くような展開がないのだ。勿体ない。
富裕ゾーンに乗り込んでからの展開が甘い~温いとしか言えない。
大物資本家~長時間保有者のシルヴィアの父親とポーカーやって勝った後、2人で海で泳いでからその後が、これといって無い。
彼は一体、何しに行ったのか、、、。「youは何しに富裕ゾーンに」である(笑。
ウィルがシルヴィアと共に、彼女の父の経営する銀行を破り、時間を強奪して貧民層に分配するのだが。
これって(このパタン)何かの映画でもあったな、、、。
特に計画に沿ってというものではなく、「タイムキーパー」に追跡され、ギャングに時間を狙われながら流れでやっているようなもの。
基本、逃亡者である。
ここでしっかりした策略を元にした(富裕層社会の打倒を目指す)行動とかがあれば緊張感も更にアップしたものになったはずだが。
時間切れの心配と、如何に監視員たちから逃げおおせるか、といったレベルのハラハラ感であった。
ここでゆったり愛を語っている場合かという(お約束の)場面もはさみ、行き当たりバッタリ感は否めない。
面白いのは、労働者の仕事が完全に機械にとって代わられたようなものであったり、車やバスが今の時代のものと変わらないのだ。遺伝子操作がずっと進んだ世の中なのだが、、、。なかなかに趣深い風景であった。
お金が時間にとって代わったという発想から、どのような世界観と主人公が何を目指して行動をとってゆくかが、十分に詰められないまま製作されたようだ。
結果的にゾーンの解体に従い時間が均等に広がり、社会制度の崩壊が進む様相を見せていたが、、、
その展開が何段階にも具体的に描かれないと、緊迫感がまるでないではないか。

貧困層の人間は走るが富裕層はまず走ることは無いというのはとても説得力がある。
ウィルの得意なアームレスリングみたいな相手の時間を奪う1対1のバトルなどのアイデアもよかったが、もっとこういった細部も全体に欲しい。
ジャスティン・ティンバーレイクとアマンダ・サイフリッドの逃亡劇としての面白さはそこそこあったが、もう少しブラッシュアップして発表して欲しい映画であった。
二人ともよく走っていた。特にアマンダ・サイフリッドにはご苦労さまと言いたい(笑。
AmazonPrimeにて。
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