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GOMA28

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父ありき

There Was a Father001

There Was a Father
1942年


小津安二郎 監督
池田忠雄、柳井隆雄、小津安二郎 脚本

笠智衆、、、堀川周平
佐野周二、、、堀川良平 (息子)・津田晴彦(少年時代の息子)
佐分利信、、、黒川保太郎
坂本武、、、平田真琴
水戸光子、、、ふみ
大塚正義、、、清一
日守新一、、、内田実


笠智衆主演映画である。これを観ないでどうする、という感じで観てみた。
修復の必要性を強く感じる、カットもかなりされた戦時中の映画であるが、とても良い映画には違いない。
(確かに流れの上で不自然なカット~編集を感じさせるところは気になったが)。
戦時ということもあるか、死の匂いは全般に漂う。

この役~元教師で企業の中間管理職が如何にも笠智衆らしく、せりふも実に多い。
つまり存分に楽しめる(ものなのだが、よく聞き取れないところが少なくなかったところが残念)。


戦時中の映画とは言え、只管父と子の絆を描きあげたものである。
男手ひとつで息子を励まし支え伸び伸びと育て上げてゆく。
当然、良い息子となっている(若干ファザコン気味ではあるが、心配するレベルではない)。
父も息子を大学まで出すために東京に出て働く。
仕事と全寮制の関係もあり、一緒に暮らす時間は少なかったが、自立し立派になった息子と、とても濃密な1週間を過ごす。
父子ふたりで温泉に浸かって静かに語り合う姿は堪らないものがあった。
息子の子供時代と大人になってからの旅行での二回、ふたり同じように(自然の流れでシンクロして)川釣りをする姿は印象に残る演出だ。
そしてまるで一生の締めくくりと取れるかつての同僚教師や教え子と盛大な宴を開き、父は満足して他界する。
彼は、やるだけのことはやったから後悔はないといった言葉を残す。
それは、仕事だけではなく息子に対してもそうであった。

There Was a Father003

理想的な父子に見えた。
羨ましい。
確かに離れて暮らすことは多く、息子としては寂しい思いはあったはずだが、父との関係はすこぶるよいものであった。
長く一緒にいればよいものでは決してない。
それが毒父であったら息子にとっては被害甚大となるばかり(経験者は語る)。
向かい合った際、どういうことばのやりとりが出来るかどうか、である。時間など関係ない。
ことばである。
どんなことばを発するか。
ことばが全てなのだ。

ただ、映画のノイズが全般的に大きく、特に前半の子役の息子と父とのかなり重要な対話の部分が何とも聞き取り難かった。
ここが残念なところである。
フィルムの修復をしたものを是非もう一度観直したい。

There Was a Father002

大人である息子役の佐野周二に自然に繋がる容姿の子役の津田晴彦の人選には感心した。
「一人息子」の息子役、日守新一のにこやかな笑顔がここでも見ることが出来、何か得した気分になった(笑。

何といってもフルに出ずっぱりの笠智衆の演技を堪能できたことがともかく良かった。
芸風は不変である。

小津映画とは切っても切れない笠智衆がこれだけ見られる贅沢で、この映画については謂うことなし。

「東京物語」を観たくなった。








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