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GOMA28

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囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件

CAPTIVE001.jpg

CAPTIVE
フランス・フィリピン・ドイツ・イギリス
2012年

ブリランテ・メンドーサ監督・脚本


イザベル・ユペール、、、テレーズ・ブルゴワン(NPO団体職員、フランス人)
カティ・ムルヴィル、、、ソフィー・バーンスタイン
マルク・ザネッタ、、、ジョン・バーンスタイン
ルスティカ・カルピオ、、、ソルダット
マリア・イサベル・ロペス、、、マリア・ポリカルビオ
ティム・マバロ、、、ハメド
レイモンド・バガッツィング、、、アブ・サヤフ


まさに「捕虜」である。
フィリピン南部では身代金目的の誘拐は、実入りの良いビジネスとなっているという。
2001年5月に、フィリピン・パラワン島リゾートで21人の観光客が、イスラム武装勢力アブ・サヤフによって誘拐された事件の実録映画である。
演出を感じないドキュメンタリータッチの淡々と進む映画である。
激しい銃撃戦が突発的に起こるのに、何故かとても静謐な印象であった。

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フィリピン政府の救援部隊かと思うと、ゲリラも人質もお構いなく銃弾を浴びせかける。
人質がバタバタと撃ち殺されて倒れてゆく。これでは無差別射撃ではないか。
しかもゲリラが身を隠している病院に対して撃ちまくってくる。入院患者をどう考えているのだ。
民兵や武装集団もあちこちに潜んでおり、直ぐに銃撃戦となる。
恐らくアブ・サヤフに賞金がかかっているのだ。
しかしここでもゲリラ以上に人質が犠牲になる。

至る所に銃を携えた者が潜んでおり、銃が直ぐに発砲されるこんな場所があるのを実感する。
人質とは言え、最初に身代金が取れそうもないと分かった時点で殺される者も。
金蔓と判断されれば、ゲリラと共にジャングルの中を果てしなく移動し続ける羽目に。
この映画の人質たちは7か月以上をジャングルを連れまわされて過ごす。
都会人がジャングルで過ごす過酷さ、、、。
気力を保つことも難しい。

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ジャングルの中を逃げ惑うことの不安と恐怖に加え、、、
衛生状況は酷い。まともな食料もない。水にも不自由。
ヒルはいるし、病気もあり、怪我をしたら致命的だ。
薬草を噛み砕いたものを傷口にくっつけて処置する。
これでは銃弾で負傷したらもうおしまいだ。
足手まといになると判断されれば物陰に呼ばれて銃殺である。

兵士は、教育も受けていない子供がかなりの数を占める。
(そのまま大人になった兵士が彼らを指導している)。
銃の使い方だけ知っている。
ジャングルが教育の場だ。
考えてみれば凄い共同体だ。
このようなところで人質になったら、まず命がいくつあっても足りない。

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銃による暴力は絶対的だ。
これには、少なくとも民間人は言うなりになるしかない。
これに立ち向かえば、すぐさまハチの巣である。
そして人質になれば、全員射殺されるか、奴隷となるか、イスラム教に改宗して平和に暮らすか、税金を払って自分の宗教で暮らすかを選ばされることとなる。
射殺は初期において金にならぬと判断された場合であるにせよ、脅されて改宗したところでまともには暮らせまい。

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ムスリムのテロリストが世界貿易センターに突っ込んで多数の犠牲者を出したことをラジオで知り、ゲリラたちが歓喜に沸く場面もあった。
同志の功績である。
(ホントは違うが)。
ジャングルにあっても、情報のやり取りはかなりある。電話で身代金の相談も細かくしていた。

こんな場所に突然メディアが入ってきてレポーターが取材をして帰ってゆく。
人質のインタビューを撮って。これも何かの(政治的)取引の一環であろう。
この事態を政府や他の国が把握していない訳ではないのに、人質を助けることが出来ないという奇妙な事態が成立している。
単に停滞しているのか。

学校でゲリラたちが休憩をとる場面もあった。
子供たちが学ぶ場に、凄い人相の物々しい銃を掲げた男たちが入って来るのだ。
しかしそうした事態にも子供たちは和んでいる。特に緊張が走る訳ではない。これが普通なのか。

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テレーズ・ブルゴワンは最後に本格的な救援隊がやって来て保護されるが、まだ年端もいかぬ少年兵ハメドをしきりに気にしていた。
彼女もフランスに子供を3人残している。
7か月以上も共に暮らした、自分の子供と同年代の少年である。かなり重ね合わせて気にしている様子であった。
彼は幼い頃、自分が学校に行っている間に、両親が家で殺され、その後ゲリラ組織で育てられたという。
子供にとって、過酷な社会~環境である。

テレーズ・ブルゴワンはよく助かったものだ。


フィリピン人監督ブリランテ・メンドーサが、まずイザベル・ユペールをヒロインとしたうえで考えて作った映画であるという。
彼女がヒロインをしない訳にはゆかぬが、見事に演じ切っていた。









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