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GOMA28

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キューブ CUBE


CUBE001.jpg

Cube
1997年
カナダ

ビンチェンゾ・ナタリ監督・脚本
アンドレ・ビジェリク 、グレーム・マンソン脚本
ヤスナ・ステファノビック美術


モーリス・ディーン・ウィント、、、クエンティン(黒人警察官)
ニッキー・グァダーニ、、、ハロウェイ(女性精神科医師)
ニコール・デ・ボアー、、、レブン(数学科の学生)
ウェイン・ロブソン、、、レン(刑務所の脱獄プロ)
デヴィッド・ヒューレット、、、ワース(設計技師)
アンドリュー・ミラー、、、カザン(自閉症、数に強い)
ジュリアン・リッチングス、、、オルダーソン(最初に骰子のように独楽切れとなる)

以上全員、キューブの中に閉じ込められていたことに気が付き、脱走を図る。


大変、インパクトがあった。
後の映画に相当な影響を与えていることが分かる。
この映画のシーンを真似たものをよく見る。


間違いなく傑作である。

CUBE006.jpg

われわれ誰もが、気づいたら不可視の悪意のある法の支配のただなかに放り出されていた。
勿論、その法(システム)はその共同体~CUBEによって異なるにせよ、トラップ(罰)は多彩で大掛かりな仕組みになっていることは間違いない。
大概の者は、不安に慄く。

CUBE004.jpg

誰もが何で自分がこんな目にあわされるのか、と本質的な疑問は抱くも、まずは目先の障害に対処するしかない。
余裕が与えられていないのだ。立ち止まっていれば餓死してしまうだろう。
世界~法は、それ自体の法則で罰を下し機械的に動いているだけ。

こんな時、知はその動く法則を捉えることに役立つ。
ここでは、それが初期においては、「素数」がポイントであった。しかし、それだけでは現実の解読には不十分であった。
今度はそれが「因数」であることに気づき、謎の数値の3つの塊が空間座標を示すことに思い当たる。

CUBE003.jpg

これで世界の動きの法則と自分たちのいる相対的位置が判明し、トラップ(罰)の回避も可能となった。
だが、それでこの世界が鮮明になり過ごしやすくなるわけではない。
われわれは気づいた時から、その身体性において極めて過酷な状況~世界に囚われているのだ。
ここに慣れる訳にはいかない。
地獄からはっきり解かれなければ、外部を夢見ながら早晩そこで死ぬしかない。

CUBE005.jpg

大きな問題は、人は狭い意味での知のある一定の領域において同調できても、価値の絡む感情的な面では、危機的状況に投げ入れられた者同士で相容れることは難しい。この幻想領域において、個々の肥大した幻想が生理的な面からも互いに強い拒絶反応を示すということだ。
主導権を握った者が自分にとり異質の存在の弾圧・排除に走る。
このシステムの中にあって、機械的トラップで死んだ者は、最初の2人だけである。
その後、死んだ4人は、自分たちの幻想(妄想)を膨らめ、その悪意を相手に投影したうえでの殺し合いによるものだ。
過酷な法によって充分に追い詰められた結果にせよ、殺戮は生の人間同士でなされる。
(それを確かめるための大掛かりな検証システムなのか)。

CUBE002.jpg

これの目的も思想も背後の存在~権力も何も分からぬまま(何かのきっかけで)それぞれ無責任な分散された個々の仕事の集積により自動的に組み上げられた巨大な殺戮空間~キューブが構築され、任意に選ばれた人を入れて作動していた。監視はされているのかどうか、、、神の立場は存在するのか。
あっけらかんと。この宇宙の成り立ちみたいに。ただ成立して作動する空間なのかも知れない。

カザンみたいにあらゆる党派、イデオロギーから無縁で、しかしアスペルンガー的特異能力を持ち、世の中から特別な保護が得られる立ち位置というのは、生存にとって有利な気がした。


漫然と生きている場所をデフォルメ~異化して観易い形にすると、その邪悪な異形の姿があからさまになって来る。
それは、人間そのものの姿であった。




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COMMENT

こんばんは

ここ数日のGOMAさんのご家族に関する記事を拝読するに、GOMAさんの家族愛をひしひしと感じます。
この映画を観ました。
例により、斜め読みでインパクトを得たので観てみました。
おっしゃるように、傑作に違いないですね。
23年前に既にこのような映画を作ることができるんですね。
カナダというのは言うまでもなく先進国ですし、僕もそこそこ理解している国ではあります。
人口はアメリカの1割ほどですが、映画的にはどうなのでしょうね。
この映画といい、以前観たイヌイットの映画といい、なかなかの映画大国でしょうか。
それにしても、映画観た後のGOMAさんの解説を詳細に読んだら、映画以上にGOMAさんの解説の方にむしろ感動しました。

ありがとうございます

お恥ずかしい話ですが、もうアップアップしております。
自我形成過程における反抗期としてみてもドラスチックすぎという感じで(笑。
全方位から降り注ぐ過剰な情報の受容に軋みを感じるのです。
呻きと言うか、、、。娘自身も苦しいと思います。
そこにどう対処するか、、、結局、言葉より場所~ロゴスよりトポスだとみて、動くことにしました。

この映画もそうですが、実生活においても、情報の受け止め方の違い、これが問題を起こしますね。
それをここではある場所に特異な装置を設定することで、グロテスクなまでに浮き彫りにしています。

カナダの映画は大変よく練られたものが多いと思います。
生理的、感覚的に好きなのは、タルコフスキーやベルイマン、アンゲロプロスなどですが、、、
引き込まれ考えさせられる映画はカナダ映画が一番多いです。
疲れるので、しょっちゅう観たくはないのですが(笑。

わたしがこれまでに観て、ブログに書いているものは、ほとんどその類です。

サラは走る、シェルター 狂気の秘密、残酷で異常、残酷で異常、エンドルフィン、イカルイト、Mama、 ハウンター、彼女が目覚めるその日まで、危険なメソッド、魔女と呼ばれた少女、シンクロナイズドモンスター、アンチ・ヴァイラル、ウィッチ、スイッチ・オフ、ルーム、CHLOE/クロエ、トゥルース 闇の告発、サイレントヒル、イグジステンズ、ヴィデオドローム、 イースタン・プロミス、、、等々。
こうしてみると傑作揃いです。作品としては、お勧めですが、わたしはもっと感覚的に愉しめる映画がよいです(笑。

また、宜しくお願いします。

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