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GOMA28

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毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト

DIANE ARBUS006

FUR-AN IMAGINARY PORTRAIT OF DIANE ARBUS
2006年
アメリカ

スティーヴン・シャインバーグ監督
エリン・クレシダ・ウィルソン脚本
パトリシア・ボズワース原作
カーター・バーウェル音楽


ニコール・キッドマン、、、ダイアン・アーバス
ロバート・ダウニー.Jr、、、ライオネル(多毛症の男)
タイ・バーレル、、、アーラン・アーバス(ダイアンの夫、ファッション写真家)


学生時代、一時期ダイアン・アーバスの写真に拘って見ていたことがあった。
双子を幾つも撮ったり、フリークスを撮っていた。
わたし的には尖ったロックミュージシャンと同等の存在であった。
パティ・スミスみたいな。
好きな写真家の一人である。

Diane Arbus002


キャンプビーナスという施設は何であるのか。
皆、ヌードで暮らしている。
彼女は、写真家として訪れたのか。この映画では彼女はほとんど写真を撮っている様子はない。

この冒頭から、ここに至るまでの彼女の感覚的、感性的な世界の軌跡を密やかに綴ってゆく映画だ。
アーバスの伝記ではなく、彼女に対するオマージュが描かれる。まさに、、、。

そうだろうと思う。これはどう見てもフィクションであり彼女の趣向からディープにイメージした世界だ。
彼女の住むアパートの構造がちょっとホラー的でもある。
配色、色構成がよく練られており、家具や小物に至るまで計算された統一感がありセンスを感じるが、結構、怖さもある。
配水管が詰まり、その原因が大量の人毛であったり、、、その訳は後に分かるが。

DIANE ARBUS007

裕福なユダヤ系の家に生まれ父は毛皮専門の業者を営む。
若くして結婚したファッション写真家である夫の助手をしていた彼女であったが、、、娘も2人いる。
着る服も窮屈で地味、清楚で控え目と謂うより抑圧されて自分の個性も能力も発揮できない生活を送っていた。
夫はそれなりに優しいが、娘は母を突き放した目で見ている。
そこへある日、上の階に引っ越してきた異形の男にアーバスは無性に惹かれる。

彼に会う口実に、夫から勧められていた写真を撮ってみると謂い自分のカメラを掲げて出掛ける。
隣人の写真を撮ることにした、と。
彼女にとってこの時点で冒険の始まりである。このアパートは明らかにそうした構造をもっていた。
上の階の多毛症の男は謎に包まれ神秘的でありアーバスの琴線に触れる存在であった。

ただ彼女は実際には、ほとんどシャッターなど押していない。
とは言え、娘たちが彼女が花瓶に隠していた大量のフィルムを黙って父に渡してしまうところがある。
押収したフィルムを現像すると人は全く写っておらず、ドアとか壁などであった。

DIANE ARBUS008

どうもこの家は彼女にとり居心地が悪いことがひしひしと伝わって来る。
両親とは、思想・信条と謂うより前に気質的に合わない、その印象が強い。
夫と娘2人対妻(母)であるアーバスという関係になっていて、彼女は変わりモノ扱いをされている。
そのなかで、なるべく事を起こさぬように自ら小さくなって主婦業と夫の手伝いをしてきた。
流れや内容を象徴的な絵で示唆するシーンが見受けられる。
この手法に拘る監督だ。音楽との絡みも良い。

DIANE ARBUS010

しかし異形のモノとの関りを通し、彼女のこころは解放に向かう。
解放されてゆくに従いアーバスの表情や化粧、ファッションも華やかになってゆく。不眠も治って行く。
家庭の役目~子育てなどは、御座なりになり、外にばかり出てゆくようになるが彼女に歯止めは効かない。
多毛症の彼が肺が悪く余命幾許もないことを知り、一緒に海に出掛ける。
ここでの別れの情景は美しい。
彼は独り沖に向って泳いで逝き、波の間に姿を消した。
波打ち際での別れである。ここは映画史に残る美しい喪失かも知れない。
(その前のライオネルの全身の毛を剃るところは今一つ生理的について行けなかったが、中からロバート.ダウニー.Jrが出てきたところはお伽噺みたいであった)。

異形のモノとフェティシズム
これに触れ深く関わることで、自身を見出してゆく。
覚醒して行くのだろうが、、、

DIANE ARBUS009

しかし実際の彼女はフリークスの写真を撮って、世間から注目を浴びるにつれ精神に変調を起こし、とてもキツイ状態に陥って行く。
40代で結局バスタブで自殺することになる。
単に解放されていったという訳ではない。

映画では、遂にヌーディストたちの施設で自らも裸になって人々に接していたが、、、。

Diane Arbus004

アーバスが写真を撮って行く実際の制作現場の様子などが全くないというのも面白い切り取り方だと思う。
敢えてそういうシーンは外したことは分かるが。
わたしは、撮っている姿もあってよいとは思うが、、、。
実際のアーバスのものとそっくりのカメラである。
これは使った方が良いのでは。


ニコール・キッドマンが大変美しかった。他のニコールの映画よりも更に清楚で凛々しい。
ロバート・ダウニー.Jrの目の演技も際立っていた。








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