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GOMA28

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サラは走る

Sarah003.jpg

Sarah préfère la course
2013年
カナダ

クロエ・ロビショウ監督・脚本


ソフィー・デスマレー、、、サラ(大学の中距離走選手)
ジーン・セバスティン・クーチェスン、、、アントワーヌ
エレーヌ・フローラン、、、ゾーイ(親友の選手)
ミッチェライン・ラントット、、、サラの母


AmazonPrimeならではの作品。ここでなければ見つけることはまずない。
素敵な小品。

サラの目力が際立つ。
走る。
したいことは、これだけ。
シンプルで分かり易い。

映画は、スポコンでも何でもない。
邦画だとこの題材で行けば漏れなく涙あり笑いありのスポコンとなるか、、、根性とかいってウザいやつ。
このヒロインは、感情を表に出さず、暗めで重い。
だが陸上選手は、これくらいの方が向いている気がする。
冷静沈着な集中の上手そうな娘。
淡々と走りトップに出てゴールする。
有望なアスリート。

ケベック・シティに住むヒロインがモントリオールにある大学の陸上特別プログラムに招待されるところから始まる。
母は今一つ乗り気でないが、サラにとっては絶好のチャンスでありこころは決まっている。フランス語圏から英語圏への移動。
このサラという寡黙な少女、家に金がタンマリあれば何の問題もないが、実家の経済的余裕がない為、大学学費とアパート費用の捻出のため、バイト先の男性アントワーヌも仕事探しにモントリオールに出るつもりであったことから、彼とルームシェアすることに。
この件を娘の方から持ち掛ける。思いの他、目的の為なら積極性を発揮することが分かる。
そして車でモントリオールに向かう途上、彼から補助金を狙って偽装結婚の提案を出される。
この提案を聞いてから、サラが途中で胸を押さえて苦しそうにしていたのが気になった。
恐らくアントワーヌとの偽装結婚に対する精神的葛藤~ストレスが原因かと思われる。

結局、彼女はそれを承諾する。彼女にとり全ては走るためだ。その為の手段は択ばない、というより選ぶ余裕がない。
バイトが走る事に悪影響を及ぼすと考えたのだろう(大学に入ってから他の娘から割の良いバイト情報を収集し、ルームシェアしてくれる友達もそこで作ってはダメなのか、、、)。
ともかく彼女は、基本的に走る事だけしか頭にない(オリンピックで金を取るためとか、エグイことも言わない)。
潔い。愛していないとはっきり言える男とのルームシェアは問題ないものか、、、。

Sarah001.jpg

アントワーヌとのルームシェアを始めてから、親友となった選手のゾーイの家に行く。
見た感じ、こちらの方がサラにとり、しっくりゆくような安らぎ、落ち着きを感じる。
2人で寛いでベッドに寝そべっている姿が印象的。
その後、「カラオケ」パーティーに呼ばれてアントワーヌを伴ってゆく。
そこでゾーイの歌を聴きながら、また胸が痛くなり苦しむ。
どうやら、サラはこころの内奥に葛藤が生じるたびに心臓が痛くなるみたいだ。
(ストレスが心臓に来る)。
彼女にとり、アントワーヌとゾーイは特別にこころを深い所から揺さぶる何かであることは分かる。

病院では異常は認められず、更に精密検査を他の病院で受けるよう忠告される。
アントワーヌと本当に結ばれるような流れに一時なるも、それが上手くいかなかったことで完全に壁が出来る。
彼はサラのことを好きであり始めから本当に彼女と結婚するつもりで策を持ち掛けたのは分かるが、彼女はアントワーヌとは合わないことを身体的に決定的に気づいてしまう。
(彼女は、自分の率直な思いを一旦抑圧してしまうタイプなのかも知れない)。
完全に腑抜けみたいになっているサラを見てアントワーヌも決意する。
アントワーヌの方から離婚を申し出て、彼は故郷にまた戻って行く。

次の病院で48時間装着するように言われた心電計の電極を貼り付けてサラは走りに行くが、ジョーイに逢ってから電極を剥がし心電計もろともバッグにしまってしまう。
何と言うかここまでの流れで判断すると、彼女にとってアントワーヌは生理的~身体的に合わず一緒に暮らすのは無理な存在であったが、ゾーイはその点において自然に惹かれ心地よくなる存在のようだ。
幾つかの場面で、彼女はゾーイの仕草をじっと見て真似たりしている。口紅もひとつ失敬して試している。
これはある意味、彼女との同一化を図っていると謂って良い。

この映画は走る事より、寧ろ心臓の痛み~身体の悲鳴により共に過ごす相手を知ることを描いているようであった。
(心臓から自分の真意を確認する。こういったパタンは自分の感情を抑圧してしまうヒトに多いと思う)。
ゾーイと一緒に住み共に走れば、心臓の痛みはもう起きないのではないか。
きっと健康的で清々しい競技生活が送れるはず。
金策は別にする必要はあるにせよ。

但し最後の音楽は前途洋々とも受け取りにくいものであった。
走りながら少しまた胸を押さえていたのが気になる。


Sarah002.jpg

目の強い女優で、他の作品でも観てみたい。






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