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GOMA28

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さびしんぼう

sabisinbou005.jpg

1985年


大林宣彦 監督・脚本
剣持亘、内藤忠司 脚本

富田靖子、、、さびしんぼう、橘百合子
尾美としのり、、、井上ヒロキ
藤田弓子、、、井上タツ子(母)
小林稔侍、、、井上道了(父)
岸部一徳、、、吉田徹(理科の教員)
秋川リサ、、、大村カズコ(英語の教員)
浦辺粂子、、、井上フキ(祖母)


わたしは、これは初めて観た。
時をかける少女」は何度も観るくらい好きな映画であったが、、、。
「さびしんぼう」とは、大林監督の造語で大切にしていたことばだそうだ。

人に恋すると淋しくなる、、、ショパンの別れの曲、、、これはズルい。
お寺の息子というのもなかなか粋な設定である。
清楚で凛とした富田靖子の佇まいも素敵で、惹き込まれると同時に、さびしんぼうというオーバーオールの少女が現れ、これは何を示唆するイメージだろうと思っていると、何とヒロキ以外の人にも見える現実の存在なのだ、、、よく分からないこの子の存在にちょっと居心地が悪くなる。ヒロキにしか見えない内面のイメージならまだ分かるが。
他にも色々と登場人物に神経に障る者がいて、ストーリーにしんみり浸り難い映画だなあとおもいつつ観てゆくが、、、

sabisinbou004.jpg

終盤に判明する、母が昔好きだった人の名前~ヒロキを息子につけた。
勉強が出来てピアノが上手なその好きだった人のようにしたいがために息子に勉強とピアノ~ショパンをやらせようとしたようだ。
そして大掃除の時にアルバムから零れ落ちた母の16の頃~さびしんぼうの写真を見て、お母さんもこの頃、可愛かったんだね~
(母の17の時の写真も飛ばしてみようかと思った、、、だと?)。

これ程、気色悪い虫唾が走る関係性はない。間違いなく精神を病んで発狂している。
これに、いい噺だなあ~青春だな~母子愛だな~などと感動していられる神経と感覚は、全く信じられないものだ!
同じ地球人とは思えない。
言語道断!
受け付けない!

sabisinbou003.jpg

ヒロキはカメラのファインダー越しに彼女を眺める。
彼女(のイメージ)が自分の内面で熟成してゆく。
生身の彼女は当然、異なる存在~他者である。
彼がいつも見ていたピアノを弾いている横顔はヒロキのなかの彼女。
彼女は、ヒロキと別れる時に「私の顔のこちら側だけ見ていてください。反対の顔は見ないで」と伝える。
それ以外の(本当の)わたしには関わらないで。あなたの幻想のなかに完結してね。ということだ。
彼女は、それっきり別れることを決意していた。

sabisinbou002.jpg

しかしヒロキは父に風呂で謂われた、好きになった人の全てを愛しなさい、を忘れなかった。
彼はファインダー越しに膨らんだ幻想を捨て、本当の生身の彼女に向き合ったのだろう。
それで夫婦になったのだ。おまけに娘がピアノでショパンの別れの曲を弾いているではないか。
(うちの娘にも早くショパン弾かせたい)。
ピアノの上には、ヒロキがかつてプレゼントしたピアノのオルゴールが置かれていた。

噺がうますぎるが、ここはよく分かる(共感可能な)流れだ。

sabisinbou001.jpg

例の白塗りピエロのオーバーオールを着たさびしんぼうとは、何か?
やはりオカンの子供の時の思念がトリックスターのような形を得て出現したのか。
オカンがぶつとオカン自身が痛い。オカンそのものでもあるようだ。
このさびしんぼう、確かにトリックスター的なかき混ぜ方をしていたが、、、妙な方向性を持たせている。
(ホントのところ、何しに出て来たのか?物理法則を破って)。

16歳の時の写真から出現したため、明日誕生日を迎える自分は今夜消えなければならない。
雨の中(本体が写真であるため水に弱いのだが)、ヒロキの戻るのを石の階段で待ち、「ヒロキさん好き」って抱き着き消えてゆく。
ヒロキの精神は明らかに誘導される。
どうみても精神異常者の世界だ。
発狂した世界である。

この奇妙なオーバーオールのオカンの部分を完全カットして、ヒロキと百合子だけの繊細な恋の物語に閉じれば格調高い気持ちの良い映画になっていた。
どうしてもオーバーオールのピエロみたいな娘を出すのなら、ヒロキにしか見えない百合子のイメージで、彼の内奥の葛藤を表すものとすればよい。オカンの存在は全くいらない。オカン要素はぶった切って捨ててもらおう。
ミルクボーイだってそういうはず。
「オーバーオールのオカンは相当舐めたオカンで、そういうオカンに関わったらアカン言うとるねん」
(恐らく、、、(爆)。


ある意味、猛毒の振り撒かれたホラー映画であった。












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