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GOMA28

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いぬやしき

INUYASHIKI001.jpg

INUYASHIKI
2018年

佐藤信介 監督
橋本裕志 脚本
奥浩哉「いぬやしき」原作

木梨憲武、、、犬屋敷壱郎
佐藤健、、、獅子神皓
本郷奏多、、、安堂直行 (皓の親友)
二階堂ふみ、、、渡辺しおん (皓の恋人)
三吉彩花、、、犬屋敷麻理 (長女)
福崎那由他、、、犬屋敷剛史 (長男)
生瀬勝久、、、ミヤノ (TVアナウンサー)
濱田マリ、、、犬屋敷万理江 (妻)
斉藤由貴、、、獅子神優子 (皓の母)
伊勢谷友介、、、萩原刑事


「いぬやしき」は以前、第8巻までマンガで観ている。
しかし続きを買わずにそのまま時が過ぎてしまっていた。
ある程度の尺で連載されたものを一本の映画に落とし込むことは難しいと思う。
勿論、表現形式が異なるのだから、別の次元の作品である。
とは言え、ストーリー自体は原作に忠実に描くことは可能なものである。
ただし、何遍かに分けるのでない限り、ストーリー的にも何処かを大きく省略する必要はある。

INUYASHIKI003.jpg

オチを知らないままで映画を観たのだが、確かに途中の幾つもの噺が大きく省略はされているにせよ、ひとつの映画としてのまとまりはあったと思う。
肝心なVFXはまずまず。動画ならではの効果もよく出ていた。
主役二人の身体の変形に関してはギョッとする生々しさがあって成功している。
空中戦も不慣れな犬屋敷とメカを自分のものとしている獅子神の差が出ていてスリリングで愉しめた。
主要人物の人となりも充分描かれていて入り易い。
三吉彩花と本郷奏多の存在感もかなりのものであった。
渡辺しおんを二階堂ふみが演じていることは、暫くの間気づかなかった。

INUYASHIKI004.jpg

ともかく、人は機械に改造されるなどして、思わぬ能力を持ってしまうと、それを過剰に使って自己実現をしたくなることは分かる。
これは「透明人間」などの古典映画からしてみなそうだ。
人生の終焉を迎えようとしていた寄る辺なき孤独な初老の男と不遇と不条理に打ちのめされ鬱屈と憤りを溜めこんだ高校生が偶然ある時、異星人の事故に巻き込まれ機械に改造され翌朝、蘇る。だが、余計な機能(武器など)テンコ盛りにされての再生なのだ。
これは傍迷惑ではないか。普通の生活には戻れまい。
ひとつ、死にそうな生命を蘇らせる機能は、使いようでは有用であるが。こちらの方は映画では犬屋敷だけしか使わない(獅子神も母の膵臓癌は治すが)。

犬屋敷は誰からも疎まれる立場に甘んじていたが、人の難病を治すことで自尊心を取り戻し人生の再スタートに希望を持つ。
しかし獅子神は、自ら溜めこんだ社会への怨念を晴らす方向に進む。それは特定の恨みを抱く個人に向けてではなく、漠然と幸せそうな他者に向けたものとなる。幼い頃から獅子神に庇ってもらっていた親友でもある安堂も彼にはついて行けなくなる。
もはや無差別殺人犯なのだ。獅子神と同等の能力を持つ犬屋敷とのコンタクトに成功し彼に獅子神を止めてもらおうとする。

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犬屋敷壱郎と獅子神皓の対立となってしまったが、事の始まりは、獅子神が無関係な幸福そうな家族を惨殺してしまったことである。
これで後戻りが不可能となった。何故、こうした破滅的行為をとってしまったのか。もうこの時点で、運命は決まってしまう。
手当たり次第に周りの人間を殺戮して行く他に道はない。
獅子神も守るべき存在はいたのだが、その無慈悲な闘いの中で彼らを失ってゆく。たった一人の身内である癌を治した母もメディアやSNSに追い詰められ自殺する。
いつも高みの見物しながらSNS等で、他者~ターゲットに対して致命的な誹謗、中傷などの攻撃を面白半分で行っている輩が一斉に警察にマークされた獅子神に群がるが、メカの身体の彼にとっては端末など通さずに直ぐにその全文を読み、それらアカウント全てに向けモニタ越しに致命傷を与えることが出来る。携帯画面やパソコン画面、ネットに繋がるパネルを見ている者は皆、惨殺されるのだ。
ここはいい気味であるが、これによってどんどん彼は追い詰められる。虚無の淵に囚われてゆく、、、。

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犬屋敷壱郎と獅子神皓の闘い~決戦は避けられない。
ここに娘の麻理の命が絡む。
最終決戦は、かなりの熱量であった。
圧倒的に獅子神の方が優勢に闘いを進める中、娘が死なないか観ている方が心配であったが、火事場の馬鹿力か何とか犬屋敷はわが娘を助ける。ここは結構、ハラハラさせられた。
娘は馬鹿にしきっていた父親のあらぬ姿に唖然としつつ、手を差し伸べ「おようさん!」と何度も叫び縋ろうとする。

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結局、獅子神は娘を助けたい一心の犬屋敷に破壊されたのだが、現場には未知の金属片が残されていただけであり、獅子神を特定するものは無かったという。
犬屋敷家には日常が戻り、あれほどの重傷を負っていた麻理も父の能力ですっかり治っていた。
家族は相変わらずだが、父と娘の関係は変容したはず。

安堂の部屋に忽然と獅子神が現れ、安堂が戸惑いながらも新作ゲームを紹介しようとパソコンに向かっているほんの一瞬に彼は消えていた。
獅子神が蘇ったのかどうか、定かではない。
よいエンディングだと思う。


映画として原作を気にしなければ、よく出来ていると思う。










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