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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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It Comes

It Comes
2018年


中島哲也 監督・脚本
岩井秀人、門間宣裕 脚本
澤村伊智「ぼぎわんが、来る」原作

岡田准一、、、野崎和浩(オカルト・ライター)
黒木華、、、田原香奈(秀樹の妻、知紗の母)
小松菜奈、、、比嘉真琴(霊媒師、キャバ嬢)
松たか子、、、比嘉琴子(真琴の姉、最強の霊媒師)
妻夫木聡、、、田原秀樹(香奈の夫、知紗の父、月島製菓のサラリーマン)
青木崇高、、、津田大吾(民俗学准教授)
柴田理恵、、、逢坂セツ子(高名な霊媒師)
志田愛珠、、、田原知紗(田原夫妻の娘、あちらと繋がっている)
太賀、、、高梨重明(田原の会社の同僚)
石田えり、、、秀樹の母
高橋ユウ、、、綾 (野崎の彼女)
伊集院光、、、店長(香奈の勤めるスーパー)
蜷川みほ、、、香奈の母
上原実矩、、、巫女
中川江奈、、、少女(幼少時に秀樹をあちらに誘った失踪した少女)
吉田妙子、、、ユタ(沖縄から呼ばれた巫女)


迫り来る”あれ”が全く何であるのか分からない。
「原作」では、はっきり分かるようなのだが、映画は大きく作り変えているらしい。
最後までその実体は映像化もされないまま。
その被害状況~死者からその凶暴さと破壊力は窺えるというもの。
かえって清々しい。元々目に見えない方がそれらしい。

終盤、悪霊祓いの儀式がマンション前の児童公園をフルに使って盛大に行われている。
日本中の宗派が集まったのか、という感じの破格のお祭り騒ぎになる。
ここは、とっても楽しくワクワクする。
やはりお祓いはここまでやらなくては、、、。
比嘉琴子のネットワークは素晴らしく、お祓い関係の日本中の実力者と政財界の要人とも太いパイプで繋がっており、超法規的な措置もとれるようだ。警察がマンションの住人を皆避難させている。
ここが呪術の国でもある側面が窺える、、、”お山”の存在である。今度「陰陽師」でも観ようか。

It Comes001

この映画はストーリーはとてもストレートで、見どころは何と言っても大変個性的な登場人物を追うところにある。

田原秀樹は確かに一言で謂えば「うそつき」である。人に見られる自分だけを取り繕う。どんなに家の中が悲惨でボロボロの状態であってもブログには幸せ一杯の家族をただ描き続ける。自分が娘の知紗を試行錯誤しつつ精一杯育てていることを書いているが、実際は娘はほったらかしで、妻一人に押し付けている。表面的に調子のよいだけの軽薄な人で全く当てにならない。こういう人は結構いて、わたしも何人も見て来た。

It Comes006

妻の香奈はいよいよやっていけなくなる。更にマンションの部屋にポルターガイスト現象まで発生し始める。誰にも頼れず、親切にしてくれる夫の友人津田大吾に惹かれてゆく。
そして秀樹が”あれ”に殺されると”、心底ホッとするが、シングルマザーとしてまたスーパー店員に戻らなければならない。
過酷な生活の中で、彼女は娘に当たってしまう。自分が絶対になりたくないと誓った母親みたいな毒親に変貌して行く自分に唖然とする(母もシングルマザーで娘を邪険に扱ってきた同じ構図となっている)。毒親になる要素を持っていても生活環境が恵まれていれば、ならずに済む場合も少なくない。だが、ここでは知紗をネグレクトすることに繋がり明らかに愛着関係の取り結びに失敗する。あからさまに母親の怨念の姿を借りたあれに襲われ、彼女もトイレで絶命する。

It Comes004

比嘉琴子と逢坂セツ子がやたらとカッコよい。
この映画そのものが、アニメ調の出来であるが2人はそれを象徴するような存在だ。
一口で謂えば、面白カッコよいという感じ。
特に琴子の常に冷静沈着で明晰で淡々とした性格が最もよく出ていたところがラーメンを食べているシーンであった。
あんな風にラーメンを食べる女性は、他には恐らく市川紗耶さんくらいではないか。雑念の無いシンプルな正しい食べ方なのだ。

比嘉真琴はそのハイパーな容姿から超能力めいた力を持つスーパーガールをイメージしてしまったが、霊感の鋭いとても普通の人である。子供好きで知紗もよく懐き、良くも悪くも真っ当な感覚の人で姉と対照的であった。
野崎和浩は闇を抱えていることが分かるが、地味であった。演技も演出上もとても抑えられていて、やさぐれていて良い味は出ていたが。
もうちょっとビビットな要素も欲しい。
最初の犠牲者となった秀樹の会社の同僚高梨のハイテンションからおどろおどろしい暗さへの変貌は、この物語の不吉さを充分に演出する導入になっていた。

It Comes003

ニヒリストの津田大吾も殺され、逢坂セツ子も腕を失いながらも最終決戦に果敢に参戦するが殺される。
琴子が日本各地から呼び寄せた霊媒師やら祈祷師たち(所謂神職)も”あれ”に殲滅された。
この噺、余りに多くの人間が死ぬ。
映画的に言って主要人物のほとんどが死に絶える。
自分が死んだことに気づかない秀樹が霊のまま相変わらず育児ブログを更新していたのは笑うに笑えないところだが、、、。

ガールズ・ステップ」の上原実矩が巫女でちょいと出ていた。
「呼ばれてしもてん。私、悪い子やから。寝てると、力いっぱい引っ張られて」と謂い”お山”に呼ばれていった少女も印象的である。
「秀樹も呼ばれるで。だって、あんた、嘘つきやから」幼少時代に謂われたことは、結構人生を左右することがある。
この子の名前を秀樹は忘れていたが、”チサ”であった。もう彼は逃れられぬ運命であったのだ。しかし周りの巻き込み方も凄まじい。

It Comes002

最後に、残ったのは、野崎和浩と比嘉真琴と”あれ”を呼び込んだ田原知紗の3人のようであったが、比嘉琴子はどうなったのか分からない。原作はともかく、この映画の流れであれば、続編は是非作って貰いたい。
知紗があちら”お山”と完全に切れたかどうかは分からないし、琴子の能力なら今回のあれを退治して健在でいるのでは。
ともかく、この世の存在で、あちらに呼ばれない人は恐らくいないであろうから。
きっと知紗をキイパーソンにして、また凄い勢いでやって来る。死が。

真琴の膝でスヤスヤ眠る知紗は「オムライスの国の夢」を見ていた。










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