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GOMA28

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月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術

Le voyage extraordinaire001

Le voyage extraordinaire
2011年
フランス

セルジュ・ブロンベルグ監督
セルジュ・ブロンベルグ、エリック・ランジュ脚本

ブルーノ・アレクシウ音楽

コスタ=ガヴラス
ジャン=ピエール・ジュネ
ミシェル・ゴンドリー
ミシェル・アザナヴィシウス
トム・ハンクス
以上、インタビュー等で出演


主にメリエスの「月世界旅行」(1902年)のカラー版の修復を巡るドキュメンタリー。
このメリエスの作品自体は、1秒16フレームの14分のものである。原作はジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』。
更にH・G・ウェルズの『月世界最初の人間』からも取り入れられている。
まさに奇想天外なストーリーと斬新なVFXによって作られた最初のSF映画だ。

ヒューゴの不思議な発明」にも出て来たメリエスその人の伝記でもある。ヒューゴ~は重厚な物語となっているが。

Le voyage extraordinaire002

最初に復刻されたメリエスの「月世界旅行」のカラー版を何となく見る。
これだけいきなり見ると、何とも言えないコメディ調で現実離れした色彩に彩られたファンタジーにちょっと面食らう。
しかしその後のメリエスの波乱に満ちた半生に触れ、殆どのフィルムが消失したところで漸く探し出した「月世界旅行」の絶望的なまでに痛んだフィルムを20年の歳月を費やしその道の優秀な専門家が集結して修復した経緯を観た後に、再び見る「月世界旅行」の重さは計り知れない。
見れば見る程、不思議な世界だ。不条理だが豊かな夢のなかにいるかのよう。
確かに惹かれるものがある、、、。
飽くまでも前提として、美しい画面で見ることが出来たからである。

よく、あの酷い状態~劣化と謂うより破損・欠落状態~のものをここまで綺麗に修復したものだ。
メリエスの当時もフィルムの一コマ一コマに職人芸で色を塗る途方もない労力と技術により作っていたものだが、激しく痛んだフィルムを修復することは最新テクノロジーを駆使しても大変な労力を要した。
テクノロジーの進化は本当に素晴らしいが、やはりそれをベストな調整の下に使い熟す人間のセンスと熟練がものを言う。
大変な遺産のデジタル修復により、今後傷み、劣化を気にすることが無くなった功績も途轍もなく大きい。

しかし、音楽は頂けない。この部分は(元々無声映画であるし)後でどうにでもなるだろうが。
エールというフランスのエレクトロニカ・バンドが付けた音は全く世界観にそぐわぬ悪趣味の最低の音楽であった。
違和感タップリであり、これは即刻、付け直してもらいたい。

Le voyage extraordinaire003

想像を膨らませて世界を生成する歓びをたっぷりと味わった人であると思う。
科学がそれに追いつき追い越してしまった、みたいなことを言っていたが、それはまた別事である。
今でも妖精や妖怪はしっかりと彼らの場所を持っているし、科学も思想のひとつに過ぎない。
何より自分の豊かなイマジネーションを世界で初めて動画によって描いて魅せたことが大きい。
人々もそれに瞠目し惜しみない賞賛を送ったことで彼の思いは一旦は遂げられたと謂える。

しかし、映画自体が盛んとなり、産業化することで、効率的生産が最優先となる。
当初の時間をたっぷり取った趣味的なイマジネーションの具現化が市場を前にして形骸化してゆく過程を見ることとなる。
しかもまだ、著作権の概念もなく質の落ちる盗作が世界中に蔓延り、オリジナルフィルムも盗まれ、そうこうするうちにメリエス的世界観が人々に飽きられてしまったことが、彼に取り打撃であった。勿論その間の戦争による影響は大だ。
この辺から後は、「ヒューゴの不思議な発明」をこそ観た方が良いかも知れない。









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