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GOMA28

Author:GOMA28
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幸福

Le Bonheur005

Le Bonheur
1964年
フランス

アニエス・ヴァルダ監督・脚本
ジャン=ミシェル・デュファイ音楽


ジャン・クロード・ドルオー、、、フランシス(夫)
クレール・ドルオー、、、テレーゼ(妻)
マリー・フランス・ボワイエ、、、エミリー(愛人~妻)
サンドリーヌ・ドルオー、、、ジズー(長女)
オリヴィエ・ドルオー、、、ピエロ(長男)


「ヌーヴェルヴァーグの祖母」アニエス・ヴァルダの作品を初めて観た。
平穏に暮らす4人家族の満ち足りた時間が流れる。
田園風景が印象派の絵画のように柔らかく、明るく穏やかである。
しかし、人はそんななかに過剰を求める。それとも何らかの喪失が根底にあっての事か、、、。
夫は別の女性に心惹かれる。
恐らくファースト・インプレッションで、お互いに惹かれ合ったのだろう。
直ぐに意気投合して恋人同士になる。
暫くは、2人とも誰にもそれを喋らずにいたが、男の方がこともあろうに妻に愛人が出来た事を喋ってしまう。
嘘がつけない性格だからと。

Le Bonheur003

可愛い幼い子供が二人いることを忘れている。
妻との仲も大変良いのだし、子育ても順調でこれだけ家庭が安定していたら、これを壊すようなことは極力したくはないものではないか。
他に目移りしようが、現実的に考え所謂、浮気としてその件は、ひた隠しにした方がリスクマネージメント上安全である。
(好きになってしまったからには、もうそれ以前には戻れない。今後について真剣に考え手を打つしかない)。
嘘をつくのが嫌いと言っても、妻を愛しているのだから、もう一人好きな人が出来たからと言って、わざわざそれを本人に伝える必要はあるまい。自分の気持ちだけではなく、彼女のこころに対する想像力を働かせる必要がある。

相手の彼女は、最初から彼が所帯持ちであることを知っており、その立場で付き合う覚悟でいる。
とは言え、彼の奥さんに嫉妬はしており、彼との時間を多く持ちたいとは願っているようだ。
(ここには後の危険因子は潜んでいよう)。

Le Bonheur001

いつものように休日に森にピクニックに行ったところで、子供二人がテントで眠静まった時に、実は、、、という感じで夫はホントに喋ってしまう。
妻は、勿論驚くが、君の事はとても愛しているが、向こうの事も愛しているんだとあっけらかんと言う。
離婚などする気は全くなく、今まで通りやっていくが、向こうとも上手くやってゆきたいと、、、。
これがもしかしたら、この男の良い所かも知れないが、妻にとっては青天の霹靂に違いない。
夫のどちらとも上手くやって行けるという理屈を呆気にとられながらも受け容れ、取り敢えず納得したような妻であった。

ここで取っ組み合いの喧嘩をするくらいが良かったように思うが。
この妻は大変真面目で献身的な人であるが、繊細で内向的な面を強く感じる。
長女が目を覚ますと、妻がいない。
子供二人と妻を森の中を探して歩く。
だんだん尋常ではない胸騒ぎを覚え、森に和む人々に片っ端から「ブロンドの青いドレスの女性」を聞いて彷徨う。

Le Bonheur002

森の湖畔で異変に気付く。
子供を置いて、そこに駆けつけると、変わり果てた妻の横たわる姿が。
全て納得され、また平穏な時間が流れ始めたと思ったのも束の間。
妻はまず夫の言葉を呑み込んで、静かに反芻していたのだろう。
子供たちと夫が居眠りをしている最中に彼女は起き出し、森で出逢った人によると、花を抱いて歩いていたという。

一端、子供たちは兄夫婦に預けられることとなったが、愛人の彼女が奥さんの座に就き、これまでのように二人の子供の世話をやき、休日には森にこれまでとほぼ同様の形でピクニックに出掛けていた。
子供たちも幼いせいか直ぐに彼女に懐き、ママではなくエミリーと名で呼んではいるが、単に表向きは女性が入れ替わっただけの構図に窺える。


淡々とその後も同じ明るさで描かれてゆくが、、、。
男は、表向きはこれまでと変わりなく生活をしているように見えて、大きな喪失感を抱きつつ生きているには違いない。

Le Bonheur004

成程、アニエス・ヴァルダ、、、。
本当にシンプルに無駄なく絞り込んで描く。
彼女自身(人となり)を「顔たち、ところどころ」でじっくり見た後の為、とても感慨深いものがある。
他の作品も観てみたい。







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