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GOMA28

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顔たち、ところどころ

Visages Villages004

Visages Villages
2017年
フランス

アニエス・ヴァルダ、JR監督・製作
アニエス・ヴァルダ脚本
マチュー・シェディッド音楽


アニエス・ヴァルダ(映画監督)
JR(写真アーティスト)


Visages Villages006

これほどお洒落なペアのドキュメンタリー映画は初めて観た。
巨大ポートレートを壁に貼るアーティストのJRという人は初めて知った。
(JRという~ポピュラー過ぎる~響きは、日本においてはちょっとNGかも知れないが)。
この人もサングラスを外さない匿名性の高い芸術家のようだ。
バンクシーみたいな直截的で強烈な政治性はないが。
(常に壁面を探している。それは不可避的に政治性は帯びるが、バンクシーが夜中にやる作業を彼は真昼に衆目の下で行う)。
バンクシーの孤独さ孤高さとは大きく異なり、人々との直接的な関係性は実に濃い。
それにより彼らとの間に作られる場に想像力が羽ばたく。
訪れた土地で必ず人々と打ち解け親密になる。
「芸術の力を感じる」撮られて貼られた労働者が呟いて去ってゆく、、、、。

Visages Villages005


アニエス・ヴァルダは数々の賞を受賞している「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と称えられる監督であり、映画に携わる前は写真家であった。
わたしも以前から彼女の「5時から7時までのクレオ」を観てみたいと思いつつまだそのままでいる。
この映画で見るととてもお茶目で可愛らしい人である。
映画の共作は初めてのようだ。ここでは語り部も受け持つ。
2019年に亡くなっており、本作が最後の監督を務めた映画となる。
終始、JRと仲良く田舎の旅を満喫するが、サングラスをかけていることに時折苛立つ。
(やはりJRと旅というのがわたし的に変に引っかかる(爆)。

Visages Villages008
Visages Villages009

JRの後ろが写真ブースになっているクールな車がとても素敵。
この車に二人で乗りそこらじゅうを回ってその土地の人々の写真(顔写真)を撮る。
直ぐに車のボディからペロンと巨大な写真がプリントアウトされ、糊で壁に貼り付けてゆく。
壁なのだ。
「壁」
この写真を貼るべく存在する壁がある。
最初からこの絵があった壁になる。
違和感など全くないのだ、、、。

Visages Villages002

凹凸でゴツゴツな壁に貼られた巨大なモニュメンタルな写真は、途轍もなく偉大なものに思われた。
瞬時に撮られた写真の、時間の畳み込まれようが尋常ではない。
そして、列車に貼られた巨大な目は行く先々で物語を生んで行くのだろう。
(場所を横断する壁である)。

Visages Villages001

映画では短時間に編集されているが、巨大な写真を凸凹な壁面に貼る作業は、かなり大変だと思う。
撮る~プリントアウトの方がよほど楽に思える(実際楽だ)。
彼の万能カーが自動でやってくれるし。
このボディそのものがカメラの形をした車、特注物であることは分かるが、凄い。
特に欲しいとは思わないが。
わたしには、「壁」が探せない。探せたとしても高いところに登って糊で貼り付け作業が出来るとは思えない。
もし貰ったとしても宝の持ち腐れになる(笑。

Visages Villages003

33歳のJRと88歳のアニエス・ヴァルダの凸凹コンビの旅である。
村人からどういう出会いなんだい?なんて聞かれたりする(笑。
親子ほどの歳の差で興味も沸くか。
「人に出逢うとこれが最後といつも思う」とアニエスは言う。
一期一会である。
確かに生涯に一度しかない機会ととらえ人に相対することをこの二人旅でしているのだ。

Visages Villages007

センスが良い。
絵~フレーミングのセンス、音楽にしても、田園や廃墟に良くマッチする。
特にロケーション。その美しさ。フランスの田舎とはこうも素敵なのか、、、。

海辺に落下したドイツ軍が作ったトーチカに写真を貼った翌日見に来るとそれは綺麗に剥ぎ取られていた。
「海の仕事は早い」、、、「写真は消えた。わたしたちも消える」、、、確かに。
自然に晒された壁面においては、絵にせよ貼り付けた写真にせよ、消え去るまでの時間は短い。
無常で、趣深い。

2人は彼女の旧友ゴダールに電車で逢いに行く。しかし彼は彼らが来るのを知っていて家を留守にする。
「コートダジュールの方へ」(彼女の2作目の映画)と入り口に彼の筆跡でメッセージ~謎かけが記してあった。
彼女はその仕打ちに腹を立て情けなくなる。
わざわざ会いに来たのに結局、逢えなかった。
近くの湖のほとりで落ち込むアニエスに、JRはサングラスを初めて外して慰める。


その後ろ姿がイラストへと変わり、エンドロールとセンスの良い音楽が流れてゆく。

これは、環境ビデオにもよい。







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