プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
必ずパソコン画面(PCビュー)でご覧ください。


*当サイトはリンクフリーです。

PICKUP
パラサイト 半地下の家族 -2
パラサイト 半地下の家族 -1
ヘンリー・ムーア~彫刻に見る普遍性
911爆破の証拠―専門家は語る 前
9/11:爆破の証拠 - 専門家は語る 後
アポロ 11
シャチ~優しい殺し屋~
ハイヒール
お嬢さん
とうもろこしの島
セールスマン
トラピスト1に寄せて
「労働疎外より人間疎外」によせて
カッシーニ グランドフィナーレ
カッシーニ グランドフィナーレⅡ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
スノーデン
レヴェナント: 蘇えりし者
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
写真についてーⅡ
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
カレンダー
07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

ピグマリオン

Pygmalion004.jpg

Pygmalion
1938年
イギリス

アンソニー・アスキス、レスリー・ハワード監督
ジョージ・バーナード・ショー、W・P・リップスコーム、セシル・ルイス脚本
ジョージ・バーナード・ショー『ピグマリオン』原作
デヴィッド・リーン編集

レスリー・ハワード、、、ヘンリー・ヒギンズ教授(言語学者、音声学者)
ウェンディ・ヒラー、、、イライザ・ドゥーリトル(花売り娘)
ウィルフリッド・ローソン、、、アルフレッド・ドゥーリトル(イライザの父)
メアリー・ローア、、、ヒギンズ夫人(ヒギンズ教授の母)
スコット・サンダーランド、、、ジョージ・ピカリング大佐(言語学者)
ジーン・キャデル、、、ピアス夫人(ヒギンズ家の家政婦)


大ヒットミュージカル『マイ・フェア・レディ』の原作みたいなもの。

ピグマリオン、、、有名なギリシャ神話にある。現実の女性に失望したピグマリオンが、理想の女性像を彫刻に彫り上げる。
その女性ガラテアに恋をしてしまい、彼はその恋焦がれる像の前で次第に衰弱して行く。それを見かねたアフロディーテが彼女を人間にし、めでたくピグマリオンとガラテアは結ばれる。このテーマの絵も多い。とても甘味で優美な作品が目立つ。芸術的なテーマというより、芸術そのものの根源的な動機にすら思える。わたしはとても自然な共感を持つが。
ヴィリエ・ド・リラダンの「未来のイヴ」もこのピグマリオンが下敷きになっている。
ヴィーナスと謂って良いほどの美貌に恵まれながらも知性の欠如を窺わせるアリシヤという歌姫に恋をしながらも苦悩する青年貴族エワルド。彼の為にエディソン博士がアンドロイドのハダリーを創造する噺であった、、、。
確かに美貌と知性と才能のある、いくちゃんのような人はそうはいまい(時折いるが、、、)。それでアンドロイドを作ってしまえ、というのは永遠のロマンかも知れない。とても香しいロマンだ、、、。
その他にピグマリオン効果という、人に期待されると対象(人でも動物でも)がその通りの成果をあげてしまうという怪しい(教育)心理学も聞くが、どうでもよい。

Pygmalion001.jpg

この映画、原作者であるバーナード・ショーが脚本で参加している。
ということは原作者自身、こう持って行きたかったのか、、、。
それから何と、デヴィッド・リーン監督が編集をなさっているではないか!
凄い映画なのだ、、、きっと(笑。
確かにストーリーに無駄がない。古さも殊更感じさせない。
セットもとてもシックな調度も整えられてセンスの良い舞台である。


上手くまとめられた面白いコメディ映画であった。
ヘンリー・ヒギンズ教授に何にでも染まる人形として下町の花売りイライザが拾われ、やはり言語学の権威ジョージ・ピカリング大佐も加わり、彼女を半年で一流の淑女に仕立て上げてみせようという御話。
猛特訓で言葉~発音・リズムは綺麗になるが、噺の内容が伴わない。
それは仕方ない。教養そのものがないのだ。
しかし、人としての知恵や感情は真っ当である。
寧ろその点(基本的な人格)では、教授の方が壊れている。

Pygmalion003.png

トランシルヴァニア大使のレセプションに焦点を合わせ、それに向けて再度特訓をする。
合わせてファッション、美容などの点でも磨いて行く。
言葉と外見が伴えば、パーティーにおいては問題ない。
彼女は大使の息子の使命でダンスの相手にも選ばれる。
学者2人と彼女の大勝利である。
周囲の人間で彼女がコックニーであったことを見破れた者は一人もいなかった。
ヒギンズ教授の教え子の言語学者すらも、彼女はその正確すぎる英語から察するにポーランドの王族(王女)が身分を隠しているのであろうと言っている始末。

これだけの事をやり遂げたのに、教授からは何の労いの言葉もない。
当然、彼女は腹を立てる。そして出てゆく。
これで、教授は彼女の事が好きになっていた自分に気づく。
彼女を大佐と一緒に探し回るが見つからない。
しかし彼女は教授の母の家に身を隠していた。

Pygmalion002.jpeg

この時代のイギリス紳士のプライドなのかどうなのか。
教授は彼女に好きだとは、口に出さない。
飽くまでも突っ張る。
態度には、もうあからさまにでてしまっているのだが、素直には謂えない。
彼女は巧みに距離感を調整するのだが、、、。
映画のラストにやっと謂う(笑。
そういう”ピグマリオン”になっていた。

階級を表象するのは言葉と身なりと謂えるか。


主演の2人はとても芸達者であった。
レスリー・ハワードのロイド眼鏡が彼の人格すらも表すほどにピッタリと似合っていた。
ポール・デルヴォーの絵に登場する博士にそっくりである。
ウェンディ・ヒラーは如何にも正統なイギリス貴婦人という風情であり、花売りとの演じ分けは見事であった。









関連記事

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

SF PickUp