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GOMA28

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ガザの美容室

Degrade001.jpg

Degrade
2015年
パレスチナ・フランス・カタール

タルザン&アラブ・ナサール監督・脚本

ヒアム・アッバス、、、エフィティカール(離婚調停中の主婦)
ヴィクトリア・バリツカ、、、クリスティン(美容室経営者)
マイサ・アブドゥ・エルハディ、、、ウィダド(美容室店員~アシスタント?)
ミルナ・サカラ、、、ゼイナブ(ムスリム)
ダイナ・シバー、、、サルマ(結婚式準備に来た花嫁)
サミラ・アル・アシーラ、、、ファティマ(妊婦)
マナル・アワド、、、サフィア(薬物依存者)


監督さんは双子らしい。だが、映画情報はそれくらいだ(爆。
「堕落」、、、「ガザの美容室」というのも良いと思う。

” Gaza”と聞くと直ぐに思い浮かべるのが『ガザに盲いて』Aldous Leonard Huxleyの小説だ。
わたしは彼の『知覚の扉』を高校時代に読んでかなりのインパクトを受けた。この”The Doors of Perception”から例の稀代のカリスマ、ジム・モリソン率いるドアーズが生まれたことは有名。

そう、ロックバンドで、Eyeless in Gaza(そのままのグループ名)はとても好きなポストパンク(嫌いな言葉だがネオアコの一派とも目されている)アーティストだ。
The Smithsあたりと同格のグループだと思っている。
そう、ちょっとその後出たBelle and Sebastianとも匂いが似ているではないか。

『ガザに盲いて』は持っているはずなので、明日探し出して読もうと思う。
最初に読んだのが、早すぎた気がする、、、。

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何とも言えない女性ばかりが出ている。出て来るのではなく最初から美容院の空間に暑そうにしてイラついている。
確か、女性だけで13人いたか、、、。店員は2人で、、、最初から無理がある。煮詰まるのは見えているではないか。
まあ、日本にもアメリカにも中国にもいるであろう、普通の逞しくて自己中で下品な婦人が(皆そうとは謂わぬが)美容室で、愚にも付かない四方山話をずっとグダグダ続けている。
わたしはこうした空間には5分もいられない。地獄だ。
一番理性的に見える店長さんがロシア人移民であるのも印象的だった。
それから前の舗道にライオンの雌がペットみたいに寝そべっていたのも異様な光景であった(美容院の店員の旦那の飼っているものらしい。よく分からないが)。

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客も客だが、店員も仕事途中でもお構いなく私用の電話を何回でもするし、客の一人がいみじくも言っていたが、まさにカタツムリよりも仕事が遅い。このペースで、こんな大勢の客をどう捌くつもりなのか、とこちらも途方に暮れる(笑。
鋏だって使うのにしょっちゅうよそ見をしているのだ。これでは待ってる方はイライラしてもおかしくないが、客もしょうもない噺をしたり喧嘩をしたりで、、、その上、暑い中送電を止められ店内は真っ暗、扇風機も使えなくなる。発電機を使おうにもガソリンが切れてしまっている。買おうにも国境封鎖で入ってこない始末。
美容院内のエントロピーは増大するばかり。
トマス・ピンチョンの短編小説にこの手のものがあった。

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そして何と、美容院の前の通りで普通に激しい銃撃戦が勃発する。
ここは、今現在の日本では考えられない事態だ。
しかしこのご婦人たちにとっては日常の内らしい。生活の一コマなのだ。
そう、戦争とは言っても生活をしなければならないのだ。美容は女性にとって最も重要事項なのだ。これだけは何があろうが譲れない。そしてお喋りも日常を形作る要素だろう。
日常と謂っても、産気付いた妊婦さえいるのだ。何でこんなにお腹の大きい人(臨月であろう)が美容院に来ているのかとは最初に訝ったが。
お祈りの時間になり、平然とお祈りを始める人~ムスリムもいる。
店自体が揺らぐほど、とても激しい銃撃戦で、少しでも角度が店に向けられたらどうなるのだろう、と見ていてドキドキもするくらいだ。
外では「殲滅しろ」とか「皆銃殺しろ」などの叫び~指令が断片的に紛れ込む。
早く迎えに来なさいよ、とか携帯で催促する人もいるが、ちょっと無理とか言われブツブツ文句を言ってもどこか落ち着いてる。
諦観もあるのか、麻痺しているのか、適応と呼ぶものか。いや抵抗、、、どれもあるように思う。
日常的にイスラエルとハマスが市民を巻き込む殺戮を繰り返していることが分かる。

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他の国々の日常の異質さに改めて想いを馳せる機会には充分なるものだ。
われわれの日常を相対化する意味でも見る価値はあるか。
そして自分たちの生活~日常をどんなかたちでも生きようする婦人たちの逞しさ、強かさの部分だけが最後に印象として残った。
(美容院でのお喋りこそ、ここにあっての彼女らの抵抗なのか)。

ヒアム・アッバスは『ブレードランナー 2049』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)にも出演している世界的な女優だ。
(今、気づいた)。








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