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GOMA28

Author:GOMA28
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早熟のアイオワ

The Poker House001

The Poker House
2008年
アメリカ

ロリ・ペティ監督・脚本

ジェニファー・ローレンス、、、アグネス (14歳、長女)
ソフィア・ベアリー、、、ビー (次女)
クロエ・グレース・モレッツ、、、キャミー (三女)
ボキーム・ウッドバイン、、、デュバル (客引き)
セルマ・ブレア、、、サラ (3姉妹の母、売春婦)
デヴィッド・アラン・グリア、、、スタイミー (耳の遠いバーの常連、キャミーの隣席にいる)
 

監督自身の実話であるそうだ。壮絶な半生である。

アイオワ州の小さな町が舞台。
ポーカーハウスと呼ばれる売春宿に暮らす売春婦の母とその娘たち。
母は全く保護能力なし、悪態をつき客を取っていないときは薬をやっているだけの毒親。
牧師の父がいたが、暴力を日常的に娘たちにふるっており、彼女らは警察に保護され、父と離れると同時に神からも離れる。
だが、ポーカーハウスが実家という最悪の環境では、勉強も落ち着いて出来ない。

The Poker House003

この成育環境で人の出入りは激しく騒々しいが、自分の生い立ちについて真面目に相談する相手もいない(街自体がそうした場所だ)。
育ち盛りなのに、ろくに食べるものを食べていない。
何より愛情を全く受けていない。
三女の幼いサラは寝る場所を求めて他人(お友達)の家に泊まっている。
その家の母に煙たがれながら、、、だが父親が朝食を奢ってくれたりもして、それとなく支えられて過ごしていたようだ。
パパがいたらなあという率直な気持ちも洩れる。

The Poker House007   The Poker House002

母サラと客引きの男デュバルはそろそろ長女のアグネスに客を取らせようとしている。
最も悪質な毒母に他ならない。
アグネスは成績オールAの優等生で、バスケットボールクラブの花形選手でもある。
アルバイトをして稼いでいるし、詩を密かに書いてもいる。
「、、、聖職者と呼ばれ周囲から尊敬を受ける者は神を必要とする幼い子供たちを食い物にする。その行為に終わりはない、、、」
確かな認識であるが、この現実にどう立ち向かうか展望はない。
この磁場のようなポーカーハウスから抜け出ることは、至難の業でもあった。
次女のビーは学校が紹介してくれる児童相談所が里親を見つけてくれることを期待していた。
新聞配達のバイトも幼くしてしている。
三女のキャミーは、バーで酒を呑んでる客のなか、ひとり金魚ビスケットを食べて時間を潰して過ごしている。

The Poker House006

彼女は(妹も含め)街の人々から迫害は受けておらず、バスケの練習に快く付き合ってくれる友人などに寧ろ恵まれていたと謂える。
勉強も手伝ってくれる友人もいる。
ポーカーハウスの娘と言うことで差別を受けるようなことは、特になかったようだ。
そこが、ちょっと意外でもあった。
恐らく街全体が貧民層で皆が似たり寄ったりの立場であったからか。
これで山の手みたいな高所得層が隣り合う環境であったら、こうはいかなかったのでは。

The Poker House005

客引きのデュバルにレイプされ、それを泣きながら母に訴えたのに、彼女は男の味方をして娘を労わるどころか突き放す。
母親の噺から、彼女は自分のことで頭が一杯であり、娘は鬱陶しい存在であったことが分かる。
こんな時ですら、娘に酒を買ってこいと言い放つ。
アグネスはデュバルに殺意を燃え上がらせ銃口を向けるが母がその前に立ちはだかってしまう。
母に対する微かな幻想すら完全に打ち砕かれた。アグネスは完全に愛想をつかし母から離れる。それまでは仄かな愛情すら抱いていたデュバルに対しては激しい憎しみに変わり、彼ら2人とは絶縁する意思を固めた。

毒親が子供の内面を理解することは、永遠にない。
これだけは断言できる。
恐らくその認識を正しく得たのだ。

その足で彼女は遅れてバスケの決勝を掛けた大事な試合に途中出場する。
(もう半ば負けを覚悟した試合で、監督は怒り狂っていたが、、、)。
アグネス独りで終盤7分の間に27点をたたき出し、チームを2点差で勝利に導く。
これは暫くの間、破られない記録として残ったという。
(家庭には恵まれなかったが、元々の能力の非常に高い子なのだ)。

デュバルの車を運転しアグネスはそのまま、居場所のない妹二人を道端で拾い、三人で唄いながら街を去ってゆく。
”Ain’t No Mountain High”を思いっきり唄いながら、、、。
(マービン・ゲイはほとんど聞いてこなかったが、このエンディングには丁度よい曲)。
~乗り越えられない山はない
~深すぎる谷だってない
~渡れないほど広い川もない

「今夜は素敵な夜だ。」
ここを去って20年後にこの映画が完成したという。
(何より監督にとって意味のある作品に違いない)。

The Poker House004

キャストがとてもよかったが、子ども三人の演技が飛びぬけていた。しかしクロエ・グレース・モレッツが余りに幼かったことに正直驚いた(笑。
2008年が思ったより、こんなに昔であったとは、、、感慨深い。
(子供の成長が早いのかも知れない、、、そうだ明日は娘たちの個人面談日である。いつの間にか子供は育っているものだ)。









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