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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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洲崎パラダイス 赤信号

akasinngou001.jpg

1956年

川島雄三 監督
井手俊郎、寺田信義 脚本
芝木好子 原作
眞鍋理一郎 音楽
今村昌平 助監督

新珠三千代、、、蔦枝 (義治の彼女)
轟夕起子、、、お徳(千草の女主人)
河津清三郎、、、落合(ラジオ店の店主)
三橋達也、、、義治 (蔦枝の彼氏)
芦川いづみ、、、玉子(そば屋の女店員)
植村謙二郎、、、伝七(お徳の夫)
牧真介、、、信夫(トラック運転手)


勝鬨橋で始まり色々あってまた初め~勝鬨橋に戻る。
双六みたいな映画だ。物語としてよく出来ている。
「洲崎パラダイス」というギラギラした電光看板が橋の入り口にあり、そこを越えた先が異界となっているところは、千と千尋の神隠しみたいだ。
文字通りのパラダイス~晴れの場なのだが、忌諱の場でもある。
そこの手前で色々な幻想を抱きながら、堅気に生きる面白さを描く。
そんな映画。
はじめて観るタイプの映画で、とても新鮮であった。

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驚いたのは、出て来る男たちが皆、マザコンなのである。
それも女々しいマザコンだったり、能天気マザコンだったり、壺振り師風マザコンとか(爆。
この時代の男ってえのは皆、こんな風だったのか、、、。
そんな気がする。
その分、女がやたらと生きが良い。
女に振り回されっぱなしの男たち。


巨大遊郭「洲崎パラダイス」に行く橋の手前がまるでこの世の縁、特異な襞のような地帯に想えた。
そして女たちの平べったい声が幾重にも木霊する河を臨む夜の橋や河原の光景が今の日本の原風景なのだと主張しているような、、、何ともうら寂しい。
街には大型トラックが何台も行き来していて、挨拶も飛び交い景気は良いように見えるが、主人公の二人のように今日の寝床にも困る者もいる。

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東京を彷徨う二人、元橋の向う側、洲崎パラダイスで娼婦をしていた蔦枝と仕事をクビになって金のない義治の動きを軸にドラマが流れる。

橋のこちら側(橋脇)の居酒屋「千草」の女主人のお徳のところに転がり込んだ二人は、蔦枝は客引き~客あしらいに才能を見せ、何やらやる気のない義治も尻を引っ叩かれお徳が探してくれた蕎麦屋の出前の仕事に就く。
「だまされ屋」という蕎麦屋である。如何にもというか、人を喰った名前の店で義治もダラダラ働き始める。
旦那が洲崎パラダイスに蒸発して以来、女独りで幼子二人を養い切り盛りしている居酒屋に普通に転がり込み、そのうえ女将に仕事を探してもらったりと、この頃の共同体は、余所者に対し実に優しく開かれていたようだ。「だまされ屋」主人も挨拶もろくにせずぼ~っとして突っ立っている何処の馬の骨か分からぬ義治を二つ返事で引き受けてしまう。大らかなのか、、、そうなのだろう。
「千草」に毎日届けられる氷が気持ち良い。

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蔦枝の方は、金回りのよさそうな神田の成金ラジオ商人落合をお得意さんにして色々と貢がせ、アパートまで借りてもらう。
さっさと義治に見限る形か、、、落合と駆け落ち?してしまう。なかなかドライな自由人である。
蕎麦屋「だまされ屋」には、玉子という若くて面倒見の良いしっかり者の娘がおり、何かと義治を心配して世話を焼いてくれる。
「千草」のお徳にもいろいろ世話をかけるが、仕事に集中せず、蔦枝に未練を持って追い掛け回ってばかりいる。
まあ、煮え切らない諦めの悪い男だ。神田で暑気にやられ倒れた際、助けてくれた土木作業員に頼んでそこで日雇い仕事でも始めるのかと思いきや、無断で飛び出してきた蕎麦屋にまた舞い戻り、親方へは玉子にとりなしてもらう。
何なんだこのマザコン。
蕎麦屋の玉子と結ばれれば、真っ当な人に更生できたかも知れぬが、、、。

「千草」の常連で、赤線から若い娘を救い出そうとする若いトラック運転手がやはり女将に彼女の堅気の仕事先を頼みに来ていた。娘は特に何も語ってはいなかったが、本心は果たしてどうなのか。
そして男が迎えに行く直前に娘は何処かに売られたのか、自ら去ったのか「洲崎パラダイス」から姿を消す。
嘆き悲しむ若い運転手信夫のドラマも傍らに流れる。
純情な青年みたいに描かれていたが、独り相撲のマザコン坊やにも見えた。

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それから、長年橋の向うに行ったきりであった夫、伝七がお徳の元にある晩ひょっこり帰って来る。
暫くの間、黙って外に突っ立っている。
還って来た放蕩息子みたいだ。お徳に呼ばれて無言で家に入って来てそのまま居つく。
一言もないまま、子供たちを連れて遊びに行ったり、下でやっている貸しボート屋の手伝いをちょっとばかりやってみたり。
ふらふらしている姿恰好は渋いツボ振りの旦那だが、子供がそのまま大人になったみたいだ。
カッコつけマッチョマザコンである。

結局、還って来て女将さんも一安心も束の間、向こう岸のかつての愛人に刺殺されてしまう。
トラック野郎の彼女もずっと貢ぎ続けて迎えに行く頃に消えてしまうし。
蔦枝も神田の落合に飽きて、戻ってきてしまう。この落合の乗るスクーターはとてもイケるのだが。
落合は、当時のお金で10万以上をアパート代や着物代に貢いで、全てパーになってしまった。
やはり橋を渡った向うの住人に過剰に関わると、とても痛い目に逢うことになるようだ。
確かに「赤信号」である。

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折角、玉子のお陰で蕎麦屋の出前仕事を真面目にやり始めたのに、舞い戻った蔦枝に逢ってしまい、義治は彼女とまた一緒に無一文のまま出て行ってしまう。例の勝鬨橋で振出しに戻り、今度何処に行く?である。
それもまあ、良いかも、、、。


なかなか、画面の構図も絵としてよく出来た映画であった。
BGMが独特のジャズテイストでキッチュで中毒性を感じる。
こういった感じの映画を観始めたら癖になってしまうかも、、、。
マザコン三兄弟みたいなのは、ちょっと、なんだが、、、。











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