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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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ゴンドラ

Gondola003.jpg

Gondola
1987年

伊藤智生 監督
伊藤智生、棗 耶子 脚本・原案
吉田智 音楽

上村佳子、、、かがり(小学5年生)
界健太、、、良(ビルの窓拭き)
佐藤英夫、、、良の父(元漁師)
出門英、、、かがりの父(作曲家)
木内みどり、、、かがりの母
長谷川初範、、、小学校教師
鈴木正幸、、、獣医


ごっこ」と「万引き家族」を直ぐに思い浮かべる。
ひと目~ファースト・インプレッションで、分かり合える者同士は分かり合えてしまう。
そこが共通する。

但し、これは自主製作映画である。
商業主義の映画では作れないものを作ろうとしたものか。
資金さえ何とかなれば、自分の思うように作れるはず。
監督処女作だそうだ。


よく処女作は越えられない、と言われる。
想いの籠った力作であることは間違いない。
絵で魅せる。見詰める目。視線、、、など印象的。
説明を極力抑えている、、、セリフも少ない。
かなり意欲的にエフェクトは入っている。
内界外界の間のような。ヒリツクプールの水と漁港の海の暖かさの対比など、、、。
ビルの谷間に現れる海の幻視などの演出も巧みである。
カメラアングルなどには、無意味に感じる部分はあったが。

時代を感じさせるのは、携帯の無い所だが、他に昔の映画と思わせる部分は少ない。
つまり舞台に違和感がない。
そして夕日が綺麗であった。
携帯が無いと空間がこうも清々しいことにも気づく。
(特にうちの娘たちを見ているとこの携帯依存にイラつくこともあり)。

Gondola001.jpg

とげとげしいかがりの性格が、良の田舎で彼の家族と共に過ごすうちにとても自然に和らいでいる。
こどもにはこうした場が必要なのだ。
素朴な煮物を一緒に食べたり、一緒に風呂に入り裸の背中を流し合ったり、布団を並べて眠ったり、、、。
母のネグレクトで経験できなかった安らかな温もり~生活を知る。
自分の居場所のない荒涼とした都会のマンションと学校との行き来では経験できない沢山の活きた魚や人に触れてゆく。
まさに触れ合い。
生とは何か、、、暗示に充ちている。
これからも時々、この家に来ると良いのではないか、と思った。
(わたしの幼少期にも田舎があったことを思い出す。これほど暖か味はないが)。
作曲家で家を出て行ってしまった父(かがりは彼の思い出は大切にしている)と普段放っている(稼ぎは良い)母が、二人して娘の安否を東京で心配しているのだが、、、それはどうでもよい。

Gondola004.jpg

結局、飼っている真っ白の小鳥が羽に怪我をし、呆然としているかがりの姿を窓を拭きに来た良が見つけ、両者の目が宿命的に合う。
直ぐに共振してしまうふたり。
同じように何処にも場所のない者同士で了解がついてしまう。
ゴンドラで窓ガラスを通して邂逅するというのも上手い。良いアイデアだ。
蜘蛛でも良かった気もするが、、、ドラマ化が難しくなるか子供向けメルヘンになってしまうか(笑。

怪我をした小鳥を仲立ちに出逢い、その遺骸の埋葬を巡る(場所探しの)時間が過ぎ、結局良の漁港の街で壊れた船を修繕して夕日に映える海に出てゆくまでのほとんど何があったワケでもない濃密な時間が描かれていた。
無事に海に葬る。
良が高層ビルの窓を拭いている時、下には故郷の海の穏やかな水面があったが、かがりの絵にもその場面が瑞々しく描かれていたその海である。
時が淡々と静謐に流れる、ここが彼らの場所なのだ。

Gondola002.jpg

かがりと良のふたりの時間に何と言うか在りもしない郷愁の念を覚えた。
これは憧れのようなものかも知れない。
こんな時間が過ごせたなら、間違いなく宝となる。
(娘たちと一度は過ごしてみたいと思った)。


こういった映画にしては珍しく後味も良い。










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