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GOMA28

Author:GOMA28
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ラジオ・コバニ

Radio Kobani006

Radio Kobani
2016年
オランダ

ラベー・ドスキー監督・脚本


ディロバン・キコ、、、ディロバン(女子大生、ラジオパーソナリティ)


Radio Kobani001

シリア北部のクルド人街コバニが舞台。
ISに侵略されるがクルド人民防衛隊と連合軍の空爆支援により解放される。
他の土地に避難していた人々が帰って来るが、街はもう瓦礫の廃墟に。

物語の前半は延々と戦闘で死んで土や瓦礫に埋もれたズタズタの死体をパワーショベルで掘り出し、トラックの荷台などに乗せて何処かで処分するために次ぎ次に運び出すシーンが続く。このような戦争時のドキュメンタリーでほんの一コマ映されるような光景がかなり続くのには驚く。その生々しさに。そしてもっと驚くのは、年端も行かぬ子供たちがそれを普通に見ているところだ。
きっと猛烈に臭いのだろう。みんな布で口鼻を覆っている。
中には原形を留めず体のどこの部位かも分からぬような死体(破片も含め)を掘り出しては積んで運び出す。
みんな慣れてはいるが、千切れた体の部分を触るのは抵抗があるようだ。

よくある脱臭されたドキュメントとは違う感触を得た。
戦闘は、収まっている様に見えて、ド~ンという音や機関銃の音が断続する。
カメラが急に忙しく動きだしたかと思うと、クルド人民防衛隊の後について、まさに戦闘場面そのものを撮り始める。
一つ間違えれば撃たれておしまいだ。撮っているのはラジオの女子大生か?そのお友達の方か?
流れ弾が飛んでくる可能性も大な立ち位置である。
大丈夫なのか。これには、ホントにハラハラしてしまう。
味方の女性戦闘員が倒したと言って銃を片手に降りてきたところで、その方向を写すと今倒れたばかりといった格好で敵兵士が横たわっているではないか。もう微動だにしない。

Radio Kobani007

手榴弾もかなり敵陣に放り込む。
上から狙いを定め、ロケット弾も。
そして恐らくスナイパー同士の対決もある。
撮影者の身近の女性上官のiPhoneに電話が入る。
学校の校舎に連合軍の爆撃機が後数分後に爆弾を落とすと言う。
(敵は学校に立てこもり攻撃を仕掛けているのだ)。
他の同志にその場を離れるように指示をすると、約束の時間にピンポイントで爆破された。
味方の表情に安堵感が拡がる。その距離感が尋常でないドキュメンタリーだ。
ともかく近い。
こんな時でも、兵士は床屋で髪を整え髭を剃る。
彼はここにスナイパーとしてやって来たと言う。
床屋が整髪しながら、ISの兵を何人殺したんだね、と聞くが兵士は直接答えない。
ただ、敵はマスクを被っていたり、髭で顔を隠しているから分からないが、殺した後顔を覗くと子供であることが多かったと。
夢にまで出て来て、心が痛むと語っていた。
向うを殺さないとわたしも友も殺されてしまう。
それが戦争というモノだという、、、。

Radio Kobani005

次のカメラでは捕らえられたISの兵士が、尋問を女性指導者から受けていた。
あなたは、ここで酷い虐殺を行いましたね。
~コーランの教えに従ったまでだ。ここの人間は信心深くないと聞いている。
何故、女性や幼い子供、老人たちまで殺したのか。
コーランの教えにそんなことが記されているのか。
~金で雇われたんだ。家族に会いたい。貧しくて金を稼がなくてはならなかった。
普通、金を稼ぐのなら他の方法で稼ぐであろうに。

何と愚かで単純な動機だろう。

ディロバンが始めたラジオで戦果の報告をしたり、毎回のようにゲストを呼んでインタビューを行っていた。
彼らは、皆SNSをやっているが、フェイスブックが主流のようだ。
母親とフェイスブックで知り合った彼氏のことを冗談を交えながら楽しそうにしていたりする。
彼氏選びが一番嬉しそうだ。
勿論、友達同士でも盛んに情報のやりとりをしていた。
女子同士の噺は何処の国でもどんな状況下においても同じ、、、。
女の子同士でバイクに乗っていると若者の乗る車が近づいてきてクラクションを鳴らす。
その男子を見てケラケラ笑う。こんな光景もまた何処も同じだ、、、。
しかしディロバンの幼馴染の一緒に男の子に声をかけようと約束していた娘は、ISに斬首され路に死体を晒されたという。
死はいつも隣合わせで、紙一重で生死が決まっている。

Radio Kobani003

ここも一時的に落ち着いても直ぐにロケット弾が夜空を飛んでくるのだ。
凄い音が遠くで鳴り響く。
その翌日にはその地点の民家で葬式が執り行われており、その傍らに泣き叫ぶその身内がいる。
そんな日常に、女子大生の体当たり取材で作られるラジオ番組「おはようコバニ」は放送されているのだ。
よくこの環境下で取材と出演交渉まで熟し、番組制作をコンスタントに継続出来ると感心する。
勿論、パーソナリティもだ。大した力量だ。これだけスキルとバイタリティがあれば世界の何処の放送局でも通用すると思う。
放送中、突然停電し、予備発電機に切り替え続けてゆく。
その辺もぬかりない。
しかし解放された後、発電用のダムがこちらに戻り、電力供給が安定する。
それでもこれまでの習慣で節電に気を付けてしまう。

Radio Kobani004

状況が安定すれば、直ぐにお友達とアクセサリーの店に行き、プレゼントを買ったりもする。
パン屋が窯で香ばしそうな大きなパンを焼き始める。
復興の兆しが見られ明るい表情もあちこちに窺えるようになり、、、
ラジオの力はより肝心なものになって行くはず。
きっと血液の循環を活性させるように。
(TV局になってしまうとこの機動性と良心は無くなってしまうかも)。
日本との違いといえば、、、直ぐ隣に死があるかどうかであろうか、、、。寧ろそのせいか彼らの生は力強い。鮮烈な覇気も感じた。
場所があるなら復興は可能だ。
(われわれに本当の場所があるのだろうか)。

Radio Kobani002

音楽が良かった。とても惹かれた。ここで演奏されたような音楽をもっと聴いてみたい。













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