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GOMA28

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みかんの丘

Tangerines001.jpg

Tangerines
2013年
エストニア、ジョージア


ザザ・ウルシャゼ監督・脚本
ニアズ・ディアサミゼ音楽

レンビット・ウルフサク、、、イヴォ(みかん箱作る老人)
ギオルギ・ナカシゼ、、、アハメド(チェチェン人傭兵)
ミヘイル・メスヒ、、、ニカ(ジョージア人兵士)
エルモ・ニュカネン、、、マルゴス(みかん農園主)
ライボ・トラス、、、ユハン(医師)


「世界が危機的な状況のなかで、人間らしさを保つことの大切さを描きたかった」と監督の意図が良く分かる作品であった。
南コーカサス地方~ジョージア西部のアブハジアでエストニア人が昔から住む集落が舞台。
ジョージアとアブハジア間の紛争によりエストニア人はほとんど国に帰ってしまうが、イヴォとマルガスは残っていた。
マルガスはみかんを収穫せずに腐らせていまうことは忍びないということで収穫を急いでおり彼自らこの戦争を「みかん戦争」と言って収穫に賭けている。そしてその箱作りをしているイヴォは本当に残る理由は語らない。

Tangerines003.jpg

いよいよこの集落にも戦闘が迫って来る。
近くで機関銃とバズーガ砲の音がして、行ってみると何人もの兵士の死体が転がっていた。
彼らの車を道脇に落として隠し、彼らを埋葬しようと近づくとまだ生きている兵士が2人いるではないか。
一人はアブハジアを支援するチェチェン人、もう一人はジョージアの兵であった。
この敵同士の負傷兵をイヴォの家に匿い手厚く介抱することとなる。

Tangerines004.jpg

外も機関銃の音がしたり、どちらかの陣営の車がやって来たり、物騒であるが。
家の中も緊張の走る非常事態である。
医者を呼んで治療して貰うが、どちらも助かると言う。
傷が癒えて来て、ベッドから立ち上がれるようになれば、一触即発の事態が見えてくる。
イヴォは2人が口をきけるようになったところで、わたしの家で争うこと殺し合うことは許さないと告げる。
2人は彼の威厳と受けた恩からそのことを固く守る。

Tangerines005.jpg

単に立ち場が違うだけの人間同士である。
共に一つ屋根の下で過ごすうちに、いがみ合う必然性を失ってゆく。
お互いの身の上噺などをしながら打ち解けてゆくのだが、、、
イヴォの家と外部世界の時間は相当なズレを生じていた。

こんな時世となり、みかんの収穫と出荷のことで悩んでいたマルゴスであったが、兵士が40人ほど手伝ってくれることになりホッとした矢先、大きな攻撃が始まり、約束した一隊がどうやら壊滅的打撃を受けたようであった。
家も燃え、ミカン園も大打撃を受けてしまう。マルゴスの心境に同情する流れが一同に生まれる。
厳しい表情ばかりであったイヴォが冗談交じりの話でニカ相手に笑うシーンがとても印象的だ。
安心した後、奈落の底に落とされたマルゴスであったが、イヴォの家で過ごす4人にはいつしか連帯感が生まれていた。
お互いをただの人間同士として暖かく思いやるような。

Tangerines008.jpg

しかし外部の戦闘は激化し、イヴォの家の庭先で薪割りをしていたアハメドとマルゴスに兵隊が銃を向ける。
アハメドに対しお前はジョージア人だなと迫り、チェチェン語で応対しない彼を撃ち殺そうとする。
だがその瞬間、二階からニカがアハメドを取り囲んだ兵士たちを一掃するような銃撃を始めた。
隙を付いてアハメドもニカから自分の銃を投げてもらい応戦し、襲ってきた兵士を全員殲滅したかに見えた。
だが銃撃の最中、アルゴスは流れ弾で命を落とし、死んだかに見えた向うのリーダーが二階から庭に降りて来たニカを射殺してしまう。

この最後に外部から起きた激しい銃撃戦で、イヴォの家に生まれた時間が切断されてしまった。
戦争という即物的暴力が一様な時間性を押し流してきた。

ふたりをそれぞれ埋葬するイヴォとアハメド。
アハメドはジョージア人に戦争で殺された息子の墓の隣にニカを何故埋葬するのかと聞く。
「誰であろうと変わりない。」「そうだろ。」「そうだ。」
アハメドはイヴォに礼を述べ、ジープで去って行く。
ニカがクシャクシャになって飛び出てしまったカセットテープをいつも直していたのだが、そのカセットテープをセットし、聴きながら暮れなずむ路を走り去って行く。



静かで淡々として進行するなか、シンプルな民族音楽がとてもシーンに合っていた。
とうもろこしの島」に似た質感を持った大変優れた作品だと思う。








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