ブレード・ランナー

1982年の制作か。
もうこんなに経つのか、と思いました。
サイバーパンクの流れを先取りし、各領域への波及はおおきかったです。
この映画の果たした影響はどれだけのものだったでしょう。
少なくともわたしにとっては、決定的なものの一つです。
リドリースコットの「エイリアン」に並ぶ傑作。
原作はフィリップ・K・ディック「アンドロイドは伝記羊の夢を見るか」(トータル・リコール、マイノリティ・レポートに先立つディックの小説の映画化)バロウズの「ブレードランナー」とは関係ないが、その題名=職名だけ借りています。
音楽はバンゲリス・パパサナシュー
1993年にブレードランナーはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存されたそうです。
SF映画の金字塔として。
ハリソンフォードのナレーションのついた初回公開版、ユニコーンの夢のシーンの加わったロング版、ナレーションと最後のデッカードとレイチェルが手つかずの深い森へと逃げてゆくシーンをカットしたディレクターズカット版、さらに多くのシーンに細かい編集をし直し高精細化したというファイナルカット版(私は見てない)がある。(私の知る限り以上か?)
ディレクターズカット版で終わりだと思っていましたが、さらにファイナルカット版で最終版となったようです。
リドリースコット監督もこの映画にはとても思い入れが強いのでしょう。(ファンにとってももちろん。)
完成させたかった。
その完成には確かに、高精細化は不可欠であった。
あのレンブラント光線こそ高精細に霞む光線でリアリティをいや増しに増すはずですから。
わたしいやわれわれはあの光が見たいのです。あの光の照らし出す先を。その絵画を。
あの、ブラインドが遮る僅かな光に照らし出されたレイチェルの静謐な表情にレプリカントの内面が覗きます。
そんな空間ですべてが尽くされていれば、ナレーションなど入る余地はありません。
黒い雨の降りしきる電脳都市は新宿歌舞伎町か。デッカードはビルの谷間の屋台でうどんを注文する。
雨は明らかに酸性雨か放射能の濃度の濃い有害な雨だ。
この雨はこの映画以降、至るところに降り始めます。
メディア、アニメ、映画、現実にも、、、。
ブレードランナーやレプリカントのいる都市は、もうわれわれの都市かも知れない。
この禍々しい雨と郷愁などどこにもない巨大なスクリーンに映し出される女の顔とCMのイルミネーション。
逃げ場のない終末空間。
人工のフクロウ。
自らの記憶を求めて
何者が彷徨いでて来てもおかしく無い。
そんな夜道を何度見たことか。
新しい記憶がほしい。
生きた感情を。
白い鳩も最近見たことがない。
ファイナルカットは唯一私の見ていないVer.ですが、ハイリゾ時代にふさわしい再処理が映像全体に施されており、大変な高精細再現を実現しているようです。これだけひとつの映画が手を加えられて完成度を増し、フィルムが永久保存されることは、この映画そのもののの価値がいかほどのものかを物語るものでしょう。
わたしもいつか最終版を見たいと思います。勿論、Blu-rayです。
この映画で、一番印象的だった役者はルドガー・ハウワーでしたが、レプリカント役のショーン・ヤングとダリル・ハンナもこの映画でブレイクしました。(ダリル・ハンナは「スプラッシュ」でも人気は博していましたが)
おまけ
Daryl Hannah



Sean Young




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