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GOMA28

Author:GOMA28
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真珠のボタン

El boton de nacar005

El boton de nacar
フランス・チリ・スペイン
2015年

パトリシオ・グスマン監督・脚本
カテル・ジアン撮影

パトリシオ・グスマン監督の「光のノスタルジア」(2010)に続いて観てみたが、結局ピノチェト軍治独裁政権により大量虐殺された市民の遺体(残酷極まりないな拷問を受けて死んだ者たち)は、列車のレールに体を結び付けられた形でヘリから海に投下されていたのか。
これでは、砂漠をいくら掘っても見つからない、、、。
これほどの大犯罪が全く取沙汰されないのは、アメリカが背後で糸を引いていたためか。

今回もチリらしく、宇宙との関係で水を仲立ちに生命が説かれる。
映画は、水晶に入った3000年前の一滴の水から始まる。
ロジェ・カイヨワみたいだ)。何とも言えない郷愁に囚われる。

そう”水”である。
水以外に託せない。
水が全てを記憶してくれている。
政治~法などではもはやどうにもならないのだ。

El boton de nacar006

今回は、民俗学的なアプローチがかけられ、1万年以上前にパタゴニアにやってきた民族~インディオの数奇な運命から語れてゆく。

彼ら先住民はチリで唯一の海洋民族であった。
フィヨルドの間を行き交う、水の遊動民~ノマドである。
海に潜り恵みを食べ、カヌーで絶えず移動をしていた。
櫂を漕ぎながら子供は大人になって行く。

そうした彼ら先住民の写真も残っており、とても美しく威厳もあって印象深い。
よく、これだけの数の記録写真、映像が残されていたと思う。
学術的な記録というところもあろう。

しかし白人が入って来て、先住民の土地と信仰、言語、カヌーは奪われ、無理やり着せられた服には病原菌が付着しており多くの者が死んでしまった。その上、先住民狩りの標的となり残りの命も狩られほとんどが消滅することとなる。
牧畜を大規模に始めようとしていて、南部のインディオを皆殺しにしていったのだ。
パタゴニアは失われた。今残る彼らの子孫は20人を数えるのみ。
チリの望遠鏡から他の水を貯蔵する天体は幾つも発見されている。
そこにカヌーが浮かべられれば、彼らは平和に暮らすことが出来ただろうか、、、監督~ナレーターは夢想して語る。

であるから、彼らの僅かに残った者たちはチリを否定する。
チリに住んでいるが、自分は断じてチリ人ではない。
彼らは数千年前の言葉を話す(彼らが亡くなれば、消えてしまうモノか)。
チリという国は、4200㎞の世界一長い太平洋に面した海岸線を持っていながら、豊かな海~水に背を向けた。
チリ人は海を疎んじている。唯一水と共に生きた民は後か僅かしかいない、、、。

El boton de nacar004

民俗学者がインディオに教わったという原初的なボーカリゼーションは思わずわたしも真似してみたい衝動にかられた。
水=音楽=生命というのは、とても良く分かる。

水は遠く離れた宇宙空間を彗星によって運ばれてきた。
インディオは死んだら星になると信じていたという。
映像は美しい。
禁欲的に静かに入って来る音楽もとても情景に合っている。
彼らは自分たちの体に絵を描いた。
星々が身体を纏う。

El boton de nacar003

入植者たちの暴挙が始まる。
金鉱目当ての山師たちやカトリック宣教師たちである。
ずっと水と星と共に生きて来たインディオたちは、入植者たちと彼らを支援する政府に「野蛮人」として迫害を受けてゆく、、、

そのなかで入れ子状に挿入された「ジョニー・ボタン」の伝説めいた逸話がある。
19世紀初頭にイギリスの船が訪れ、4人のインディオを文明化しようと船長が企み、イギリスに彼らを連れて行った。
「真珠のボタン」と交換で船に乗せたインディオのひとりをジョニー・ボタンと名付けたそうだ。
石器時代から産業革命後の世界へ海の旅で渡る。これも時間旅行になろう。
そして英語を喋る紳士となったころ故郷に還されることになった。
直ぐに彼らは服を脱ぎ、髪も髭も伸ばし見かけは元のようになったが、かつての自分には戻れなかったという。

El boton de nacar002

ピノチェト軍治独裁政権支配の終わった30~40年後に政権幹部であった者が一般市民、政治犯たちの死体を海に投下したことを明かす。
その地点の海底を探ると海底の付着物のぎっしりついたレールが見つかった。
その付着物のひとつに、真珠のボタンがあった。

チリらしく、絶えず星と地上の生命の物語を「水」を間に据えて描いたものであった。
大変美しくイマジナリーな映像でもあった。音楽もマッチしていた。
あり得ない他の惑星の海をカヌーで渡るインディオたちの姿が郷愁に溢れていた。

El boton de nacar001









これは、「真珠のボタン」と「光のノスタルジア」のツインパック。




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