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GOMA28

Author:GOMA28
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グラビティ 繰り返される宇宙

ATROPA001.jpg

ATROPA
2018年
アメリカ

エリ・サジック監督・脚本


アンソニー・ボナベンチュラ、、、コール・フリーマン(警官)
ジーニー・ボレット、、、モイラ(コールの離れ離れになっていた妻、医療スタッフ)
クリス・ボス、、、サンダース(アトロパ号乗組員、メカニック)
ベン・クリーヴァー、、、ジェンセン(アトロパ号乗組員、情報解析)
デヴィッド・M・エデルスタイン、、、ロバート・マッケイ(アトロパ号船長)
マイケル・アイアンサイド、、、シュレイバー(コールの上司)


もう忘れかけているが、、、備忘録的に。

”ATROPA”。シンプル。
短い映画で助かる。深宇宙でのイベントなのだが、非常に狭い範囲にフォーカスして、こじんまりとしている。
長いものを観る余裕~時間がないときに丁度良い。この時間がこの映画のキイだ。いやキイは重力で時間は結果か。
ループものである。

ATROPA005.jpg ATROPA002.jpg

宇宙船アトロパ号とコールの探査船の全体~ディテールがとても質感があり、見せ方も上手かった。テンポも良い。
VFXテクニックがしっかり駆使されていることが分かる。
巨大惑星の輪の部分がこれまでに集まった(アトロパ号の残骸と)脱出ポッドで形成されている光景には瞠目した。
見せ場は幾つもあるが、これが出色のシーンであろう。
他にも、宇宙空間に忽然と現れた過去のアトロパ号が、今のアトロパ号に激突するシーンもグロテスクであった。
こういった驚愕すべき事件~認識は一種のグロテスクさを伴う。
そこがよく描かれている。

コールの地球における刑事時代の回想~記憶に出て来るロボットも、ちょい役で出て終わりというのも勿体ない出来映えであった。
低予算であることは窺えるが、登場するモノがきっちりと作り込まれているのには好感が持てる。
ただし、時間の逆戻りまでは良しとして(もともと時間は方向つけられていない)、またもやループとかで、、、心配になりはしたがこの作品は余り気になるところは感じない作りであっさりとエンディングまで行けた(時間を扱ったものは、兎角チャチになりがちだが)。
全体の雰囲気は良い。この監督の他のものにも興味を覚えた。ニール・ブロムカンプ監督に近いものを感じる。

ATROPA005.png

通常、時間とは事象の起こる順番や相関関係をもって身体的に感知し、そのレベルでわれわれは認識している。
だが一方向に不可逆的に、一定ペースで、全宇宙において共通な時間(そして今)という認識は量子物理学と相対性理論によって否定されている。相対性理論では時間は重力によって変化するもの、量子論では、そもそも因果律ではなく相互作用である。
よく例えられる、時間はお金のようなもの。
いづれも超越的な測りの役を果たしているだけ。
時間概念いや観念はマクロの領域に観られるエントロピーの法則からその一方向性をわれわれが感知、身体化しているところによると思われる。

この御話の現場では、強力な重力場における時間の遅延が船に生じているらしい。
相対性理論から発想を得ている脚本になるか。
それにしても、どれだけの重力との関係なのか。そもそもそこに船として存在できるのか。事象の地平面に引き込まれずにいられるのか、、、の方が心配になる。そんなデッド・ゾーンと呼ばれる場所~局所の御話である(苦。

ATROPA004.jpg

インターステラー」も主人公が高重力場(ブラックホール近傍)を経験してきたため、地球に帰還した時にはすでに娘の方が歳上であった、、、などあるが、、、。
そして、時間ループである、、、。ここでは時間の逆走から起こっている。

物語としては、、、「敵は何だ」に対し「時間です」
古いナビ信号がだんだん速くなり、それが逆再生して流れているのが分かるが、実は信号そのものは正しく、自分たちの方が空間的には静止しており、時間的には逆走していることを知る。しかも逆走は次第に速くなっていると。船員は、初めて地動説を説かれた人々状態か?(そこまでの動揺はないか、、、)。
コールの探査船がアトロパ号に追いつく時間が予定よりずっと早かったことが頷けた。
そして、このままでいると、また昔の宇宙船アトロパ号が激突して来る、、、。

自分たちの乗るアトロパ号の時空間座標において、過去のアトロパ号が衝突~全員死亡することがエンドレスで繰り返されていることを知り、コールはその無限ループを断ち切る決意をする。
彼は離れ離れになっていた奥さんをアトロパ号に見つけ、漸く彼女との仲を修復しようとしていたところである。
このループが、彼らの行動の修正により回避できるのか、というドラマとなっている。
なかなか心理劇的にワクワクするものはある。
われわれはネットワークのノードである。ノードの振る舞いはとても肝心なものだ。
(そう捉えておいてよいか)。

ATROPA003.jpg

ある意味「エンドレスエイト」を思い起こす。
考えてみれば、時間ループものは、結構多い。
何故それが起きるのかという原理はそれなりの(荒唐無稽な)説明があるも、取り敢えずそれを受け容れ、内容を愉しむという形となる(それは仕方ない)。
大概が人間ドラマのやり直しに落ち着く演出舞台に過ぎず、それとは別の創造レベルに達しているのは、やはり涼宮ハルヒの「エンドレスエイト」か。
確かに「エンドレスエイト」は大怪作)であった。


ただ、とても気になったのは、コールがループを断ち切るため、デッド・ゾーンに停滞するアトロパ号とそれに激突してくる異なる場のアトロパ号(どうやって異なる時間系の物体が同じ空間に相互作用を起こすのかがキツイところだ)を共に完全爆破して終わらせようとしたのだが、それでホントに終わったのかどうか、、、である。
また、個人レベルで考えても、コールが後に小さな探査船でやって来る自分に託す形で妻のモイラを独り脱出ポッドに乗せて送り出し、自分はアトロパ号で自爆するのだが、飽くまでもそこにこれからやって来る自分は自分であって自分ではない。まさに、この固有時である自分と妻との関係は他の自分とは言え還元不能のはずである。感情的に受け容れられないものではないか。
自分~アイデンティティとは何かの問題ともなる。

やはりフィジカルにもメタフィジカルにもメンタル~オントロギーにも今一つ詰めが欲しいところか。
尺も短くあっさりし過ぎている。
(もう少し練っていたらかなりの傑作になっていたかも知れない)。







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COMMENT

観どころたくさんありました

GOMAさん、こんにちは。
大変な世の中になりましたね。お元気でしょうか?
GOMAさんのこの映画の解説とコメントが興味ありましたので、先ほどAMAZONで観てみました。
最初は純粋な科学的興味から観たのですが、おもしろさはむしろ違うところの方が大きかったです。
もちろん科学的にもおもしろかったですが、無理があるので、目をつむった上で、その中でどう描くかの勝負だったと思います。
いろんな角度からGOMAさんが鋭く書いておられて、さすがだと思いました。
たしかに見るべきポイントはたくさんありますね。
惑星の環のシーン。ほんとにぞっとしましたね。
自分のアイデンティティーとは何かという点、まさに同感です。
監督としてここまで描けたこと、なかなかだと思いますし、そしておっしゃるように、さらに詰めればものすごいものになっていたと思います。
実は最近仕事上で結構参っていましたので、この土日は心技体を整えることが必要なのですが、この映画はかなり精神的によいものをくれました。
短いのもありがたいですね。
では、お互いによい週末を過ごしましょう。

ありがとうございます☆彡

> GOMAさん、こんにちは。
> 大変な世の中になりましたね。お元気でしょうか?

毎日、娘二人を相手に何とか勉強をさせようと悪戦苦闘です(爆。
自分の時間がないばかりか、運動不足の上に食べてばかりの悪循環が続いております(苦。

> GOMAさんのこの映画の解説とコメントが興味ありましたので、先ほどAMAZONで観てみました。

お忙しい中、恐縮です。

> 最初は純粋な科学的興味から観たのですが、おもしろさはむしろ違うところの方が大きかったです。

そうですね。SFで純粋に科学的興味を充たしてくれるものは寧ろ少なく、他の目的~メッセージをSF的演出の舞台で魅せるものが多いと思います。

> いろんな角度からGOMAさんが鋭く書いておられて、さすがだと思いました。

ありがとうございます。この映画は書きにくかったです(笑。
監督は、結構SF好きだと思われますが。

> 惑星の環のシーン。ほんとにぞっとしましたね。

あれは、ショックを受けました。

> 自分のアイデンティティーとは何かという点、まさに同感です。

苦悩しますよ。時間制限のなかでの決断ですが、、、あれでよかったのかどうか、、、。

> 監督としてここまで描けたこと、なかなかだと思いますし、そしておっしゃるように、さらに詰めればものすごいものになっていたと思います。

可能性の余白は残していますよね。結構、映画の質感が気に入り、好感は持ちました。

> 実は最近仕事上で結構参っていましたので、この土日は心技体を整えることが必要なのですが、この映画はかなり精神的によいものをくれました。

それは良かったです。お仕事は人との関係が一番大変だと思われます。
ストレス解消に良いものをお選びください。
(中には余計気持ちを重くしてしまうものもあります。わたしの感想がその辺の選択材料になれば幸いです)。


> では、お互いによい週末を過ごしましょう。

久しぶりに大変まともなコメントを頂けて良かったです(爆。
妙なものがここのところ入って来ていたものですから。

では、また立ち寄らせてもらいます。
今後とも宜しくお願いします。

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